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カース ~親友と天使と化物と~  作者: 世良
6話 環境の変化
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久々の合同任務4

 城の中、一階の広間は相変わらず誰も居ない。そのまま二階へと向かった。

 階段をもぼり終えた所でマキシムの声が聞こえる。

「ここで他の二人がカースに襲われたが、この暗さはどうしたものか」

 2階も相変わらずの暗さ、照らしていっても箱みたいなものがそこら中に散らばっていて、光りがうまく通らず全然分からない。

「とりあえず離れず行動だ。バラバラになったら面倒見切れん」

 そう言いながらアンラさんも後ろで照らしながら、箱をどかしていく。

 壁は窓一つない、壁はレンガみたいな模様をしている。触るとつるつるしていて、単なる絵のようだ。

 置かれている箱は開けると空っぽだった。そんな箱は部屋の至る所に散らばっている。明らかに怪しくて、一つ一つ慎重に確認しながら箱をどかしていく作業を進めていく。


「中々、見つからないね」

「面倒だな、一つ撃っていくか?」アンラさんが銃を構えながら言うと「ちょっと待て、音がしないか」と、マキシムが静かな声で喋り始めた。

 それに合わせて黙りこむと、ゴトゴトと何かが動いているような音が聞こえた。同時に舌うちのような音も聞こえた気がする。

「アレだな! いくぞアミ!」

「ちょっと待ってよ、慎重にいこう?」

 いきなり、声色が明るくて不気味。それを止めると元通りのテンションの声が聞こえる。

「そうだな、あそこに一体いるとしてもう一体がどこに潜んでいるか分からん。もしかしたら罠かも知れん」

 合わせるようにアンラさんが言葉を続ける。

「……そうだな」

 マキシムの声と同時に、本当に部屋が真っ暗になった。さっきまであった携帯の明かりが無くなり、全然周りが見えない。

「アンラさん、どうしたの!」

「分からん、携帯を壊された! 何かが液晶に突き刺さってるぞ!」

 何かは分からないけど異常が起きた、急いで携帯を出して照らそうとすると銃声が二つ響いた。同時に鈍い男の叫び声が響く。

「何?! マキシム! アンラさん」

 携帯のライトを付けるボタンを押しながら周りを見回すと声が響いた。

「クソっ誰が撃った!」

「ちっ、なんだって言うんだ!」

 二人の男の声、二人は闇雲に銃を構えている。二人ともケガを負っているのか、腹を押さえている。

「お前だな」

 同時に言葉を、そして銃を構えた。

 

「アミ、こいつは裏切ったんだ!」

「おい、こいつ何なんだ!」

 

 2人がこちらに向けて叫ぶ。銃声は二つだった。でも、真っ暗の中、お互いが狙って撃つことなんて出来るの?

 明らかにどちらかが偽っている。

 いや、嘘をつく必要なんてこの中で一人しかいない。

 私は大剣を振りあげ、相手に反応させる間も与えることなく切り裂いた。

 叫び声を上げながら、マキシムと同じ服装の幽霊が現われた。でも、その顔はよく見ると別人。

 どうやってマキシムの顔まで似せたのか分からないけど、マキシムをまねていたらしい。

 カースの力だったのだろうか。

「おい、あの箱へ急げ!」

 アンラさんの声が聞こえる。

 はこ、箱? ここに一体のカースが居たってことは、あの箱にはもしかして。

 急いでカースが居ると勘違いしていた箱へと向かった。

「マキシム!」

「んー、んん!」

 こもった声が聞こえる。光りを当てると、手足、口を塞がれたマキシムは入っていた。いつも来ているコートは着てなくて、下に来ているシャツだけだった。

「何でこんなこと――」

「ちょっとした暇つぶしだよ、お譲ちゃん」

 思わず漏らした独り言に答えるように耳元でささやく声、同時に激しい頭痛が走った。

「結果的にあいつは自滅したんだけどね。つーか何で背中刺したのに頭押さえてるんだ? まあ、あいつのおかげで動けるのはあんたくらいだから――」

 楽しそうに後ろで喋っている男性の声。アンラさんでもなく、マキシムでもない、聞いた事のない、青年っぽい声。喋り方からしても私よりも少し年齢が高いくらいだろう。

 後ろにいるこいつが、あの二人を、アンラさんを、マキシムをこんな目に合わせたんだ。だったら、同じ目に合わせてやる。苦しむを、辛さを、痛さを。

 真っ暗の中、赤い何かが見える。頭の痛さでおかしくなったのか、もういなくなったそいつがいるのが分かった。何でここに――いや、私が呼んだんだ。

 

 

 

「何だお前、俺らと同じにだったのか。しかし強そうだな。なあ、一緒にやらないか。そんな奴らより、同族の俺たちと居る方がいいだろう?」

 2段階カースの男性が気さくに話しかけてくる。

 興味ない、何を言ってるんだこいつは。

「この力があれば好き放題やれる。本当はもっと外を見てんだよ。だけどたまにこいつらが殺しに来るだろう? だからあいつと一緒に居たんだがな、もう死んじまったし、な?」

 馬鹿だろうか、こいつは。私はお前を殺そうとしているんだよ。

「まだその体に慣れてないみたいだな。まあ、徐々に普通の姿とこの姿を自由に戻れるようになるしな。それでもこいつらは見つけてくるからあんましい見ないけどな。じゃー―」

 男が差し出してきた手、それを切り裂いた。

 手が無くなった腕を抱えながら叫び出す。そんな手を無くした怪物に剣が突きぬける。一本じゃない、数十本もの黒い剣が体を貫く。

 その跡には、ぐったりとした幽霊が座っていた。終わったみたいだ。

 わかった、ここを一度出ようと助けてくれたのもコレだったんだ。でも、前のとは少し違う。マキシムの方を見ると明後日方向を見ていて、キョロキョロしながら私の名前を叫んでいる。

 マキシムには見えてないみたいだ。そうか、今はハッキリと見えるけど本当は真っ暗だもんね。

 とりあえず、全員連れ出そっか。

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