5話目
私はベンチから立つとスホくんの方に向いた。
「まずは、お母さんの了承を得なくちゃね?」
「そんなのいるの?」
「いるよ。私が勝手に居なくなったら、心配するじゃない?」
「そうかな…?」
あれ…?心配しないの?
スホくんの世界って、そういうのないんだ…
人間だけかな?親子の愛って奴。
「じゃあ、行ってきまーす…」
「?…どうしたの?」
待って…今すんごい事思い出しちゃった。
ここって…ここって…
「何処…?」
「は?」
スホくん、マヌケな声出たねーってヤバくない⁉︎
何でここに居るんだ⁉︎
「そうだ…私…スホくんから逃げてたから…知らない所に入っちゃったんだ…」
「何それ?俺が悪いって事?」
「そういう訳じゃないよ!ストーカーかなって思ったから逃げただけで…」
あ…ヤバイ事言っちゃったな…死亡フラグ立ったかも。
スホくんの顔、すっごく不満丸出しの顔だし。
「ちょっと!何で俺がストーカーになるんだよ!この歳でストーカーやってたら、俺めっちゃバカじゃん」
「ああ、ごめんなさい!何でもするから
お願い!何でもするから」
「何でもするの?本当に?」
うんうんと頷く。
するといきなりスホくんの顔が近づいてきた。
「ひゃ⁉︎な、何…?」
「俺、永遠に2回もされたんだけど?それの仕返しだし」
「な…///スホくん!」
ちょ、、自分でも顔が赤くなるのが分かるじゃん。
スホくんって…本当に不思議すぎるんだけど!
「え?何で赤くなってんの?あ、怒っちゃった?冗談なのに」
「違うし!」
それに、鈍感!
自覚ないのかな?
ああ、恥ずかしい。スホくんの顔見れないよ。
「大丈夫⁉︎気分悪くなった⁉︎」
「…そういう事じゃない…」
「え?じゃあ何で⁉︎」
「分からないなら良いよ…」
それにしても、どうやって戻ろう…?解決策が見つからないよ。
スホくんはどうなのかな?
「それよりさ、この状況どうしたら良いの⁉︎」
「あー、忘れてた。魔法を使えればいけると思うよ」
「魔法…?」
「うん。魔法にはね6つの属性があるんだけどね…」
そう言って話は進んでいった。