夢の公務員生活ー獄先（ごくせん）ー

獄学陰（ごくがくいん）

公務員。サービス残業もない。充実の福利厚生。安定した人気の職業。そんな公務員のひとつ、教師。しかし、その実態は・・・。

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　日本《にほん》では、一般国民《いっぱんこくみん》には冥界《めいかい》が存在《そんざい》することは、未《いま》だ極秘《ごくひ》にされている。しかし、何度《なんど》かのベビーブームと高齢化《こうれいか》のために、急激《きゅうげき》な死者《ししゃ》の増加《ぞうか》が起《お》こった。これにより、困《こま》ったのは閻魔《えんま》である。裁《さば》きが間《ま》に合《あ》わず、大量《たいりょう》の死者《ししゃ》が現世《げんせ》に留《とど》まり、浮遊霊《ふゆうれい》や地縛霊《じばくれい》として秩序《ちつじょ》を乱《みだ》し始《はじ》めたのだ。

　冥界《めいかい》では、彼《かれ》らに秩序《ちつじょ》を与《あた》えるため、全国各地《ぜんこくかくち》に学校《がっこう》を設立《せつりつ》することにした。しかし、鬼《おに》は暴力《ぼうりょく》を振《ふ》るうし、死神《しにがみ》は凶器《きょうき》で脅《おど》す。そこで、霊《れい》の見《み》える人間《にんげん》に教師《きょうし》をさせることになった。こうしてできたのが地獄《じごく》の獄営学校陰府《ごくえいがっこうよみ》。通称《つうしょう》、獄学陰《ごくがくいん》。教師《きょうし》は獄営《ごくえい》の公務員《こうむいん》である。

　ちなみに、ここを卒業《そつぎょう》しても、獄卒《ごくそつ》とは言《い》わない。