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カース ~親友と天使と化物と~  作者: 世良
6話 環境の変化
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久々の合同任務1

 合同任務。それは、他の任務違って同階層の人達と協力して強力なカースを倒す任務。

 過去にも一度だけしたことがあるからどんなのかは分かるけど、ここの人達と一緒にするのかと思うと少し憂鬱。

 止めを刺して幽霊を連れ帰った人には多めにお金がくれるし、それを狙うのも悪くはない。それに、この任務は上の階層に行くための物とも言われてる。あわよくばこの階層から離れることもできるってことだし、頑張ってみるかな。 

 

 今回は2段階カースが2体。場所は使われていないレジャー施設。

 入口で待ち続けていると他の人たちが集まり始める。集まったのは私たちの他に3人だ。

 601号室のイルさんは私よりも年上、マキシムと同じくらいの年齢に見える女性。エレベータの所で無視してきた人だ。

 隣の602号室のアックさん女性と同年齢くらいの容貌の男性だ。この人も6階に引っ越した時にあったけど無視された。

 そして、604号室のアンラさん。壮年と呼べるくらいに老けて見える男性、特にこの人は出会いがしらに「お前は気に入らない」と、分かりやすいくらいに嫌っていることを言葉に表してきた。その分、他の二人と比べて嫌悪感が分かりやすいけど、怖いという印象が残っている。

 任務で集まっていても相変わらず邪険、と言うか誰も協力という言葉が存在すらしてないんじゃないかな。

 初めて全員で集まったけど、この3人も誰とも話そうとしない。もしかしたら、他の3人もあまり仲は良くない感じに見える。どちらにしたって空気はよろしくない。

 一斉に電子音が鳴りだした。あちらこちらで、私の傍でも聞こえる。音源の携帯を見ると合同任務が開始されたことを表示していた。

 他の3人がレジャー施設へと入って行く。私とマキシムもその後ろへついて行くように中へと入って行った。

 

 

 中は広い、さまざまな遊具や建物がある。元々遊園地だったそうで、携帯を見る限り目の前にあるこの使われていない暗い建物の中に片方のカースが居るようだ。

 その中へは男女二人が入り、壮年の男性は建物の周りをうろちょろしているのが見えた。

 携帯のマップを縮小していくとカースを表すアイコンはそこにある。拡大して周りを確認して行くが、他の場所にはそれは無い。

「最悪」

「さあ、手伝いに行くぞ」

 私の独り言に答えるようにマキシムは言い、その建物の方へ向かった。

 

「なんだ、お前らか」

 こちらを見つけた壮年の男性はガラガラ声で嫌そうに言った。

「この中にいるみたいだが、行かないのか?」

「いや、行かねえ。自ら危険にさらすほど勇敢じゃねえんだ。いくならさっさと入んな」

 まるで警備員のように入口を見張っているアンラさんを横切り、中へと入って行った。

 

 中は薄暗い。後ろでマキシムが携帯のライトで照らしながら進んでいく。

 奥は迷路のよう入り組んでいる。なんか薄暗さがお化け屋敷のような雰囲気を醸し出していて凄く不気味。

「ねえ、前行ってよ」

「ん? なぜだ」

「いいから!」

 全く、気が利かないんだから。今更な気もするけど。

 前後を交代して数分、足音が聞こえてきたと思ったら目の前に誰かが現れた。

「誰? ああ、あんたらか」と、不貞腐れた女性の声。601号室のイルさんだ。手には銃が持たれていてこちらに構えられていたがこちらが分かると下ろされた。

「そっちは、見つけてないか」

 勝手に納得するとエレベーターで会った時と同じように素通りして行く。

「やっぱり感じ悪い」

「気にせず行くぞ」


 それからまた数分。目の前に現れたのは男性、603号のアックさんだ。

「ああ、お前らね」

 舌打ちをして通り過ぎていった。

 何なのよ、もう。イライラする。

 もう始まって1時間近くたつ。それなのに足跡以外の音は聞いていない。

「ねえ、おかしくない? 何でこんなに歩いているのに見つからないの?」

「隠れているとしか、言いようがないな」

「そういえば、どうしてずっと壁伝いに移動するの?」

 マキシムはずっと右の壁に手を当てながら進んでいる。そして、引っ付くように壁伝いに歩き続けている。

「こうすればいずれゴールに着くんだ。時間はかかるがな」

「でも、ゴールにカースがいるとは限らないんじゃ?」

 すると「あ」という明らかに思いだしたかのような高い声を漏らして足を止めた。

「まあ、大丈夫だろう」と、言ってすぐに足を進め始めた。

 本当に大丈夫かな、これも今更だけど。ああ、不安だ。早く見つからないかな。この暗さ、昨日の夢みたいで怖いし。

 特に瞼を閉じた時の一瞬、真っ暗が怖い。また、あの夢のようなことが起きそうで。

 再び自然にまばたき、同時に大きな音が響いた。

「え?」

「カースが居たぞ!」

「見間違いじゃないの?」

「左へ逃げた、他の奴らなら文句くらいはするだろう」

 もしも、二人のどっちかで、当ったらどうするつもりだったんだろうと思ったけど、気にしないでおこう。

 でも、なんだろう。背中がひやっとするような感覚が襲ったような。気のせいかな。

 

 

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