Ⅰ.暗殺者誕生(3)
暗殺者の両親を殺された少女は渦巻きの目の少年に廃病院へと連れて行かれた。他にも数人の少年少女がおり、渦巻きの目の少年は廃病院の中にあるある組織の拠点をおとすことを命令した。
建物の中は暗く、とても湿っぽかった。やはり周りの皆も暗殺者の子供なだけあり、侵入にはまだ気づかれていないようだった。そっとドアを開け、ゆっくり忍び足で歩く。すると
「暇だなぁー。ここの警備も意味無いよなぁ。」
「バカ言うな。それで侵入者がいたらどうすんだ。」
という2人の男の声が聞こえてきた。ここにいると、バレてしまう。
殺すしかない。
そう決めた私は拳銃を掲げ、まず1人めがけて撃った。
「パン!」
「ぐあぁぁあ!」
惜しくも急所を外したらしい。だが、もう遅
い。もう一発今度は頭めがけて撃った。ぐらり、と身体が倒れ始め銃を掲げたが意味はなかった。そんなものには目をくれずもう1人に焦点を当てた。もう1人は通信機で連絡を取ろうとしていた。
「敵が侵入してる!数は―――」
「ゴキッ」
私はそれより先に敵に近づき、首に飛びついていた。そのまま手で首を捻り、殺した。しかし、侵入していることがバレてしまったらしい。奥からぞろぞろと銃を構えたスーツの男たちが出てきた。それから私の記憶は無い。気づいたら、私の下には無数の死体が転がっていた。腕や足の感覚が無い。疲れ切ってしまって立てない。まだ近くに敵の気配がするのに。あぁ死ぬな、と思った。渦巻きの目の少年の言う通りだった。こんな子供が生きて帰れるはずがない。諦めていた所に敵がやって来た。
「こいつ、もう戦う気無さそうだぞ。殺しやすいぜ。」
「こんな子供に俺らを殺せるわけないだろ。」
もう怒る気もない私は彼等の足元をじっと見ていた。だが、そのおかげであることに気づいた。彼等の足元にある影が揺らいでいたのだ。