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第二十二話 新たな展開への

あけましておめでとうございます。

まあ、年を越して大分経つんですけどね……。

皆様、大変お待たせしました。

スローペースですが、更新はしていきますので、気長にお付き合い頂けると助かります。

「えっと、それでどうしろって言うのかな?」


 相手はサキュバスという種族。

 見た目が幼いだけで、実年齢はとんでもない。

 俺の数百倍はある。


「む? 我が問いを無視するつもりか?」


 はいその通りです。

 というか白昼堂々。それも、視線が集中している中で童貞がどうかなど答えるはずがない。

 見ろ。

 二十代ぐらいのお兄さんが、思わず立ち止まってしまっているじゃないか。

 そりゃあ、そうだよな。

 どう見ても、ぎりぎり中学生な少女から真っすぐ童貞だな? なんて言葉が飛んで来たら。その言葉を受けている俺ですら、数十秒ほど硬直していただろう。

 けど、事前に相手の正体とこれまでの経験から俺は動じない。


「まあいい。お主が童貞であることはすでにわかっている。そして、お主が普通の人間ではないこともな」


 それをわかっていながらこうもう堂々と会話を続けるとは。

 とりあえずここだと目立つ。

 場所を移さないとな。

 

『人気のない路地へロリっこを連れていく高校男子……事案かな?』

『事象恋愛の神様は少し黙っていてくれないか?』

『ぷー、私は今非常に機嫌が悪いのです。なので、いつも以上にやかましくするのです人の子』


 これはかなりめんどくさい。


「とりあえず、少し移動しようか」

「ふむ。よかろう。では、茶飲み場へと案内するのだ」


 茶飲み場ね……この近くだと、ファーストフード店になるけど。

 早いところ用事を済ませて帰らないと。


『というかさー、零は私の扱いが雑なんだよねー。これでも私神様だよー? もっとさー』


 今現在脳内にぐちぐちと聞こえる神の声がどんどヒートアップしていくに違いない。

 そんなこんなで近くにあったファーストフード店へと訪れた。

 そして、偶然にも空いていた奥のソファー席で、注文したものを置いて会話の続きを開始する。


「ほうほう。最近は高級料理しか食べていなかったから、こういうのは新鮮だ」


 見た目からハンバーガーを美味しそうに食べている少女にしか見えないが……このサキュバス。ここに来る前にも四十代の男とヤってきてる。

 しかも、かなり特殊なプレイをしてきたようだ。

 それにしても、この世界は本当にどうなっているんだ。普通に見えて知らないところで色々ととんでもないことが起こっている。


「それで、君は何者なんだ?」


 すでに知ってるけど。


「んー、そうだな。わたしは、サキュバスでな。この街に一人暮らしをしている可愛い我が子の様子を見に来たのだが。この辺りに来るのは久しくてな。道に迷っていたところにお主を見つけたのだ」

「……」


 包み隠さずストレートに……確かに、相手は俺が普通じゃないって気づいているようだけど。自分の勘違いだって思わないのか。

 それほど自信があるのか。

 それとも、自分の正体がばれてもまったく問題がないのか。


「ひうっ……! か、辛いなこのナゲットは」

「辛いやつだからな」


 どうやら辛いものが苦手なようだが。

 だったら、どうして辛いのを頼んだのか。

 

『あー、いいなー。私もハンバーガー食べたいなー』


 などと若干呆れた感じで見ていると、いつも以上に子供っぽくなっている女神様の声が響き渡る。

 あんまり長居はできないな。


「言っておくが、俺はサキュバスに知り合いなんていないぞ?」


 それとも知らない間に接触していた?

 能力を使い続けていることで、その人物が普通じゃないということをなんとなくだがわかるようにはなってきている。

 そのためか、能力を使わないこともしばしば。

 

「そんなはずはない。お主から漂うこの匂いの濃さから考えて……かなり近い距離でしばらく同じ部屋に居たはずだ」


 かなり近い距離で同じ部屋に?

 ……ま、まさか。


「……その知り合いの名前、聞いても良いか?」


 まさかとは思うが。


「エミーナだ」


 と、口元にソースをつけたまま発言する。

 やっぱりそうだったか。

 そういえば、エミーナさんには能力を使っていなかった。普通じゃないとは思っていたけど、まさかサキュバスだったとは。

 これは予想外だ。

 こう言ってはあれだけど、エミーナさんはサキュバスっぽくない。いや、体つきは結構エロいかもだけど、俺が思っているサキュバス像と全然重ならない。

 

「その反応。やはり知り合いだったそうだな。では、案内するのだ」

「俺が案内しなくても、その匂いとやらを辿っていけばいいんじゃないか?」

「それがなぁ……ついつい精の臭いをおっていってしまうゆえ、なかなか辿り着けんのだ」


 つまり、一人だと寄り道をしてしまうから、俺に案内しろと。


「くっくっく。サキュバスは精の臭いに敏感だからな。お主のような特別強い精の臭いを漂わせている者が近くに居れば、私も寄り道などせずに済む」


 ぺろり、と。

 口元に付着したソースを舐めとりながら、獲物を狙う獣のように俺のことを見詰めてくる。


『うわー、童貞がロリビッチに喰われるー』


 誰が喰われるか。

 そろそろキュアレも知能が著しく低下してるから、早々に帰らないとな。


「わかったよ。ただ先に買い物をしてからになるから、少し時間がかかるぞ」

「それでよい。お主という人間を観察しながら待つとしよう」


 また厄介な者に絡まれてしまった。


『パパー、早く夕食食べたいよー』


 誰がパパだ。

 はあ……早いところ買い物を済ませて、大きな子供をどうにかしないとな。

 エミーナさんのことも気になるが、このままだとキュアレの声がずっと脳内に響き渡って離れなくなってしまう。


「ふおっ!? や、やはり辛い……!」

「だからなんで苦手なのに食べる」

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― 新着の感想 ―
[一言] 人妻合法ロリは最高だと思う
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