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錆びかけの男
男は自分の死が近いことを感じていた。宇宙船がデブリ群に座礁してから1年が経とうとしていた。乗組員は100を超えていたのが今では男一人でだけである。死んでいった者たちは自殺か殺されたかのどちらかに当てはまり、同時に殺人者でもあった。座礁から半月が経つと仲間内に軋轢が生まれ、たったの1月で警察力は消滅した。2か月で、宇宙船の中で各派閥の紛争になり、乗組員の半数が消えた。座礁しているとはいえ、宇宙船の自家発電機能や浄化機能は作動しており、賄えないのは食料だけであった。
男は気怠そうに立つと光線銃を構えた。光線銃にエネルギーを注入するのである。自動販売機からプラグを引っ張ると、光線銃に差し込んだ。今は見る影もないが、ここはかつてのレクリエーションに使われた部屋だ。たくさんの机と、椅子しかない。男は目頭が熱くなるのを感じた。
しばらくしているとドアを突き破って宇宙怪獣が飛び掛かってくる。落ち着いた様子で3発。頭と胸、左腕に当たり、大穴があいた。ピクリともしなくなったの見て、男は息を吐き出すと、