9話目
あれ?ここは?さっきまでスホくんが居たのに何処に居るの?
「スホくーん!スホくーん!」
「静かになさい。ここにスホという少年は居ない」
「あなたは…誰…?」
周りを見渡してみると何にも見えない。っていうか、何処もかしこも黒い。
このおじいさん。本当に誰?
「わしは、ここを見守る番人じゃ」
「ば、番人?こんなにも何もないのに?」
「それは、お前さんが見えてないだけじゃ。まだ見る時じゃ無いのじゃ」
「見る時っていつなの?」
「それは…誰にも分からない。何せ自分自身の問題だからじゃな」
「自分自身の問題…」
この時の私は、おじいさんが何の意味でそんなことを言ってるのかを分かってなかったけど、見てみたいと思っていた。
「もう、お前さんは目覚めるようじゃ。スホという少年がお前さんを呼んでいる」
「スホくんが…?それに目覚めるって…ここは、夢なの…?」
「そう言う物じゃ。さあ、行きなされ。お前さんにはやらなければいけない事がある。それが終わったらまた会おうぞ」
「はい…!」
今まで黒かった全部が次は明るく光りだした。何か見えるかもしれないと思い、眼を凝らすが、何も見えずに光はもっと強くなっていった。
ーーーーーーーーーーーーーー
「ん…スホ…くん…」
「永遠⁉︎大丈夫⁉︎」
「うん…」
戻って来たんだ…
「あのね…夢を見たの…」
「夢?」
「うん。変なおじいさんに会ったんだけど、変な話をするの。おじいさんと私が居た所は、何処もかしこも黒かったの」
「うん…」
「それでね、おじいさんにはね、黒い所が何かに見えてるんだって」
「へぇ、それで?」
「私にもいつか見れる時が来るって言ってた」
「見れるよ。永遠なら」
「ありがとう」
そういえば、ずっと寝てたから分からなかったけど、ここは何処だろ?
「ねえ、スホくん。ここは?」
「結界の中だよ」
「結界…?」
「結界を貼り付けたんだ。魔物とかにも襲われないよ」
「そうなんだ…私、何で気を失ったんだろ?」
「分からない。けれども大丈夫。解決しよう」
「うん!」
でもその頭の中で私は疑問に思っていた。
自分自身の事って、この魔法使ったら気を失う事なのかな?って。
「行こうか?」
「う…うん」
「どうしたの?」
「な、何にもない!」
この事についてスホくんには迷惑掛けてるから自分で解決したいな。