合同任務
「合同任務?」
今日も掃討任務を終えて、液晶パネルを見ながら聞きなれない単語を言ったので聞き返した。
「そうだ、明日は合同任務だ。ここ3階生全員と一緒にやる少々難易度が高い任務でな、相手は第2段階のカースだ」
「第2段階って、大丈夫なの?」
第2段階。それはカースと人が出会ったことでなる進化したカース。今まではこちらを見ると逃げるほど臆病で弱い。だけど第2段階は凶暴で襲ってくる可能性のある驚異的なカースで、元となった人とカースが出会うとそうなるらしい。倒すと私のような幽霊が出てくるという。
「報酬も7千Eだ。今後の昇格にも影響するとか無いとか」
「何よそれ、曖昧ね。でも7千か、大きいわね」
普段の約3倍。それに他の人も居るから安全かも。上手くやれば何もしなくても終わるかもしれないんだし。
「分かった、でも3階生かあ」
思わずため息が漏れてしまう。
3階生は他に3人いる。私が知っているのは302号室のショウと304号室に住むティルさん。ショウは明るくて話しやすい男の子。私よりも明らかに年上で高校生くらいの容姿。明るい性格で話しやすい。私が来る前からマキシムとは知り合いで自然に私とも知り合いになった。
ティルさんは理由は知らないけどマキシムがやたら好かれている女性。週に1,2回は料理を持ってくるほどで、だけどマキシムは親切な人程度でしか思っていないので発展する気配は無い。一緒にいる私は当然良く思われていないわで、これが私のため息の原因。同時に仲良くしてもらっているショウとも仲がよろしくは無い。残るは301号室の人とは会ったことはないけどショウとは知り合いだって聞いたことあったかな。何にしてもこの人のせいで悪い予感しかしない。
当日、集合場所は町から数十キロ離れた人の少ない所に不気味に立つ病院。その前に計5人、私は死んでるから4人? とにかく集まった。
付いた時には全員来ていて、こちらを見つけたショウがもう一人の男の子を連れて
「よっ、アミ。こいつがアル―ルな」
「どうも、よろしく」
小さくつぶやくような声でアル―ルくんは答えた。髪は目にまでかかっていて少し不気味な雰囲気の男性。身長は私より低くて同い年、それより少し下くらい見える。比べてショウは私よりも身長が高く、多分年上。
二人が並んでいるとまるで兄弟みたい見える。
「よろしく、アル―ルくん」
答えるように頷くとアル―ルくんは歩き始めた。ショウは手を振りながら追いかけて行った。
同時に騒がしい女性の声が近づいくる。
「マキシム様! 一緒になれてうれしい! ……あら、あなたも居るのね、制服女」
マキシムには明るい、さわやかな声で寄り添った。私を見つけると近づいて来てマキシムに聞こえないような声で不機嫌そうに『制服女』と嫌そうに言う。
彼女がティルさん。相変わらず私のことは制服女と名前すら呼ばない。
「アミです!」必死に訂正をしても「そうね」言いきって無かったことにされる。
「マキシム様! 調子はどうでしたか!」
何事もなかったかのように再び。寄り添う。
「お、おいどこへ行くんだ」
「さ! ん! ぽ!」
一字一字怒りを込めて叫んだ。
マキシムは戸惑っているけど、ティルさんは嬉しそうに手を振っているのが見えて余計にイラついて早足でその場を離れた。
なんでこんなに怒っているんだろう、別にどうだっていいのに。
しばらく歩いているとポケットに入れていた携帯のの着信音が響いた。
『任務は病院内に居る2段階カース、一体。協力して倒してください。また捕獲者には3千Eがつきますので頑張ってください』と書かれていた文章と一緒に地図の画像が添付されていた。
捕獲者、つまりカースを倒した際に出てくる幽霊。つまり私と同じ人が現れる。それを捕まえた人がおまけがつくと言うことか。ということは1万になるんだ。どうせでも足りないかもしれないんだし、貰わない手は無いわね。




