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さまざまな短編集

親友の夢を話そう

作者: にゃのです☆

 私の親友の話をしよう。

 彼女はどこにでもいる様な話し上手で仲の良い友達が多い。

 私との関係は特別なものだと思っている。

 小学校から親友で一緒に今でも遊んでいる。ケンカもしたことあるけどお互いのことを想ったらやっぱり親友に戻っていた。

 そんな彼女の靴箱にラブレターが入っていた。

 

「え、誰誰!?」

「え~。わかんないよ~!」


 手紙の封筒には差出の名前は書かれていない。

 電子機器が発達してメールでも何でも思いを伝えられる時代に、靴箱ラブレターって。いつの時代だよ!

 心の中では自分がもらったようなうれしさと悔しさがあった。

 彼女はその手紙を家で読むと言って持って帰った。

 帰り道もその話で持ち切り、別れる時になって寂しさが、悔しさがドッと自分に降りかかってきた感じで体が重くなり、目頭が熱くなった。

 その日は特に眠れない夜になったのを今でも覚えている。


 肝心な、内容とその後は。

 告白に立ち会ってと彼女から言われた。

 手紙を出した彼に返事を書いてある公園に呼んだ。

 日が高く上る土曜のお昼。

 木の陰で待つ彼女と私。

 入り口で私もいたことにびっくりしたのは一瞬に見えた。でも、逃げもせず照れ笑いなどもせず堂々と私たちの前までやってきた。


「お待たせしました。返事は直接と書いてあったので」

「はい。返事は保留にします」

「「えっ?」」


 彼と私の声がハモる。

 彼の返事の聞き方も直接的だけど、間髪入れずに保留を告げた彼女もすごいと思った。

 なぜ保留なのか。彼は問いかけ、彼女はすぐに答えを出す。


「だって、隣にいる子と一緒に付き合って、結婚して、隣に住むのが私の夢だから保留」


 その時は三人で笑った。

 すごい所は告白の返事じゃなく。

 今現在、隣人があの親友なのだから。

 夢をかなえてしまったのだ。結婚式の日も入籍も隣に住むこともすべて同じ日にした。

 子供だけはそうはならなかったけどね。

 それでも、楽しい日々はまだ続いている。これからも。


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