ひだまりのゆめ
初めて見たときは花のような人だと思った
緩やかに歩く姿も
穏やかな話し声も
柔らかな笑顔も
私には縁の無い人なのだろうと思った
遠くに見える貴女は凜とした姿で
どこまでも響き渡る声で
目をそらすことのない力強さで
だから貴女のそばに居場所ができたとき
貴女の行く先を斬り拓こうと思った
暖かい手も
優しい眼差しも
風に遊ぶ足音も
乱れることの無いように
私には追いつけないと言うけれど
ならば貴女の憂いを払い、貴女が追いつくのを待とうと思った
私にはたどり着けないと言うけれど
ならば貴女の手を握り、一緒に歩き続けようと思った
今、振り下ろす剣の先
瞳の奥に見える、初めて見たときと変わらぬ力強さ
何にも揺るがぬ立ち姿と
いつからか聞こえるようになった貴女の声
貴女は先に行ってしまうけど
待っていてください
私もすぐに追いつきますから