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腐っても対話

 お盆《ぼん》の帰省先《きせいさき》から戻《もど》って、怠《なま》け癖《ぐせ》のついた生徒達《せいとたち》を、指導《しどう》のZTOと一緒《いっしょ》に連《つ》れ戻《もど》す。たいていのやつは、自分《じぶん》の墓《はか》に引《ひ》きこもっている。霊《れい》にはうるさい保護者《ほごしゃ》はいないので、無理《むり》やりにでも連《つ》れてこれる。暴《あば》れるやつには捕霊《ほれい》バッグを使《つか》う。霊《れい》たちを昼間《ひるま》でも運《はこ》べるように開発《かいはつ》されたものだ。学校《がっこう》に連《つ》れてくると、皆《みな》ふて腐《くさ》れている。


 健次《けんじ》には、おちこぼれの気持《きも》ちが痛《いた》いほどわかる。どんなに相手《あいて》が腐《くさ》っていても対話《たいわ》が重要《じゅうよう》だ。その間《かん》、相手《あいて》を否定《ひてい》しない。

「だめ、だめ。はあ?」

 ではなく、

「はっ!どう?ほう。」

 で、会話《かいわ》する。

「はっ!そうなんだ。」

「どう?教《おし》えて?」

「ほう、すごいね。」

 これで、霊《れい》たちは自信《じしん》を取《と》り戻《もど》す。やりすぎると、取《と》り憑《つ》かれるので、距離感《きょりかん》は大切《たいせつ》だ。


 もともと、連帯感《れんたいかん》などない。生徒《せいと》たちは徐々(じょじょ)に戻《もど》り始《はじ》めた。ただ、1体《たい》だけ帰《かえ》ってこないやつがいる。こいつは、自宅《じたく》の仏壇《ぶつだん》にいる。学校自体《がっこうじたい》が極秘《ごくひ》なので、さすがに、家庭内《かていない》にまでは立《た》ち入《い》れない。


「すたら、坊主《ぼうず》を出《だ》あすべえだども、えかっぺか。」

 校長《こうちょう》の代理《だいり》に、ネゴシエータが坊主《ぼうず》と話《はなし》をつけた。

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