紫の少女
「とりあえずは大丈夫よ」
「ぁ、ありがとうございます!」
それにしても、病院らしくない部屋だな…。
キョロキョロと落ち着きなく見渡す。
「そんなにソワソワしなくても時期に目が覚めるわよ」
そう言って笑いかけてくれたのは、治療をしてくれた若い女の人。
黒い髪がお似合いだ。
「あ、いや、つーかさっきのなんすか?」
少女を治した治療は魔法の様だった。
俺が現実世界で知ったゲームに出てくる魔法は魔具を使用したものだけだ。
「これは、魔術」
「魔術…?」
「あら、あなたここに住んでいるのよね?知らないの?」
「え、あ、いやぁなんつーんでしょ…」
言ってもいいのか?ダメなのか?
…って、言ったところで信じてはもらえないか。
「俺、遠くからきてるんすよ〜あははっ」
明らかに胡散臭い笑いしか出ない自分。
「魔術、それを持ってんのは一部の人間だけだ」
バンっと奥の扉があくと、そこからこれまた体格のいいおじさん。
緑の髪が印象的だ。
「っていつから聞いてたんだよ!」
「お前が遠くから来たっつーんで興味を持ってな、俺ドーランっつーだ。で、あっちはアスカおめぇは?」
女の人をさしてそういった。
「俺、冬夜。」
目の前の椅子に座って腕組みをしたドーラン
横ではベットに寝ている少女の頭を撫でているアスカ。
寝息を立てる少女。
「それで、魔術って?」
「魔術ってのは、色んなタイプに分かれるんだ。緑地タイプ、水タイプ、風に炎とかな」
指折り数えて得意げに笑った。
「因みに俺は緑地タイプ。名前の通り木や地を動かす魔術。その証拠に髪と目が緑なんだ。」
「へぇ〜なるほどなぁ…」
つまり、魔具を使わなくても使える魔法的なやつか?
「それと、俺の嫁さんは風な」
「へぇ〜なるほ……て、」
「はぁぁぁあっ?!」
よ、嫁さん?!
「何を驚く事があんだよ餓鬼!」
「いや…この世界でも変わんねぇなって…」
「なんのこっちゃ」
「いいやこっちの話だ。」
少女が目覚め次第出ていくとだけ伝えるとその晩は泊めてくれた。
色々ありすぎて身体に来ていた俺はすぐ眠ることが出来た。




