ブティック経営ゲーム その1
ニンテンドーDSソフト「わがままファッションガールズモード」の話です。
二〇二五年一月、新作ゲーム機の情報が発表された。
「どんな機能があるだろう?」「ソフトは何が出る?」など、詳細が出る春頃までは考察をして過ごす。
新作ゲーム機が出る度に気になるのは、発売されるソフト。
二世代ほど前、ある三つのソフトを気に入ってから「個人的三種の神器」と呼んでいる作品がある。三作ともシリーズと化して、世間でも評価が高い。
そのうちの一つは現在のハード機に新作が発売し、今も売れている。
一つは似たようなジャンルのゲームが出たけど、そこまでハマらず……。
最後の一つに関しては、最後の発売から十年以上が経っても音沙汰なし。(二〇二五年九月現在、春頃にようやく発表あり)
今回は、三つの中にあるブティック経営のファッションゲームについて書いていく。
初めてプレイした時は「こんなゲームがあるんだ?!」と感動と衝撃を受けた。衝撃はもちろんいい意味で。
ある夜、テレビを見ていると、そのCMが流れた。
CMが始まる時に一瞬だけ、ハード機特有の効果音が鳴る。それが耳に入ると、携帯をいじってようが何か作業をしていようが、テレビへ目が向く。この時もそうだった。
初めて見るものだったので、「どんなゲームだろう?」と、まじまじとCMを見ていた。
自身の着せ替えはもちろん、お客さんをコーデしたり、服を売ったり出来るゲームだとわかった。
しかも、着せ替えはカジュアルだったりロリータだったり、ロック系、コスプレなどコーデの幅が広い。
「面白そう」
すぐに気になり、手に持っていた携帯(当時はガラケー)で検索。
ショッピングサイトのレビューを見たら、既に高評価。
「今度、買いに行くか」
これまでファッションゲームとは無縁だったが、レビューを見てますます気になったので、購入を決める。
後日、購入。
かなり余談だけど、この二日後に友人と会うことになっており、髪を染め直そうとヘアカラー剤も買っていた。
染めるのはこの日の入浴前に決めた。
それまで時間を持て余していた。
家の風呂当番は私なので、お湯を入れるのは一時間半後。ヘアカラーもそのぐらいから始めればいい。染めてから少し待たないといけないので。
それまで、買ったばかりのファッションゲームをすることにした。
この時は「お風呂を入れる時間まで」と決めていた。
タッチ操作で商品を選び、お客さんに提供するというシンプルな流れ。
商品の衣装も当時のゲームにしてはリアルに描かれていてわかりやすい。
ルールを理解し、進めていくうちにどんどんハマっていった。
初めは指定された商品を渡すだけで良かったけど、そのうち指定されたジャンルならどんな組み合わせでも提供出来るようになっていく。
変なコーデになっても怒られなかったけど、その時は在庫数が少なかったから仕方がない。
それでも、ジャンルさえ合えば組み合わせは自由なので、店の在庫数とその時の気分に合わせてコーデを提案してみた。
「買って良かった!!」
やりながら、心から思った。
しばらくすると、お風呂のお湯を入れる音が聞こえてきた。
母親がお風呂のスイッチを押してくれたのだ。
「ずいぶん早いな。急ぎかな?」と思って時計を見る。
二度見した。予定時間をとっくに過ぎていた。時間を忘れて、つい没頭してしまったのだ。
結局この日、ヘアカラーは出来ず。今思えば、タイマーをセットしておけば良かった。
時間があっという間に過ぎるほどハマってしまった。決してゲームのせいではなく、確実に自分が悪い。
このファッションゲーム一作目を振り返る時は、このお風呂問題も一緒に思い出す。それぐらい記憶に残っているのだ。
これが一人暮らしだったらどうなっていたことか……。
このゲームはリアルタイム連動なので毎日必ずやっていた。忙しい時の合間、風邪で寝込んだ時(何故か調子が悪い時ほどゲームをする癖がある)など。
ゲーム機自体が携帯型なので外にも持って行って、鞄の中でこっそりやった時もある。
季節が変わる時はマップの風景も変わり、商品もその時期に合った新作が出て来るのが楽しみだった。
店内BGMもリアルの歌声で、雰囲気は抜群。
特に入手した時期に流していた曲を聞くと、当時の思い出がよみがえる。
今思うと、店内BGMは一作目が一番良かった。ポップな感じじゃないのがカッコ良さを醸し出していて。
このファッションゲーム自体が可愛い雰囲気なんだけど、そこにカッコいい要素が加わって上手くミックスされてカッコ可愛くなってる。……意味、わかるかな?
当時、既に大きかった自分はこのカッコ可愛い感じが好きだった。
でもこのゲームは女児に人気が出て、徐々に可愛い路線になるんだよね。それはそれで良いけれども。
出来ればデータを消してまた一からやりたいけど、今から約一年、毎日起動出来るか自信が無い。
去年の秋、このシリーズの二作目の完全版なるものを入手して一から始めたけど、結局途中で止まってしまった。
その二作目については次の回で書いていく。
「新作ゲーム機」は「ニンテンドースイッチ2」、
「二世代前」は「ニンテンドーDS」、
「現在のハード機」は「ニンテンドースイッチ」(1の方)のことです。