はじまっちゃった!
━━━あぁ、よかった━━━
[chapter:はじまっちゃった]
「いってきまーす」
私は母にそう言い、颯爽と家を飛び出した。
今日は引っ越してきて初の登校日だ、とってもワクワクしてるしドキドキしてる。
「第一印象は笑顔が大切」
今朝テレビで言っていたことを口ずさみ、どことなく笑顔をしてみる。
自分で言うのもあれだけど私は人並みに可愛い自信がある。前いた学校でも何回か告白されたことはあるしよく友達にも可愛いと言われた。
自己紹介がまだだったね。
私は環梓、高校2年生の女の子だよ。
家庭の事情でこの春からこの街に引っ越してきたの。
慣れない風景に慣れない制服、緊張しちゃうけど頑張っちゃうぞ!
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「いってきまーす」
お袋にそう言い残して俺は颯爽と家を飛び出した。
「はぁ、、」
事情があって引っ越してきて今日が初の登校日だ。
父の仕事のせいで今まで色んな地域を転々と引っ越してきたが今回で何回目だろうか。
「転校ねぇ」
別に転校するのが嫌な訳では無いが望んでいる訳でもない。
ほんの数ヶ月学校にいても友達と呼べる存在は少なからずできるのだが、家に呼べるほど親しくなれるわけではないし親しくなったとしても直ぐに別れるわけでなんというか引っ越す度に虚しくなるのだ。
「はぁ、、」
本日二回目のため息をつきながら思い足取りで学校へ向かう。
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[chapter:であっちゃった]
「はい静かにー」
やけに騒がしかった教室が先生の一言で一気にしずまる。
「知っていると思うが、今日このクラスに、転入生が来た。」
「男ですか?女ですかー?」
「可愛いですかー?」etc,
区々たる質問が教室に飛び交う。
「最後まで話を聞け、転入生は2人いる」
「まじで?!」
教室がよりいっそう賑やかになる
「静かにしなさい!」
教師の一喝でパレードのような賑やかさはあっという間に収束してしまった。
「では、入ってきなさい」
「は、初めまして!環梓です、家庭の事情でこの春この街に引っ越してきました。2年間お願いします!」
「「「お願いしま〜す」」」
「親父の仕事の都合でこの街に引っ越してきた峯塚俊哉だ、少ない間だが、よろしく」
「「「お願いしま〜す」」」
「そうだな、2人の席はちょうど空いてる後ろの端の席でいいか」
「わかりました」
「わかった」
「それじゃ、1時間目の用意しとけよ。あぁ、お前らの教科書は後で渡すから、職員室に来るように。」
「「はーい。」」
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「ふぅ、緊張したなぁ。でも、第一印象は悪くないはず!」
それにこの時期に私以外にも転入生が居るなんて珍しいなと思いながら教科書を貰いに行く。
「あっ、あれは」
ふと前を見てみると例の転入生が視界に写った。
よしっ、ここ出会ったのも何かの縁だし話しかけてみよう!
「おはよう、峯塚君!」
「お前は、あぁ、例の転入生か、おはよう。」
「転入生って、それは峯塚君も同じでしょ?
ところで峯塚君はどこから引っ越してきたの?」
「まぁ、色んな町を転々と越してきたさ、父の仕事の都合でな。」
「へぇー、そうなんだ。峯塚君のお父さんは何して働いてるの?」
「まぁ、科学者みたいなもんだ。色んな施設で色々研究してて、その度に引っ越してる。つうか、峯塚「君」はやめろ、ガキっぽいだろ。」
「分かったわ、じゃあ、これからよろしくね、峰塚君!」
「はぁ・・・」
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[chapter:さそっちゃった?!]
無事に教科書を受け取ることが出来た私達は5時間目までの授業を終えて各々家へ帰ろうとしてた。
「みーねつーかくーん!」
「はぁ、、なんだ、環。」
「えへへー、ねぇ、峯塚君、放課後暇?良かったら一緒に」
「やぁ!!そこの転入生たち!!!」
「「????」」
「おっとすまない、自己紹介がまだだったね、僕は三木谷、三木谷颯人やで!よろしくな!!」
「よろしくね、三木谷君。」
「颯人か、よろしくな。」
「それでお二人さん、なんの話しとったんや?」
「そうだった、それでね、峯塚君、放課後一緒にお出かけしない?」
「おっ、これはまさか!デートのお誘いか?!?」
「デデデ、デートなんてそんな!だって私達は引っ越してきたばかりでこの街のことよく知らないからお互いにこの街のことを知るいい機会かなーって思っただけでまさかそんなデートなんて。。」
「まぁ、いいんじゃねぇの。
ほら、そうと決まればさっさと行くぞ。」
「あ、うん。
じゃあまたね、三木谷君。」
「おう、また明日なー。」
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[chapter:幕間]
「いやーあいつら、ほんまおもろいわー。」
誰も居なくなった教室で三木谷は呟く
「これからおもろい事になりそうやなぁ。」
~fin~
お初にお目にかかります。
はるきと申します。
色々な作品に影響を受けてこのような形で自分の作品を投稿することになりました。
不束者ですが暖かい目で見守ってくださったら嬉しいです。