第三章「アメリカ!?」
「…アメリカっアメリカ!積木アメリカ!」
「此処…何処…。」
私はゆっくりと目を開けた。
自然に目が開いた、というよりあけさせられた、のだ。
目の前の加奈が、積木の頬を面白そうに突っついている。
なんで加奈が……、ああ、そうか…今日は修学旅行か……。
…じゃない。なんでコイツがいるんだ。
第一修学旅行だとしてもクラスが違うだろう。
「加奈っ、なんでいんの!?」
「あ、起きた。ねぇーみて!アメリカだよ、アメリカ!」
加奈は起きたばかりの私に、理解不能なことを言う。
「アメリカ…?」
「そう!見て!コノ部屋!アメリカでしょー!」
私はそう言われ、この謎の部屋を見渡した。
……確かにアメリカだ。(?)
でも、日本にもないとは一概に言えない。第一信じられるもんか。
いきなりのモーニングコールがアメリカって何だ。
「まさか…なんで行き成りアメリカでてくんのさ…冗談やめてよ…。」
私はそういって、また寝ようとする。
「ダメだって!アメリカ忘れたの?ホラ、神様の…。」
………!!神様!アレは夢じゃないのか!
積木はハッキリと思い出した。確かに昨日(?)、神様にあったような…。
つーかアレ神なのか。神と髪をかけたギャグとか…。
なんてコト言ってる場合じゃない。
積木は無我夢中で、私の目の前に座っている加奈を倒し、
朝日を振り込んでいる窓へと猛ダッシュした。
カーテンを開け、窓を思い切り開け放つ。
…まさか…。
積木が見たソノ光景は、完璧に積木の家の周りの風景ではない。
いや…でも、アメリカとは限らない。日本の何処かだ…。
積木はそういって自分を落ち着かせようとした。
「積木、アレ。」加奈がいつの間にか私の前に居て、
開け放された窓の外を指す。
そこには木製の長方形の看板。
「Welcome to shibucene」シブカネってなんだ、シブカネって。
そんな疑問を浮かばせている場合じゃない……。英語、だ…。
土地も日本離れしている…。此処は……アメリカだ…。
「いやだーーーーーーーーーーーーー!!」積み木は突然奇声を上げた。
「ちょっ、いきなり叫ばないでよ!」加奈は耳を塞ぐ。
「なんで…なんで…アノ…オヤジは…何処さ…!」
積木は我を忘れ、加奈の襟をつかむ。
「痛いよ…積木…っ、アノ神様は知らないよぉ…、でも、
あと三日で戻ってくるって。」加奈は苦しそうに言う。
「三日も待てない!なんでアメリカなのさ…!
私は行きたくないって言ったじゃん!」積木は加奈の襟を放し、しゃがみ込む。
積木はその場で暴れまわった。
つーか…アノ禿げが悪いんだ…、アイツがアメリカにつれてくるから…。
アイツやっぱ悪魔だ。
積木は日本から遠く離れたアメリカの、
開け放たれた窓から降り注いでいる朝日を浴びながら、ハッキリと言った。
とうとうアメリカです(?)
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