RPG〜壱
龍己と来たのは長い廊下を曲がった一番奥にある空き教室。
ボロい机と椅子がいくつか重ねられていたり、乱雑に置かれている所に座り込むと、早速さっきのゲームを取り出した。
「…ホントにやる?」
「はぁ?!今更何言ってんだよ。買ったらやろうっつったのお前だろぉ」
俺にゲームを渡しながら恐る恐る聞いてくる龍己。
何をそんなにビビる必要が…
「それさ、聞いたんだけど…プレイってボタンを押すとゲームの中に引き込まれて2度と戻ってこれないらしい」
なんたる衝撃の事実!!
「それ先に言えよ!wオチがなくなんだろw」
「いや!ガチだっつの!だからやるか聞いてんだよ」
「つか、それ誰に聞いたわけ?」
「そこの店長」
店長…なら、そんなのなんの根拠もないじゃないか。
まじでいつもの龍己の驚かしじゃねーの?
「いーよやろーぜ!面白そうだし!」
異常にビビリ腰の龍己は珍しい。
「まじぃー?」
「何お前ビビってんの?笑」
「んなっ!わぁたよ!やるよ!」
流石。挑発には弱いのな相変わらず
そして電源を入れると普通のゲーム同様、設定を入力する。
「なぁー疼夜なんかこの設定細かすぎじゃね?普通プロフィールなんて書かないだろ」
「…確かに、なんか気味悪いな」
まぁ、引き込まれるだのってのは、はっきり言って信じてない。
そんな事起きたらこの世界は成立しなくなる。
そう言うと妙に納得していた。
ついにプレイボタン登場。
なんの変哲もないもんだから不信感もなく押してしまった。
「「あっ!」」
ピロンっと音がした瞬間ゲームが始まった。
これは1ステージごとにプレイボタンが出てくる仕組みだ。
4ステージまで進めた所で何も起こらない事に飽きたのか龍己があくびをしだした。
何も起こらないじゃないか