日向あきら7歳。給食費が払えなくて・・・
日向あきらの影 ~小学二年生の頃~
オレは日向あきら、もう7歳だ。小学校二年生になった。
学校は相変わらず楽しいけど、最近、給食の時間が怖くなった。
二年生になってすぐ、給食費の集金の日に先生がオレの名前を呼んだ。
先生「日向あきらさん、給食費のお金、持ってきてる?」
オレはポケットをさぐって、何もないのを確認して、首を振った。
あきら「持ってきてないです……」
教室がちょっとざわついた。先生は優しい顔で聞いた。
先生「どうしたの? お母さんに渡してもらえなかった?」
オレは小さく頷いた。
あきら「ママが……くれなくて……」
その日の放課後、先生が本当に家に電話したらしい。
オレが帰ると、ママが鬼みたいな顔で待ってた。
ママ「あんた、何先生に言ったのよ! 『ママがくれない』って!? 私を悪者にする気!?」
オレはびっくりして、後ずさった。
あきら「ご、ごめん……オレ、つい……」
ママの手が飛んできた。頬が熱くなって、耳がキーンって鳴った。初めて殴られた。
ママ「二度とそんなこと言うんじゃないわよ! 私に恥かかせる気!? あんたのせいでまた児相が来たらどうするの!」
その日から、オレは殴られるのが怖くなった。
給食費の日は、毎回お腹が痛い。
次の集金の時、先生がまた聞いてきた。
先生「日向さん、今日は?」
オレは目を伏せて、嘘をついた。
あきら「ママにもらったんだけど……忘れちゃいました」
先生はため息をついて、「また忘れたの? 前にも言ったけど、ちゃんと持ってきてね」と言った。
その次は、「友達とジュース買っちゃって、自分で使っちゃいました……」って言った。
先生はだんだん厳しくなった。
先生「日向さん、給食費は大事なお金ですよ。ちゃんと親に言って持ってきてください。次は保護者呼び出しますからね」
教室でみんなの前で怒られるのは、すげぇ恥ずかしかった。でも、家でママに殴られるよりはマシだ。
給食費は結局、ずっと払えなくて、滞納が溜まっていった。
先生は時々オレを職員室に呼んで、「お母さん、大丈夫?」って心配そうに聞いてくるけど、オレはいつも「大丈夫です!」って笑うだけ。
家では、ママはますます荒れてた。夜遅くに帰ってきて、酒臭くて、オレのことなんか見向きもしない。冷蔵庫は空っぽで、オレは相変わらず万引きで腹を満たす。
でも、オレはもう慣れた。
痛いのも、恥ずかしいのも、腹が減ってるのも。
先生に怒られても、オレは強がって笑う。「すみません、次 すみません、次はちゃんとします」って。
心の中で思う。オレは悪くない。
ママが悪いわけでもないのかもしれない。
でも、オレはもう誰にも本当のこと言わない。
だって、言ったって誰も助けてくれないんだから。
オレは一人で耐える。いつか大きくなって、この家から出てやる。
オレは日向あきら。
7歳だけど、もう泣かないぜ。
誰もオレを壊せない。




