隣を卜占う
「本日は特別講師の河童先生の授業です。」
「河童の本業は、血の池など各所の水に沈んだ亡者の捜索です。鬼は古来より、泳ぎがへたですので、われわれが担当しています。」
大きな河童が壇上でしゃべり始める。河童は皿の水がこぼれるため礼はしない。
「次にバイトで死んだ河童の甲羅で卜、つまり占いの売卜をします。せっかくですから皆さんも、隣を卜・占ってみましょう。」
生徒の前には、小さな甲羅が配られていた。
「河童がよく行く店に、回転皿があります。これは水の入った皿がレーンの上を回っていて、頭の皿が乾いてくると、皿を交換します。河童ごとに水にも好みがあります。最近は汚染水が多く出ます。高いキュリー値ほど人気です。子供は胡瓜甲羅が好きですね。」
ここで講師は、一息つくと用意された水を頭に注いだ。
「近頃では河童の相撲人口が激減し、外国の力士もいます。緑色の亀。見た目は似ているんですが、彼らにはお皿という弱点がありません。皿の水をこぼして弱ったところで勝つのは恥ずかしいことという精神が理解されず、大変困っています。この前、頭の皿を割る暴力事件が起こったばかりです。危険ドラッグの胡瓜飲患者も増えています。」
河童の相撲を実演して見せた。勝ったほうに懸賞胡瓜が与えられる。
「最後に、晴れの日に傘を貸してくれるのは、ありがたいです。ですが、雨の日に傘を渡すと、死ねということになりますから気をつけてください。」




