視察の役人たちは、霊も死神も見えない。彼らには、職員室で祐二の開発した霊視メガネが渡される。死神モードに調整されたメガネだ。この国ではまだ、冥界の存在は一部の人間以外には、公にはされていない。
見える人を中心に、霊との交信方法が検討された。見える人に通訳をさせる案もあったが、嘘をつかれても確認ができない。音声データでは漏洩する危険もある。そこで、手旗信号を元に会話をする方法が開発された。かなりの運動神経が必要なため、役人たちにはできないが、見えれば読むことはできる。
まず、鬼に金棒信号を作った。しかし、彼らには覚える気力がない。そこで、死神鎌旗信号ができた。かれらには、知性と理性があった。一方、人間側の通信士には霊感の強い自衛官が選ばれた。
「上の段がワインです。下の段は、青鬼用の血液です。」
校長は視察団に伝える。
「交渉記録の原本は、廃棄されましたよね。」
校長の質問に視察団にはざわめきが起こった。
「確認はできません。調査の必要はないと考えます。」
通信士は役人の言葉をそのまま伝えた。校長は鎌を器用に振り回しながらそれに答えた。
「今、自殺者が増えると収容しきれません。教師も足りません。」