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カース ~親友と天使と化物と~  作者: 世良
7話 さらに上へ
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802号へ

「はい、何でしょうか」

 802号室からあくびをしつつ、前と同じように出てきた。

「よう、シンドウ。ちょっと聞きたいことがあるんだ。アル―ルって――こらっ! 閉めようとしてんじゃねえ」

 いきなり閉めようとしていた扉に足を割り込ませて閉じらせないようにする。

「そこに、そこにアル―ルはいるでしょう! そうでしょう?!」

 少しある扉の隙間から叫び声、その声は裏返っていて異常な感じだった。

「早とちりすんな、いねえよ!」

「本当ですか! いたら一生恨みますよ、いいですか、いいんですね?」

「分かった分かった、良いから開けろ」

 ゆっくりと開けていくと私と目があった。その瞬間、銃を構えてきた。

「えっ?!」

「馬鹿! 人違いだ」

「す、すいません」

「とりあえず、中に入らせろ。いいよな、いいよなぁ?」

 ヒロさんの言葉に小さく「はい」と、返事をすると扉が開けられた。

 部屋はしっかりとされていて綺麗、奥のリビングに入ると機械が色々と置かれていた。いくつもの画面があるパソコンとだと思うものが部屋の隅を陣取っている。

 部屋の中央にテーブルを挟んでおく側にシンドウさんが座っている。ヒロさんは対面するように座っていたので横に私は座った。

「さてさて、教えてもらおうか」

「何から話したらいいものか。初めに、アル―ルは私の甥なのです。私の実家についてはヒロさんはご存知ですね」

 小声で「こいつの両親はお偉いさんなんだよ」と、言ってきた。

「私の兄は他の施設で上層部を担っている人でして、家にも何度かお邪魔させていただいた事があります。その時にアル―ルとは知り合ったのです」

「隠れるってことはなんかあるんだろう。ほらほら、本題を言え、本題を」

「分かりましたよ、私はその時から天使として活動していました。兄に言われてアル―ルに剣を教えてくれと、そしたら――」

 会話を遮断するようにインターホンが鳴った。

「誰か来ましたね。……一つ聞いて良いですか?」

「ん? なんだ、と言うかどうせだったら言い切って行ってくれよ」

「アル―ルには私がどこにいるか言いましたか?」

「言ったっけ?」

「言ったよね、8階にいるって」

 すると、静寂が始まった。数秒して足音が遠ざかる。

「間違い無い、アル―ルだ! アル―ルが私を殺しにきたんだ!」

「待て待て、どうして殺されるようなことになったんだ、せめて教えてくれ」 

「分かりました、あの時は模擬戦をしていました。彼は予想以上に剣が上手で、つい、私も本気を出してしまいまして、ぶすりと」

 小声で、脇腹を擦り、目をつむりながら言う。

「それで、どうなったの?」

「あの後、彼は運ばれて、私は会わない方がいいと言う理由でこちらへ転居と言う形になりました。兄さんには私のことはアル―ルには伝えないでおくと言っていたはずなのですが――はっ」

 突然扉の方を向いた、すると足音が近づいているのが分かった。そして、またインターホン。

 シンドウさんは口に人差し指を当てて喋るなと言っている。

 三回インターホンを押すと諦めたのか、足音は遠ざかっていくのが聞こえた。

「ふう、とにかく。私はひきこもりますので、出てって下さい」

「おいおい、それじゃあ何の解決にもならないじゃん。どうせだったらビシッとあってきたらどうなんだ?」

「会って、何と言うのですか?」

「あの時は悪かった、水に流せ」

「出来るわけないでしょう! 1年ほど前の話ですが、さすがにと気が立とうとも許してくれるわけありません」

「じゃあどうするんだ? 転居でもするのか? 最近任務に出てないけお金あるのか?」

「……お金貯めましょうか、そうしましょう。来月から働こうと思っていましたが」

「そういや半年ほど任務に出てないらしいが何してたんだ?」

「そりゃ、それですよ」

 そう言ってパソコンを指さした。

「一時的にオンラインゲームも断ちましょう、まあ丁度飽きてきた頃ですし」

「はぁ、まあ死なねえようにがんばれよ。アミちゃんも出ようか。そろそろマキシムも帰って来るんじゃないか?」

「うん、お邪魔しました」


 部屋に戻ると、既にマキシムは帰っていた。

「任務行ってたみたいだな」

「うん、それに途中で珍しい人にあってね」

「奇遇だな、さっき懐かしい奴が来てたぞ、アル―ルだったか。一度合同任務であったが覚えているか?」

 やっぱり来てたんだ。

「何でもシンドウの部屋がどうとか、教えたらすぐに出ていってしまったが、一体何だったんだろうな」

「私もアル―ルくんにあったんだ。それでさっきまでシンドウさんの部屋にいたの」

「そうだったのか、ここの階の人とは仲良くなれそうか?」

「前の階よりは、変わった人が多いけど。ねえ、カシューさんとはどんな話をしてたの?」

「それは内緒だ」

「はいはい、分かってましたよ」

 あまりの即答にイラっと来てわざと不貞腐れて置いていた日記を手にとる。

 昨日もだけど、今日の日記らしい内容が書けそう。ここの人とは前と比べて気が楽。まだなじめてないから話は上手く出来ないけど、それでも受け入れられている感じはあるし。

 今日あったことを書いていると、

「その、何だ。体調は何ともないか?」と、たどたどしく聞いてきた。

「別に、あれからは何ともないよ」

「そうか、……明日からはいつも通りしていくからな」

「うん、分かった」

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