表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
オレっ娘シリーズ1「気の強いいじめられっ子、日向(ひなた)あきら」  作者: オレッ娘、強い女の子好き


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/5

日向あきら9歳。給食のいじめ

日向あきらの影 ~小学四年生の頃~

オレは日向あきら、もう9歳だ。小学校四年生になった。


いじめはもう、言葉だけじゃ済まなくなった。


給食の時間が一番の地獄だ。みんながオレのトレーを見る目が、ほんとに気持ち悪い。給食費はもちろん払えてない。先生も諦めたみたいで、もう職員室に呼ばれなくなった。でも、その代償がクラスメイトたちの攻撃だった。


最初は牛乳だった。


ある日、オレが席に座って給食を食べようとしたら、隣の席の女子がニヤニヤしながらオレの皿に牛乳パックを逆さまにした。白い牛乳がご飯に、カレーに、全部にドバーッとかかった。


「うわっ、間違えちゃった~! ごめんね、日向~」


周りが大爆笑。オレの皿は牛乳プールみたいになった。

匂いが鼻について、吐きそうになった。


でも、オレは黙ってスプーンを握った。腹が減ってる。

家に帰っても何も食えない。

万引きも最近は警備員が厳しくて、ほとんどできなくなってる。


だから、オレは牛乳まみれのカレーをかき混ぜて、口に運んだ。


「まずい……でも、食う」


みんなが「きもーい!」って叫んでる中、オレは黙々と食べ続けた。

牛乳の甘ったるい味とカレーが混ざって、ほんとに最悪だったけど、全部平らげた。


それを見て、みんなはさらにエスカレートした。


次の日は、異物入れだ。


オレがトイレに行ってる間に、誰かがオレのご飯に髪の毛を何本も入れた。長い黒い髪。明らかに女子のやつ。


戻ってきてそれを見た時、オレは一瞬凍った。でも、またスプーンを握った。一本一本、髪の毛を箸でつまんで取り除いて、残りを食べた。


「髪の毛くらい、どうってことねぇよ」


心の中でそう呟いて、飲み込んだ。


その次は、唐辛子。誰かがオレのスープに七味を山盛り入れた。飲んだ瞬間、喉が焼けるみたいに痛くて、涙が出た。でも、オレは水も飲まずに全部飲み干した。


「辛ぇ……でも、食う」


ある日は、机の上にご飯がひっくり返されてた。床に落ちたご飯を、誰かが踏んづけてぐちゃぐちゃに。オレはしゃがんで、土がついたご飯を指でつまんで口に入れた。


先生は気づいてる。でも、「みんな仲良くしなさいね」って言うだけで、何もしてくれない。オレが男っぽい性格で、泣き言を言わないから、先生も本気で助けてくれないんだ。


クラスメイトたちは、オレがどんなに汚い給食でも食べようとするのを見て、ますます楽しそうにいじめる。


「ほんとキモいわ、日向。ゴミでも食うの?」


「貧乏人で腹減ってるんだろ? だったらこれ食えよ」


って、ティッシュとかエビの殻とか投げてくる。


でも、オレは負けない。


生きなきゃいけないんだ。パパは牢屋の中だし、ママはもうオレのことなんてどうでもいいって顔してる。

オレが死んだら、誰も悲しまないかもしれないけど、それでもオレは生きたい。


だから、どんなに汚くても、どんなにまずくても、オレは給食を食べる。


牛乳かけられたご飯も、髪の毛が入ったおかずも、床に落ちたパンも。


全部、腹に収めて、オレは強くなる。


いつか、このクラスから、この家から、全部抜け出してやる。


オレは日向あきら。9歳だけど、もう何があっても折れねぇ。


生きるために、オレは食う。絶対に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ