久々の合同任務2
左へいくと、どこかへ抜けた。ゴールなのかは分からないけど、さきほどの迷路では無くなった。目の前にはおもちゃのようなカクカクした城のような建物がある。
「ふむ、怪しいな」
「どうするの、明らかに入るのは危ないんじゃ?」
「だな。少しもったいないが」
そう言いながら城に向けて銃を構えた。そして、2発ほど打ち込んだが、何の反応は無かった。
「なにしたの!」
いきなり撃つもんだからすごくびっくりした。ついつい声を荒げて聞くと「まあ、すぐに分かる」
そう言って何をするわけでもなく城の前で座り、待ち始めた。
1、2分くらい待ったと思う。
「さて、そろそろ来るか」
口を開いたマキシムはそう呟いた。
来た道を見ているマキシム、一緒に見ていると足音が近づいているのが分かった。急ぎ足で駆けつけたは男性、遅れて女性も来ている。
「あら、ありがとう。知らせてくれて」
「それじゃあ、先に行かせてもらうよ」
勝手にそう言うと中へと入って行った。
「まあ、今回は無理する必要もないだろう」
「あ、ああ。そう言うこと」
「やつらは腐っても六階生、2段階カースに遅れはとらんだろう、多分」
なんか不安になる言い方、分からなくはないけど。それに腐ってもなんて、マキシムも少しイラついていたのか。
あの二人が入ってすぐ、変化は起きた。酷く騒がしい銃声、たまにちかちかと光が入口から漏れてくる。それと一緒に男性の悲鳴らしき声が加わっていた気がする。
「なんか、やられてない?」
「ああ、そうだな」
結局、私たちもおもちゃの城の中へと入ることにした。
中に入ると広間が、それも何十人も入れそうなほど広い。
でもここにはいない、壁を照らしてくと階段が見える、どうやらここから上へと行ったらしい。
階段を上り、上の階へと向かう途中で再び銃声が響いた。
上ると戦闘の真っ最中。暗闇の中、銃声と共に全体を光らせる。
私にはどこにいるかがわからない。マキシムの方を見てもその光景を見ているだけで何をするわけでもない。
「クソッ! どこだ、どこに居やがる!」
狂乱めいた裏返った女性の声と銃を撃つ重い音が響く、何発か撃ち続け、音が静まると同時に慟哭する。
真っ暗で何も見えない、向こうで女性が危険な状態になっていることだけが分かった。
「ねえ、大丈夫なの?」
「いや、助けるぞ。とにかくあの女性を」
携帯のライトで照らすと、上を向きながら弾の入っていない銃をカチカチと鳴らし続けているのが見える。肩を押さえながら、ずっと。
マキシムは女性を捕まえると私に渡してきた。
「アミはこの人を頼む、私は男性の方を探しておく」
女性を背負い、記憶を頼りに階段を下りていく。下りている間、注意をしながらゆっくりと降りて行ったが何も出てこなくて、そのまま城を出ることができた。
降ろして体を照らしていくと肩や顔に切り傷が付けられていて、そこからゆっくりと血が漏れている。
これは、急いで外へ連れ出した方が良いかも。
「ちょっと、大丈夫?」
「……」
返事が無い、息はしているみたいだけど。
その息も少し荒めで、徐々に弱まっているような気がする。
「ああ、もう!」
もう一度背負い、周りを確認する。どこが出口だろうか、真っ暗の中グルグルと回ってて入ってきた方向なんて覚えていない。
とにかく飛ぼう。
いつものように迷路を飛び越えるように飛んだ。でも、背負っているせいか全然高く飛べない。
2、3回飛び直したけどダメ、3メートルほどある壁を乗り越えることはできなくて、無情にも地面に着く。
「アミ、戻ってきたぞ」
マキシムの声がする。
「マキシム、この人が危ないの! 血が出てて、それで死にそうで、早く出ないと」
「落ちつけ、こっちの男性も似たような感じだ。息はしているが危ない状況だろう」
「ねえ、早く出ないと、死んじゃうって!」
真っ暗なここを、グルグルと見回しながら照らして何かないかを探す。見えるのは倒れている二人、傍でマキシムがずっと二人の様子を見ている。
「ふむ、さすがにこれは、まずいな」
深刻そうな声でそう呟くのが聞こえた。
自分でも頭が真っ白なのが分かる。浮かぶ言葉は助けての単語。何でもいい、助けれるなら何でも、いいからたすけて。
その時、何かを見た気がする。赤い点のような物。見覚えのある気がする、赤い小さな何かを。




