RPG〜参〜
「ただーいまー」
返事が返ってこないことを知りつつ家に入るなり、カバンをドサッとソファーに投げると勢いで跳ねて床に落ちた。
「あーーもうダメだ!」
ありえねぇくらい疲れた…。
なにかしたって訳でもねぇし、むしろ授業だってこのゲームばっかでろくに頭も使ってねぇのに。
右手に固定されているかのように、ずっと握っている。
辞められないくらいドはまりしてんな、俺。
ソファーに寝っ転がり、つけっぱなしのゲーム画面を再び進めた。
stage38。
まさか1人でここまで進められるとはな。
いくらステージがアップしても、それほど難しくもならないし、攻略本が必要になる訳でもない…
むしろステージが上がっても何一つ変わっていない気が…まぁいいや!
ちょちょいと済ませて目指すはステージ100!!
龍己の奴びびらしてヤローっと。
「…ぁ、やべぇもう減ってきてんじゃん」
体力回復すんの忘れてた…残りは53…とりあえず1回だけ回復しとくか。
夢中になって進めていると体力が回復してない事に気づいた。
回復方法は1つ。
ガチャを回す。
「ガチャを…?」
なんでだ?普通何かを手に入れてそれが回復要素になるのが普通のゲームだろ。
変なの…
そう思いつつもガチャを回す。
電子音と共に来たのは激レアの文字。
「よっしゃぁ!可愛い子ゲット!」
名前は、ミーナ
属性は…
「へぇ、魔法タイプか。初めてだな」
今まではみんな剣士だったのに。
「魔法タイプは、魔具を使い発動…する。1つの魔…具につき?…使用時間は5分以内…身に付けると魔法が発動…」
なんだこれ、ヤケに細かいな。
つーかこれ、俺が知る必要あんのかよー余計な事ばっか長々と説明しやがって。
「はぁ…」
おっ、回復した。
体力93!流石激レア!ラッキー
いーなやっぱゲームって俺まで疲れ飛んだ気分だぜ
お風呂に行くも、何をするにもゲーム片手だった俺。
気づけば時刻は12時を回っていた。
「流石にやべぇよなぁ」
明日学校だし、そろそろ終わるか…
そう言いつつもゲームから目が離せない俺はそのまま寝落ちした