全力
ティアの6歳の誕生日からニヶ月、最近は依頼を余り受けずずっと訓練ばかりしている。その理由は俺はAランクの冒険者になったが、Aランクの依頼には手応えのありそうな相手がいないのだ。
なので、仕方なく訓練をしているのだが訓練ばかりしていたのだがやはり訓練ばかりでは飽きてしまうので偶に趣味の料理を挟んだりしていたのだが正直もう限界だ。そんな時だった。仙術のスキルレベルが上がったある日新たな技を覚えたのだ。どうやら仙術はレベルでも使える様になる技もあるようだ。その新たな技が分身と言う技だ。分身の効果がこれだ。
分身
···自分と同じ能力を持った分身を作る事が出来る。分身の数はスキルレベルに比例し数によって自身と分身の能力が割分される。
一見凄く強そうに見えるが大きな決定がある。それは分身の数によって能力が割分されることだ。
例えば分身を一人作った場合、自身と分身の能力が二分の一の半分になり、分身を二人作ると能力が三分の一になるのだ。つまり自分と分身の力を合わせると丁度本体の能力と同じになると言う事だ。一見意味がないような気がするが手数が増える分有利になる。しかし分身の一人が死ぬと本体も死ぬと言う恐ろしいデメリットもあるので注意が必要だ。つまり迂闊に分身をたくさん作れないということだ。また、俺がこの分身で思いついたのだ。自分の分身を作りその分身と戦えばいいのではないかと。そうする事で能力が半分になるが自分の全力を出して戦う事が出来るのだ。よく考えたら転生してから全力を出したと言えばまだ剣の訓練を始めたばかりのアルベルトに付き合ってもらっていた時だけだった。これからもし自分と同等かそれ以上の敵と戦うことになった時全力を出すのが久し振り過ぎて上手く戦えないなどと言う事があると不味いからだ。なので全力で戦う事でのメリットが多いのだ。因みに今の俺のステータスがこれだ。
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名前 アルク・グランハルト
種族 人族
年齢 8歳
性別 男
魔力量 29000 → 32700
属性適性 水、重力、空間
ーーースキルーーー
[ユニークスキル]
·最適化
·万象を切り裂く者
·経験100倍
[レアスキル]
·豪運 レベルMax
·完全偽装 レベルMax
·超隠密 レベルMax
·並列思考 レベルMax
·魔素感知 レベルMax
·魔素操作 レベル9→Max
·五感強化 レベルMax
·限界突破
·仙剣術 レベル9→Max
·超鑑定 レベル2→6
·仙体術 レベル4 New
·仙術 レベル5 New
·直感 レベル2 New
[通常スキル]
·算術 レベル6
·思考速度上昇 レベル8→9
·アルカナ言語 レベル4
·魔力感知 レベルMax
·魔力操作 レベルMax
·水魔法 レベル9→Max
·重力魔法 レベル8→9
·空間魔法 レベル9→Max
·身体制御 レベルMax
·礼儀作法 レベル7→9
·オーラ レベルMax
·気配察知 レベルMax
·見切り レベル9→Max
·氷魔法 レベル7→8
·精神耐性 レベル4→5
·付与魔法 レベル3→6
·威圧 レベル3→5
·料理 レベル6 New
·毒耐性 レベル2 New
·先読み レベル2 New
加護
·創世神レスティア
·闘神キュロス
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やはり成長が早い。本来なら殆どレベルが上がらないレアスキルのスキルレベルまで上がっている。経験100倍のスキル様々だ。逆にこのスキルがなかった時の事を考えると背筋がゾッとする。
スキルのレベルも順調に上がっている。
それから新しいスキルの詳細はこれだ。
直感
···直感が当たりやすくなる。レベルが上がるにつれて精度が上がる。
料理
···料理を作る場合に補正が入る。
毒耐性
···毒への耐性を得る。
先読み
···稀に一瞬先の攻撃が分かる事がある。
こんな感じだ。仙体術と仙術はこの前説明したので省く。まず、直感スキルだがこれの習得条件は五感強化のスキルレベルがMaxであることと一定回数以上直感を当てる事だ。または始めから持っている場合だ。このスキルの習得はかなり難しいと思う。だが、この直感のスキルがあれば自分に降り掛かる危機を事前に防ぐ事が出来るかもしれないからだ。実際にこのスキルには助かった事がある。他の三つは通常スキルで分かり易い効果だが先読みのスキルは稀になので余り宛には出来ないかもしれないが俺は豪運のスキルがあるので発動し易いので戦闘において有利に立てるだろう。
新しいスキルについてはこんな感じだ。
ではステータスの説明が終わった所で早速分身を作り出してみよう。そう考え俺は分身の技を発動した。すると、一瞬の脱力感がして目の前に自分と瓜二つの分身が現れた。本当に瓜二つだ。どこを見ても自分が二人いる様にしか見えない。
···それにしてもやはり最適化スキルのおかげで整い過ぎた顔が前世で平凡だった俺から見るとやはり違和感を感じる。
それから一通り分身を観察した後、自分のからだを少し動かし実際に戦闘してみる事にした。
服は分身についていたが流石に武器はなかったので両方木剣でする事にする。
俺と分身は少し離れた所でお互いに同じ構えを取る。まずは何の強化をせずに俺は分身に向かって飛び出した。先手を取った俺は分身の首を狙って剣を振るう。分身はそれを上手く流してカウンターを入れに来るが俺はそれを氷魔法で分身の足元から先端の尖った氷を出して妨害して防ぐ。それから暫く戦闘を続けていたが仙剣術のスキルのおかげで全力で戦闘をする事が出来る。それと分かった事だが分身を出して能力を出しても身体能力や魔力は割分されるがスキルレベルは変わらないらしい。しかし実際に自分の分身と戦って見るとここまでやりづらい相手とは思ってなかった。攻撃すれば躱されたり流されたりしてカウンターをされそうになり逆に守りに転じると猛攻な攻撃が襲ってくる。そんな戦いで俺は予想以上に消耗している。やはり全力の戦闘は精神力をすり減らす様に疲れる。
それから俺は魔力やオーラ、仙術と言った強化を全力で使い本気をぶつけ合った。魔法も剣術も体術もなんでもありの全力戦闘、それは今まで本気で戦えなかった俺にはとても楽しかった。勝負の結果は分身の勝利に終わった。俺が攻めに転じ過ぎて守りが甘くなった所をつかれて負けてしまった。久し振りの敗北を味わった俺は次は勝てるようにと色々な事を考えた。
こうしてアルクは全力を出せる相手(分身)を手に入れたのだった。




