10話目
「そー言えば、何でこんなんなの?」
「こんなのなんって?」
「道が無いし、何か火山見えるし、私が思っていた感じと違うなーって」
「ああ。どんな風だと思っていたの?」
ニヤッて笑うスホくん。
何でそんな風に笑えるんだろ?うちは笑えないや。
「もっと魔法のほうきに乗った魔法使い
がいっぱい居て、ほら、もっと未来の文化があるみたいな…」
「魔法のほうきに乗った魔法使いは前まで居たんだよね」
「前まで?」
「うん」
何かあるような気がする…きっと…私がここに来た理由になるような…
でも、何でそんな寂しい顔をするの?スホくん。
「今から話す事は永遠がここに連れて来た理由なんだけど聞く?」
「やっぱりそうなんだ。私、聞くよ。聞かないと何したらいいか分からないもの」
「あのね、最近。魔法界にナミナミナ宗教ってのが居るんだよね」
「な、ナミナミナ宗教⁉︎」
何だよその名前!名前センス無いな!何でそうなったか聞きたい…
ま、とりあえず怪しい事は確かだね。
「ナミナミナ宗教ってのはね、魔法界が出来たと同時に人々を殺した輩なんだ」
「は?殺した?何で!」
「それは分からない。それで、その輩は全員捕まえて死刑にして、存在を消したんだけど、最近になって、手紙が届いたんだ」
「存在を消したはずなのに、何でその宗教って分かったの?」
「それが…」
え?何でそこで戸惑うの?私に全部話してよ。
「何で話せないの?話してよ。知りたいよ」
「ごめん…実は存在は消えてなかったんだ。隠れて生きていて、いつか魔法界を消滅させようとしてたんだ」
「何で…存在消えてなかったの…?みんな死刑にしたんでしょ!」
「したはずなんだよ…でも、実は1人逃げた女の人が居たんだ」
「女の人?」
何で女の人が…
逃げたのかな?
「そう。その女の人は次々と子供を作って、ずっと身を隠しながら生きていたんだ」
「身を隠しながら…」
「それで魔法界を消滅させようとしてるんだよ。それを俺たちが止める」
そんな重要な仕事だったの?いや、それなりの覚悟は出来てたけど、こんな重要だったとは…
「でも、そいつらを止めれるのは俺たちだけじゃ止められない。だから、仲間を集めなきゃいけないんだ」
「仲間?どんな風に?」
「前に言ったよね。属性があるって。それの火、水、風、土、自然、操りがあるだろ?」
「うん」
「それぞれの属性の適合者を探して仲間にするんだ」
「そうなんだ…でも、それ私、関係ある?」
どう考えたって、関係無いような…
「大丈夫だよ。この6つの合同魔法を放つのが永遠の仕事だから」
「合同魔法?」
「うん。合同魔法を放つのは、伝説の子しか出来ないんだよ」
「それを放ったらどうなるの?」
ラスボスとか普通居ないよね。
「親玉が居るんだけど、それを倒したら大丈夫だと思うよ」
「そうなんだ…」
「でも、その親玉が居るかどうか分からないけど」
居るんだ…しかも…居るかどうか分からない…矛盾したね!
「だから、まずは情報収集しないと!」
「あ…そうなるのね…」
この旅はまだまだ終わりそうに無いです。