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一つ星横町より  作者: たろべえ
1/3

プロローグ ~朝~

 城下に太陽がほんのわずか差したころ、ガレノ横町では朝の音が飛び交い始める。

 籠に山と積んだ焼きたてのパンを売って歩く寺院の子供。それを呼び止めて朝ごはんのためのパンを買うおかみさん。小銭を渡しながら、一言二言優しく声をかける。答える子供のくぐもった笑い声。

 あちらのほうでは、寝坊をしたのか手に持ったすね当てをがちゃがちゃ鳴らしながら、城へ走っていく詰襟の青年。驚いて飛び立つ小鳥。それぞれに賑わしい朝が訪れている。

 

 ここでは、町の東端アソノ寺院の物見台から見て朝日が完全に姿を現したときに三度鐘を撞く。城の大門を始め、多くの店や学校がその鐘でもって始業する。

 もっとも、一番の早起きとされている寺院の僧侶はそのころ一仕事を終えて休憩中だ。パンを焼くのは寺院の大切な役割で、真夜中のうちに起きて聖泉で身を清め、東に向かって短く祈りを捧げると、早々に竈へ向かうのだとか。

 身寄りが無くて寺院に預けられている子らは、きっとその次に早起き。焼きあがったパンを売りに行く前に、星神さまや寺院の皆の朝餉を作らないといけない。広場で遊ぶ子供たちの中で、夕暮れ前にこっくりこっくり船をこぎ出すのは寺院の子だ。

 始業の鐘と同時に城下の見回りに出る警邏の兵は、三人一組、静かに歩く。

 日の出間際には、城の前に大きく毛むくじゃらの獣が牽く車の列。この獣は体はどっしりと山のようだが神経が細かくて、周りにいる仲間の長い尻尾が体に触れただけで甲高い鳴き声を上げてしまう。城の門番は、あちらに行っては気が立った獣をなだめ、こちらに行っては列の間隔を調整してと忙しいらしい。

 こちらに来て半年、私の住むガレノ横町からうかがい知る朝の風景である。


                              

 

 

 

 

つたない文章で恐縮です。

のんびりつむいでいきたいと思っています。

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