Ⅱ.暗殺の訓練(1)
※前書きが長くなってしまうので省略します
気になる人は前の章読んで下さい
「では、暗殺に関する訓練を開始する!」
「はいっ!」
ここはアダメルの施設内にある練習場。今日からここで暗殺のいろはを習う。
「えーっと、君は戦闘したことあるんだよね。何専門だっけ?」
「刀です。速さが持ち味です。」
「なるほどー。じゃあ私と一緒だ。」
にやりと聖良先輩が笑う。嫌な予感がする。
「手合わせしよっか。」
「…………。」
「しよっか、ね?」
「…………はい。」
それからお互い木刀を持ち、向き合う。
「先いいよー。」
言われた通り私は構え、力を込めて走り出した。
「いいね!その歳にしては早いよ!でも………」
と斬りかかった私をひょいと軽い動作で横に避け、避けながらも剣を振る。剣は見事に私の横腹へ吸い込まれていった。
「がっ………。げほっ……。」
「まだまだだね。ここで倒れ込んじゃいけないよ。ほら立って。」
「私は倒れ込んでる訳じゃない。先輩も油断してますよっ!」
近くにいた聖良先輩の足を掴み、自分側へ引っ張った。
「うぇぇ!」
思っていなかった私の行動に聖良先輩も驚き体勢を崩す。その倒れ込んだ身体に剣を振りかぶった。が、カンという木刀がぶつかり合う音がし、私の首には木刀の先が向けられていた。先輩は体勢を崩しながらも動揺で落とした剣を拾い、片手で私の剣を払うと同時に首へと剣を当てたのだった。
「ちょっとびっくりしたけどまだまだだったね。でも見込みはあるね。良かったー。」
「ありがとうございます。でも、自分でももっと改善点が見つかりました。」
「その調子だよ。アドバイスはね……………。」
それから毎日手合わせをして、アドバイスを貰って………というのを繰り返した。その結果、数日後には長時間の手合わせができるようになった。
「もっと身体全体を使って!意識を足の先まで!」
(よく見ろ……もっと先輩の動きを………!)
そしてついに
「バキッ!」
先輩の木刀が私の攻撃によって折れた。
「折れちゃった。でも、君の弱点だった力の強さはちょっと改善したのかもね。これで私の稽古は終わり。次は千影のとこに行ってね。」
「ありがとうございます。また稽古よろしくお願いします。」
「いいよ。またいつか、ね。」
何故か先輩は少し寂しそうな顔で言った。