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出現

 集合場所の交差点に行くと人だかりができているのが見えた。それを遮るように黒い服をきた人がこちらを見ていた。 

「お二人様、カースが出現いたしました。大まかな位置は携帯にてお送りしていますのでよろしくお願いいたします」

 淡々とスーツの人は答え、任務は始まる。買ってもらった小物は車の中に入れてもらい、私たちは携帯のナビを頼りに捜索をすることとなった。

 

 交差点ではバイクが横転した居た。人だかりの隙間でしか見えなかったけど、派手に壊れていて動けないのが見て分かるほどだった。周りにはパトカーが何台か止められていて、バイクの運転手らしき人が事情聴取を受けているのが見える。

 良かった、誰も死んではないんだ。

「買い物なんてしててよかったのかな。あの交差点から動かなかったら事故を未然に防げたかもしれないのに」

 人だかりが減ってしっかりとその光景が見え、安堵と不安のせいか、ショウに聞いてみた。すると真剣な表情でこちらを見てくる。

「アミ、あくまで俺たちの仕事はカースを倒すことなんだ。だから気にしちゃダメだ」

 声も鋭い感じで真剣さを感じた。

 でも、と言いかけたけどやめた。きっとこの言葉は今必要無い、と思うから。

「今はカースを倒すことが先決よね。じゃあ先に探してくる」

 そう言い残して高く飛び、カースの姿を探す。後ろでショウが叫んでいるのが聞こえた。何を言っていたか分からないけど、わざわざ聞きに戻ろうとおも思わなかったので、そのまま建物の上へと登った。

 携帯を見るとカースの居場所が表示されている。カースには動きが無くて、一つの建物の中で動きが無いことが分かった。

 

 さっきの位置から数百メートル。3、4階建てくらいのビルが多く建ち並んでいる通りの中に目的の場所は示されていた。着いた先にはシャッターの閉まった、錆びれた倉庫があった。周りは人気が無く、来てからは人が通る感じはない。

 とりあえず、ショウを待とうかな。

 シャッターの前で20分ほど待っていると足音が近づいて来ているのが分かった。見るとしんどそうに走ってくる姿がはっきりと見えた。

「アミ、早いよ! それで、この中?」

 息を切らし、肩で息をしながら傍にある倉庫を見ている。

「うん、でも閉まってて。どうする?」

「ちょっと、少し休憩、させて」

 大きく息を吐きながら座り込んでしまった。彼の言う通り少し休憩。私はショウが見える範囲で建物を見ていくことにした。

 見ていけば見ていくほど古そうな建物。倉庫と思ったのは周りの家と違って構造が違っていたから。周りはコンクリートのビルや今風の家。だけどこの建物だけは大きなシャッターがあるだけで入口らしい物もない。看板が射ったの上の方にあるけどペンキが剥げ、錆びてて字ははっきりと見えない。

 シャッターに触れてみると表面のペンキが剥がれ落ちた。このシャッターもだいぶ古い感じだ。携帯を見るとやっぱりこの中に反応がある。

 いきなり大きな音が響き始めた。金属が擦れ、今にも壊れそうな軋むような音を立てながら目の前のシャッターが開き始めた。

 びっくりしてキョロキョロしているとショウがこっちに来て寄り添ってくれた。そのまま開いて行くシャッターを見続けた。

 ゆっくりと開かれ、暗い倉庫の中に陽の光が射して様子が見え始める。見えたのはバイク、それも何台も綺麗に並べられている。奥はまだ暗くはっきりと見えない。その前を一人の男性が通り、こちらを見つけて立ち止った。

「あらら、お客さんですか?」

 長袖、長ズボン、来ている服は黄ばんで汚れていて外行きようではないのが分かる。後ろのバイクからして作業用なのだろうか。こちらを見つけると驚いた様な声を出している。

「アミ、いくぞ」

「え?」

 傍にいたショウが耳打ちして、すぐに傍から離れた。そして手には槍が構えられ、男性に向けて振り下ろした。

 斬りかかったショウの槍は当る直前で柄を掴まれ止められていた。そこには男の姿は黒く、顔には赤い目が一つ、背中に長い腕のようなものが生え、うねうねと動いているのが見える。

 カースの姿がそこにあった。

 背中の腕が蛇のようにうねりながら伸び、ショウを吹き飛ばした。伸びた腕は縮み、カースの元へ戻る。

「あなたたちは何者ですか?」

「天使よ、あんたを倒しに来たの!」

 カースの質問に答えると急に肩をふるわせ始めた。狂ったように声を甲高くしながら喋り出した。

「ふっふふ。そうですか、こんな事があるんだからもっと他にも変わったことがあると思いましたが、やはりありましたか。でもねえ、私はまだまだ死ぬつもりはありませんよ、やることは残っているんですから」  

 喋っているカースを余所に斬りかったが、簡単に背中の腕で体を掴まれて宙吊りにされた。

「弱いですねえ。その程度で私を殺しに来たのですか?」

「キャッ?! 痛っ!」

 そのまま地面に投げ捨てられた。地面に当たると同時に頭に激痛が走った。相変わらずの針が刺さるような痛みが襲ってくる。

「アミ! 大丈夫か!」

 よろめきながら立ちあがっているとショウが来ていて声を荒げて聞いてくる。

「いたた、うん。まだいける」

 心配させないように答えたつもりだった。でも、ショウの表情は目を鋭くして、持っている槍が震えていて怒っているのがすぐ分かった。

 無言のまま表情が見えなくなった。そして倉庫に居るカースに向けて走り出した。そんな怒っているショウを、どうすることもできず、私はただ見ていた。

「ハアァァア!」

 叫び声と同時に何かが空を飛んだ。地面に落ちて、それがカースの物であることが分かった。

「痛てぇぇぇえ! 何しやがる!」

「まだ、まだだ!」

 ショウは叫びながら戦い続けている。徐々に痛みも治まりだいぶ普通な感じになってきた。

 これなら戦える。

 剣を構え、向かうとカースはこちらに気付いたようで、ショウの槍をかわして倉庫の中へと入って行った。その中へと誘われるように入って行こうとするショウ。

「ショウ! 待って」

 思いっきり叫んだ。なんとなくだけど、このまま行かせたら危ない。その声が届いたようにショウの足は止まってくれた。

「私も行く、いいでしょ?」

「あっ、うん。大丈夫なのか?」

 その表情はいつもの感じ、明るくて優しそうな感じがそこにはあった。

「うん、中は暗いし慎重に行こう、ね?」

 私の言葉に頷くと寄り添い、お互いに武器を構えながら倉庫の中へと向かった。

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