表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
137/187

第二十五話 鬼ごっこ?

七月最後の投稿です。

いやぁ、なんだかんだで毎日投稿を続けられてますが。やはり暑さのせいか、いつもより執筆速度が下がってきています……皆さんも、熱中症などには気を付けてください。

水分補給大事。


では、本編へ。

 俺達の高校は十月に文化祭がある。

 東栄祭と称しており、十月の終わりに開催。

 すでに一週間が経過しているが、早いところではもう準備をしている。

 俺は基本クラスの出し物だけにして、後は自由に回りたい派なのだが。

 

 張り切っている者達は、盛大にやるぜ! とか盛り上がってる。

 ちなみに、俺達のクラスではまだ候補を挙げている段階だ。

 そして、候補の中でもやりそうなものは……お化け屋敷。

 喫茶店の娘であるみややそこの手伝いを時々やっていて料理もできる俺が居ることから、喫茶店。もしくはメイド喫茶をやろうと男子達が言うが、色々現実的な話を取り入れて話し合った結果、お化け屋敷になるかもしれなくなっている。


 喫茶店をやるとなれば、金勘定や食材購入や管理。接待の心得などなど。

 色々とやることが多い。

 それでもやる! と言う者達は多く、もしかしたら……。


 そんな中、俺は。


「というわけで、鬼はあたしになりました。さあ、皆さん! 思いっきり逃げて、隠れてください!!」


 秋を感じる紅葉溢れる自然の中で、鬼ごっこをやっていた。

 あおね達と共にゲームセンターで遊んだ後、明日の予定はどうする? という話になり、あれやこれやと候補が上がって……結局自然の中で鬼ごっこをすることになった。

 寒い、というわけではないが、冷たい秋風が肌を擽る。

 

「本当にあおねちゃんだけで大丈夫なのか?」


 鬼ごっこの参加者は、俺、みや、康太、あおね、ここね、かむら、セリルさん、エルさんとなった。

 白峰兄妹も誘ったのだが、前々から家族との予定が入っていたようだ。

 まあ、俺としてはあの図々しいおっさんが居ないのは色々と助かるのだが。

 今日は、あの小さな悪魔のことを考えなくてもいいと思うと体が軽くなる思いだ。


「大丈夫ですよ。これでも、走るのは得意ですから」

「油断しないほうがいい。あおねは、鬼ごっこで必ず全員を数分の内に捕らえ、逃走者となれば鬼が降参してしまうほど捕まらない」

「え? こ、降参って……マジで?」


 かむらの真剣な言葉に、康太はまっさかーと信じられない風にあおねへと問いかける。

 すると、あおねはただただにっこりと満面な笑顔を向けるだけだった。

 その無言の返事は、マジだということを俺達に感じさせる。

 いや、忍者だから凄いんだろうが……あおね、お前マジで何者なんだ?


「遊びのプロたるあたしが鬼になったこと、皆さん後悔しますよ?」

「ふっ。今日こそ、君から逃げ切って見せる。覚悟をするのは、君だ! あおね!」

「私も本気を出す。あおね、昔の私だと思わないように」

「えっと、なんか三人だけ雰囲気というか。本気度が違いすぎね?」


 と、俺に耳打ちをしてくる康太。

 そりゃあそうだ。

 三人は忍者なんだから。おそらく昔から訓練だとかで自然の中で鬼ごっこを本気でやっていたんだろう。

 

「鬼ごっこなら私も負けないわ。これでも自信があるの」

「へえ、そうなんですか。意外ですね」

 

 セリルさんは今でこそおっとり系のお姉さんだが、悪魔達を倒す西の退魔士筆頭だからな。

 エルさんもかなり自信があるようで、やる気満々なエルさんだぜ、と書かれたプラカードをまるで勇者が聖剣を抜いた時かのように掲げていた。


「こりゃあ、俺も負けてられねぇな。こう見えても、隠れるのだけは得意だからな」

「そういえばそうだったな。走るのは苦手だった割に、隠れるのだけは凄かったな」

「小さい頃遊んだ時は、日が暮れるまで探しまわった……いい思い出じゃ」


 結局、当てずっぽう隠れてそうなところを探して、ようやく発見したんだ。

 あの時はこういう自然の中ではなく、住宅街でやっていたんだが。

 公園のどこかに隠れていると思いきや、まさか犬小屋に居たとは。

 どうやら母親の知り合いの家だったらしく、よくそこの犬とは遊んでいて、わざわざ入口付近に犬を座らせるなんてこともしていて……。

 ある意味尊敬したよ。確かに、俺達はそこの家の人とは知り合いじゃないから勝手には入れないし。まさか犬小屋に隠れているなんて考えもしなかったからな当時は。


「では、皆さんのやる気が上がってきたところで、あたしはゆっくりと一から十まで数えますので」

「本当にゆっくりだよー、あおちゃん」

「わーかーてますー」

「よーろーしー」


 いや、すでにゆっくりなんだが。


「では、皆さん……鬼ごっこスタートです!!」


 さて、どこに隠れようか。


「い~ち……」


 相手はあおねだ。

 普通に隠れるぐらいだとすぐに見つかってしまう。

 

「ではな。自分は、もっと奥へ行く。君はせいぜい一分ぐらいは堪えてみせることだ」


 木から木へと飛び移りながらかむらはどこかへと消えていく。

 一分か……普通ならそれぐらい堪えられるだろうが。

 相手は忍者のあおねだ。

 可愛い後輩ではあるが、ここねやかむらが強いと豪語するほどの実力者。今のところそんな素振りは見せていないが、絶対本気で捕まえに来るに違いない。

 とにかく、できるだけ遠くに。そしてできるだけ見つかりにくいところに。


「……そろそろ数え終わった頃か」


 姿は見えず、声も聞こえないがそれぐらいは経っている。

 俺は、ひとまず大きな木に身を隠しているが。


「見つけましたよぉ」


 ……あっさり見つかるわけで。

 声はすぐ横から聞こえた。

 つまりあおねは。


「つーかまえ―――とあ!?」

 

 捕まった、と思った刹那。

 あおねが変な声を出し、まるで反発するかのように離れていく。


「さっそくやりましたね、セリルさん」


 俺を護るように姿を現したのは、セリルさんだった。


「ふふ。鬼ごっこのルールに結界を使ってはならないなんてありませんから」


 そもそも結界を使える人がいないから……どうやらあおねが俺に触るのをセリルさんが結界で護ってくれたようだ。

 

「さあ、どこからでも。私は、全力で零様を護ってみせます!」

「上等ですよ。あなたを突破して、先輩の肌にこれでもかというほど触ってやります!!」

「いや、普通に触れよ!」


 って、なんか俺が素肌に触ってほしいみたいに聞こえるんだが。

 

「あおちゃんには悪いけど」


 あ、この声は。


「ふふ。まさかあなたとこうやって共闘するだなんて思いませんでした」

「言っておくけど、零くんを護るのは私の義務だから」


 やはりみやだった。しかも表のほうが出ている。

 黒いオーラを纏い、セリルさんの隣に立つ。


「二人が相手だろうと、乗り越えてみせます!! いざ!!!」


 ……これ、鬼ごっこだよな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 零→神関連で色々能力あり(まだ詳しく判明してないのもある模様) みや→二重人格兼黒オーラ持ち あおね達三人衆→忍んで…る? エル達→聖…性(?)女 康太→性癖ちょっと拗らしたかも? 白峰兄妹…
[一言] それでもこれは鬼ごっこです。(※あくまで個人の感想です)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ