Ⅱ.暗殺の訓練(2)
前書きが長くなってしまうので省略します
気になる人は前の章を読んでください
「千影先輩いらっしゃいますか。」
私はとある部屋のドアの前で千影先輩を待っていた。中からは声は聞こえない。私は最終手段を使うことにした。聖良先輩に渡された携帯電話をポケットから出す。聖良先輩を選び、電話をかける。
「もしもし、すみません。千影先輩がうんともすんとも言わないのですが……。」
『ああ、開けちゃっていいよ。多分寝てるだけ。ショートスリーパーだからすぐ起きるよー。』
電話を切り、ドアをそっと開ける。そこにはソファに横になっている千影先輩の姿があった。
「すみません、お休みのところ。呼ばれたので参りました、陽です。」
先輩は少し顔を顰めたあと、
「ああ、来てくれたのに済まなかったな。仮眠は取れるときに取らないとだから。」
「いえ、大丈夫です。話したい事がある、と聞いたのですがもしかして……」
「そうだ。お前の両親を殺した奴らの手掛かりについて聞きたい。まあ座れ。」
ソファの反対側にある椅子に腰掛ける。
「まず、両親を殺したやつの見た目、できれば名前も教えて欲しい。」
「見た目………はぼさぼさの白髪に同心円状の模様が入った目をしてました。偶然にも、名前を尋ねていて、『零』だと教えてくれました。どうせお前は死ぬのだからと言われました。」
「なるほど……。私達が知る中で似た特徴のやつがいる組織がある。その組織の名は…『白煙』だ。」
「白煙………。」
「彼等は煙のように現れ、暗殺して去っていくんだ。私達も困っている組織だ。」
「じゃあそいつらが犯人………。」
「そういうことだ。情報をありがとう。もう少しこちらでも調べてみる。」