花火の写真
花火大会の夜、一枚の写真から始まる日常の崩壊。
本作は、怪異に侵食されていく少女たちの恐怖を描いたホラー作品です。
写真に映り込んだ異常と、次第に変貌していく友人の姿。忍び寄る「何か」の正体とは――。
静かな恐怖と緊張感を、どうぞ最後までお楽しみください。
昨日は花火大会に行ってきた。女同士3人、 浴衣姿で参加したのだ。
思い出作りにと、写真もたくさん撮った。
「あははっ、翔子何の表情、これ!?」
翌日の写真のお披露目会に皆が集まった。
画面を覗き込んだ私たちは、一瞬で言葉を失った。
「……ねえ、これ何?」
液晶に映っていたのは、歪んだ顔で笑う翔子の姿。そしてその背後、夜空に打ち上がった大輪の花火の輪郭の中に、ぎっしりと敷き詰められた無数の生首だった。
「ひっ……!」
悲鳴を上げてスマホを落としたのは翔子自身だった。だが、彼女が震える手で自分の顔を覆ったとき、私は気づいてしまった。
彼女の指の隙間から覗く表情が、写真に写っていたあの不気味な歪んだ笑顔と、まったく同じだということに。
「ふふ、見られちゃった」
その声は、翔子の声ではなかった。
【了】
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!
花火大会という華やかなシチュエーションから、一枚の写真をきっかけにじわじわと日常が狂っていく恐怖を描いてみました。徐々に変貌していく友人の姿や、正体の見えない「何か」が迫る緊迫感を楽しんでいただけていたら幸いです。
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