BL短歌
相も変わらず、男同士のなんやかんやを詠んだ短歌ばかりです。
おいそれと許さぬ秘所にのびた手を払わぬほどに覚悟を決めて
腫れものに触れるがごとき優しさで暴かれたのはおとこの本気
いざゆかん四十路男が初めてをひらいた先は未知なる恋路
僕が上 年上だぞと意気込んでどうせひっくり返されて朝
こんなにも可愛いのにと不機嫌な顔するあなたなだめすかして
くちびるを噛んでこらえて漏れる息低く鳴いてもかまわないのに
安もののボディソープすらかぐわしく硬いうなじに鼻をすり寄せ
とりたてて華奢なわけでもない君の恥ずかしがった声はかぼそく
手にあまる腰を抱えて見下ろせば僕とおなじが儚く果てて
年若い彼と重ねて恐るるは老いが迫ったかさつく素肌
寄る歳に勝てぬ眼鏡を褒めちぎる君の笑顔と若さが見えた
恋しいと思う気持ちがいつの日か哀れみに変わりませんように