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謎の部屋

 眠っていたのか、気絶していたのか。どっちかは分からないけど、気づけば知らない場所に居た。

 部屋の様子を一言で言うと、何もない。上には電灯が一つ、周りは白い壁で窓は一つない。壁を見回しても扉も無く、出れる気配はない。明らかに普通じゃない、不気味な部屋。

 私も持っていた物は一つもなかった。腰につけていた刀、ポケットに入れていた携帯。それだけしか普段は持ってきていないけどそれすらない。日記は部屋にあるから大丈夫かな?

 せめて携帯があればよかった連絡とか取れるんだけど、これじゃあ時間も分からない。

 それにしてもここは一体どこなんだろう。ここに来る前は部屋に居て、インターホンが鳴った。そして出たらスーツの男の人たちが居て――

「連れ去られた?」

 そうだとしてどうして連れ去られた? 全然分からない、もしかして何かされるの?

「ちょっと! 出してよ!」

 怖くなって壁を叩きながら叫ぶけど、何の反応もない。嫌な予感しかしない。

 元々ワケの分からない場所なのに、今までどうして何か起こるかもしれないと思わなかったの。

 何もかもが嫌になり座り込んだ。涙は出ないけど目を覆って、頭の中で怒りなのか怖さなのか、真っ白になりそうなくらいに普段考えないようなことが駆け巡っていく。

「ハッ?!」

 一瞬、一人の顔が浮かんだ。見えたのは男の顔。戸惑ったけど当然だとも思えた。

 こうなった原因はすべてあいつのせいだ。全部、全部、全部!

 さっきの感情が全部それに向かうのが分かった。同時に今までにないほど憎く感じるようになった。何が気に入らないのか分からない。何が鬱陶しいのか分からない。何が嫌悪を掻き立てているのか分からない。ただ憎い、無条件で。


 それから何時間経っただろうか。何もすることはできなくて、ずっと部屋の隅で座り込んでいた。何もない部屋を見るのが、凄く嫌で下を向いて見ないようにしていた。

 ずっと見えるのは真っ暗な瞼の裏。そんな何もない暗闇を見ていると何か映像のようなものが見えてきた。

 夢だろうか、懐かしい感じがする。見えるのは自分が座り込んでいる姿。古い映画のようなフィルターが掛った映像。

 こんな感じ、前にもあった気がするけど、どんな時だったっけ?

 その映像を見ていると、丁度その映像が見える所に誰かが居るような気がする。ゆっくりと顔を上げて何かが居るする方向を見た。

 目の前には黒い何か。私と同じ髪型、身長も同じかもしれない。服装も同じ制服、だけど顔だけが不気味な女の子が立っていた。顔は口裂け女のように口が耳の辺りまであって、目は中央に一つ。その口が笑っているように見えて思わず笑い返した。


 私のカースだ。あっ、会ったらダメだったんだ。

 

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