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パラレルユニバース  作者: 北条龍人
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第9話/別荘の夏の夜

夏休みの避暑地的な過ごし方のスローライフ、多少の文化の差を少しずつ感じ始める。

 荷物をまとめ、再び、【アスティの別荘】に戻ることになった。


 どうやら、自分も“ウンディーネの愛”を飲んで、条件を揃えて、リベンジマッチをしたいみたいだ。


 “ハイドワーフ”のプライドを傷つけちゃったか…?フィオの長耳まで赤くして…ピクピク揺れている?耳っ動くんだ?


 アスティの別荘までの道程を歩きながら、お互いの世界の違いがどうあるのかを話した。


 地球の日本の町の道にはコンクリートという石で固めて歩きやすくしてて、自動車やバイクが走っているとかコンビニがあるとかー電車や飛行機が物理法則に乗っ取って、ガソリンや電気で動く。


家も電気ですべて管理できて、携帯電話やパソコン、ゲームの話もした。


 アスティとフィオとシェリルは、こちらの世界でも人間もよく魔力を使わないイロイロな道具を作るけど、

 結局は魔法のが便利だから魔法に流れてしまって「科学」を探求しようとは思わないのだろうと言っていた。


 帰り道は早く〜、夕飯にすることにした。


 部屋から見えた『跡』の場所で、バーベキューの準備をして、


 名酒“ウンディーネの愛”を皆で飲みながら、夕陽と日暮れの空に広がる雲のオレンジだったり、ピンクだったり、紫だったりの夕方の天体ショーを、ゆっくり眺めた。


 内臓系の食感や俺達の味付けが物珍しいとのことだった。


 豚のネックやタン、鶏の砂肝やヤゲン軟骨わ膝軟骨も美味しいと好評だった。


 基本的に塩味にオリーブ油だったり、胡麻のすりつぶし、胡椒、異世界のタレを隠し味的に入れ、基本に日本人が好む味に仕上げている。


 こちらの世界では、細かく部位を別けて、部位別に食べることは、あまりなく、丸焼きや煮込み、食べれそうなトコロを食べるのが主流らしい。だから、内臓は腐るの早いから棄てて、腿、肩、背中ロースくらい。


 豚足を煮込んで甘辛の味付け

なんてゲテモノらしい。


 バラの部分の肉やスペアリブを食べない文化って、脂嫌いなのかな?とも思ったが、皆でおいしく食べた。


レン>ALL

「同じ世界の人間でも国によって味覚違うから遠慮なく、好みの味を教えてーサラが得意だから〜」


サラ>レン

「え?わたしなの?自分でもできるでしょ?」


 そのやり取りに、みんな大笑いだ。


 実は、サラは味覚過敏、他人が見たら、『神の舌』なんだが、本人は障害と思っている。


 香水の香りで味を感じてしまうくらい…悪化したら科学物質過敏症?あるいは分かりやすく、アレルギーにならないかと彼女の母カヨさんは心配している。


 確かに自然に体から来るモノ、自閉症から来るモノならば、気を付けしかない。

 俺的にはPSIの制御の問題な気がする。

 キャンプファイヤーをして、サラと俺で地球の歌を披露して、アスティとフィオも異世界の歌を披露してくれた。


 シェリルは魔法を使って、マジックショーと映像の特殊効果的なモノ?あとはいくつかの綺麗な魔法を見せてくれた。


 締めの花火的な流れなんだろう。


 部屋に戻り、フィオがリマッチを望んだ。


そこで、『名酒“ウンディーネの愛”腕相撲カップ?』開催


 『サラVSフィオ戦』と『アスティVSシェリル戦』は、白熱した。

 サラの腕が極端に細いし小さいのにフィオと均衡した…俺から見たら、たぶんサラは加減したのだと思う。

 理由は先ほどの『レンVSサラ戦』もしていて、フィオより強いことは確認済みだ。


 日常の重力差が出るものなんだろう。


 それでも、意外性のある筋力だから、対人戦なら絶対に油断を誘えるから有利との話。


 俺はというと【腕相撲】しながら“お約束”相手を観察することに余念がなかった。


 意識になかった3人の長耳も観察した。


 アスティの耳先が一番尖っていて、フィオとシェリルは耳先が丸みがあった。


 シェリルの長耳は、アスティとフィオより短く3分の2くらいの長さ、エルフの血が薄いほど、短く丸くなると言うことか。


 感情表現が耳に出てるらしく頑張る時は、長耳が立ち、嬉しいと揺れる。


 がっかりすると耳が下がり〜垂れるのだ。


 これは他人にバレバレなんじゃ…トランプとかあるのかな?


 ちなみに、外だとやはり言葉が通じないので、俺はアスティの指輪、サラはシェリルの指輪を借りていた。


レン>アスティ

「この世界には、トランプやギャンブルとかありますか?」


アスティ>レン

「トランプ?あるよ。きっと詳細のルールは、違うでしょうけどね。

 あと、さっきの町の下の方にカジノもあるわよ。

 今度はゆっくり町を見に行こうね。」


 アスティは頬に赤みがさし色っぽい。暑くなったらしく、今はポニーテールになっている。


 シェリルもサラもフィオも髪をまとめて、長耳をたてて、ヤル気満々…みんなエルフの血、しかも皆、美女なのに闘争心高いんだろうか?


 総当たり戦腕相撲のリマッチ、結果は俺、フィオ、サラ、アスティ、シェリルの順になった。


 とりあえず、みんな順番にお風呂に入り、アスティの寝間着に着替えてくる…ネグリジェのようだが、寝間着なのに、首回りが大きく空いているデザインが多い…。


 寝る時は、むしろ布団から空気にふれる首や肩などに布を増やして、冷えないようにするものなんじゃないだろうか…?


 俺もお風呂に入ってきた。アスティのパパの寝間着だ。やっぱりでかい〜。人間と較べるとエルフは大きな種族なのかな?


 部屋に戻るとサラがマッサージしてくれた。

 うつぶせに寝て、指圧にストレッチのように伸ばしたり、叩いたり、一通り終わると交代で、今度は俺がサラのマッサージを始めた。


 この風呂上がりのマッサージも小学三年生の時から欠かすことのない習慣だったりする。


 両親には、専属のマッサージ師がいたのだが、俺達子供は見よう見まねで、子供同士で練習して、うまくなった。


 いつもの流れでサラの全身をほぐしていくのだが…下着をつけていないようだ?上だけ無いなら、普通かもしれないが上下両方とも無い…


レン>サラ

「サラ?下着つけ忘れてるみたいだよ?」

サラ>レン

「あーうん、こっちでは、寝る時はつけないんだってー」


レン>サラ

「そうなんだ?へー」


 後頭部から首、肩、肩甲骨、背骨から尾てい骨に沿って、骨と筋肉の間を指圧し、筋肉のも圧迫していく。


 男は真っ直ぐな印象の背中だが、女性はやらかく丸みがありウエストがクビレている。


 特に骨盤の形が男と違うから、マッサージするポイント「ツボ」をはずさないように注意が必要だ。自分の気持ちよい場所と男女の差でズレが生じている。


 難しいところが、女の子は腰のサイドの腰骨と太股の間を指圧するのがベストなんだが、力加減が難しく、くすぐったいだけになる場合があるから打撃でほぐす方が良いのだ。


 親指の先で圧迫するとツボに入るんだが、はずれると効かない。その場合は、拳で叩くか、チョップか手のひらを皿のように水をすくえる形にして叩く。


 太股から膝裏、ふくらはぎからアキレス腱、足の裏まで指圧、叩き、伸ばしを全体的に行った。


 仕上げにまた座らせてからの頭と肩、腕をマッサージして終了。

 そんな姿をアスティ達は、興味深げにみていたらしく、終わったタイミングで声をかけてきた。


アスティ>レン&サラ

「今のは、何をしていたの?」


フィオ>レン&サラ

「求愛行動じゃないよな?」


シェリル>レン&サラ

「魔力は感じなかったので物理的なメンテナンスかしら?」


 サラと顔を見合わせた…?


レン>ALL

「こちらでは、筋肉が疲れた時に、揉んだりして血行を促進させて回復させない?」


フィオ>レン

「ストレッチや軽く肩とか揉んだりしてしなくはないけど、そんな入念に人にやってもらっているのは始めてみたよ。」


サラ>フィオ

「肩こりとかひどくなったらどうしているんですか?」


シェリル>サラ

「私は魔法で回復させるかな…」

レン>シェリル

「魔法って、そんな皆が使えるんですか?」


アスティ>レン

「魔法使いだけよ。あとは回復ポーションとかだけど、」


サラ>ALL

「回復って、どういう定義なんですか?現状のまま修復?筋肉だけ過去に戻るとか?時間が進むとか?」


シェリル>サラ

「魔力を傷ついた部位に変換しているの。

 例えるなら、淡水で氷を作って穴を掘ってた所が傷だとして、そこに海水を入れて凍らせる感じよ。塩が魔力で時間がたつと淡水と海水が混ざって馴染んで、自分の魔力にできる場合と自然に排出されちゃう場合があるのよ。」


レン>シェリル

「その場合、筋肉が過剰に回復することはないよね?」


シェリル>レン

「もちろん、足りないモノを正確に足すだけよ。」


レン>ALL

「じゃ筋肉痛になったら、魔法で回復させたら、鍛練が無駄になるってことか…」


フィオ>レン

「ッ?なんで?無駄になるんだ?」


レン>フィオ

「だって筋肉はダメージを回復する課程で太くなっていくから、魔法で回復させたら、太くならずに現状の太さに回復するだけなんでしょ?それじゃ、いくら鍛練しても筋肉は増えないじゃん」


シェリル&フィオ&アスティ

「「「…!!!!」」」


シェリル>フィオ&アスティ

「そうかもしれないわ…学生時代だいぶ損したかも…」


 筋肉がどう作られているか知らなかったらしい…だいぶショックなことがあったらしい。


サラ>アスティ&フィオ&シェリル

「むしろ、今、みんな凄く綺麗なスタイルなんだから、余計な筋肉つかなくてよかったじゃないですか♪」


レン>アスティ&フィオ&シェリル

「そーそ、おまけにすべての努力を無駄にするような、こんなお酒あるくらいだし、気分直しに日本のマッサージ体験してみませんか?たぶんリラックス効果もあるよ。」


フィオ>レン

「そうだな、試しに頼む」


レン>フィオ

「初めてみたいですから、揉み返しが来ないように弱めに始めますね。具合いいようでしたら強くしますんでいってくださいね。」


 とりあえず、座った形で開始し、手のひらのマッサージから始め指を捻るように擦るように揉む。

 たぶん鍛えられてる人でも女性は、男に比べれば、骨格は華奢で柔らかく細い。


 鍛冶屋という話だか、魔法で回復させるせいか手にマメなどはない。手首や肩のストレッチは非常に柔らかい。

 肩や首を指圧に揉み、叩き、肩甲骨の周辺をほぐしていった。

 頭蓋骨を持ち上げ、コメカミ、耳の周りの筋肉をほぐす。

 全身をサラの時と同じ流れでマッサージした。


フィオ>レン

「ん〜ナカナカ気持ちいい。良いみたい♪精神的にも回復した気になるのが不思議だ。」


 サラはアスティをマッサージしている。


レン>シェリル

「じゃ次は、シェリルさん行ってみようか?」


シェリル>レン

「お願いします〜」


 濡れた髪を再び、ポニーテールに結んで〜お団子になった。

 その姿は、色っぽい…


 シェリルさんが髪をまとめながら、俺の前に座る仕草が美しかった。


 エルフの血が入るとモデル並みの立ち振舞いが自然とできるのだろうか?…地球でも外人に対して、そう思ったことがあったけど、文化の違いでそう思うのだろうか?機会があれば調べてみたい。


シェリル>レン

「…ん?」


 座ってから間があったから、振り替えったシェリルさんと目があってしまった…


レン>シェリル

「シェリルさんはうつ伏せから始めましょうか」


シェリル>レン

「はい♪」


 さて、そんなことは良いのだ。今は、シェリルは魔女、そして、今日の行動から見ても、目を酷使するタイプ…日本の現代人と同じだ。


 首、肩、背中から腰に触れてみたら、やはり硬い。


 とりあえず、軽いストレッチを試みて、骨盤や背筋のゆがみを正してから、首、肩、背中、腰、筋肉を擦り叩き、ほぐしていく。


 全体的にほぐしたら、頭蓋骨と首の骨の設置部分を指圧していく。首の中心から頭蓋骨に沿って耳やコメカミ、頭の薄い筋肉を指圧していく。


 ついでに長い耳も指で挟んで、グルグル回す。感情につられて動かしてしまうんだから、耳の周りの筋肉もほぐす。


…この長耳どうなっているんだろ?先から根本まで触ってみると軟骨の感触だから耳の動きは根本で動かされているはず…


 何故かシェリルさんがモゾモゾ動いている?


レン>シェリル

「どうしました?」


シェリル>レン

「だっだいじょうぶ」


 シェリルの顔が赤い?…続きに耳をピンッピンッて、ひっぱった。

シェリル>レン

「あっ、あ〜ダメかも…」


レン>シェリル

「え?」


 アスティとフィオとサラが駆け寄って、シェリルの様子をみた。


フィオ>シェリル

「シェリル…あーこれは…」


レン>フィオ

「どうしたんですか?」


フィオ>レン

「えっと〜これは…」


アスティ>レン

「あっ貧血」


フィオ>レン

「そーそー貧血みたいなモノだから平気だぞ…」


サラ>レン

「さっきアスティもそうだったんだけど、耳の触感過敏なんだって〜気をつけてあげないと」


アスティ>サラ

「サラちゃんっ言わなくて良いんだってっ」


レン>シェリル

「シェリルさん、ごめんね?痛かったのかな?」


 シェリルさんは、ボヤーっとしている意識薄れちゃってるのかな?脳に近いし…脳震盪系なんだろうか?


アスティ>ALL

「紅茶いれるからキッチンテーブルに集まって、フィオはシェリルをお願い」



のんびりライフが徐々に冒険の序章が始まる予定

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