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パラレルユニバース  作者: 北条龍人
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第7話/指輪の謎

 違和感がある兄の手紙…兄にしては読みやすすぎたのだ。

 指輪をはずすと手紙は研究論文並みに難解に変化し情報量も倍に変わる。

 指輪の効果、一目で要点を要約して読める凄さに気がつくのだが、文の大半が無くなるほど、情報が減るのはおかしいと気がつく。


 兄貴の手紙の序盤を読んだ時、違和感を感じていた。

 気になって、指輪を外したら…難しい部分がだいぶ増えた…視覚的にまで増えた?


 この指輪は、徹底して理解できるように変換される機能のようだ…

 不要と思われる部分が消えている。その中には、なんと知的生物の存在する銀河間移動の可能性までが書かれていた。


 指輪は消していたが、異世界〜パラレルワールドとは?

 人類が到達できない距離にある知的生命体の惑星である可能性が高いのではないか?

 ワープとは、時間軸で過去に飛び、空間軸で距離を進むことではないのか?


▼例えるなら、

通常移動が出発点から目的点まで

距離:50㌔

所要時間:1時間

速度:50㌔/時

だとする。


ワープは、時間をマイナスされ

距離:50㌔

所要時間:−1時間

速度:50㌔/時


 こうなると速度50㌔/時で距離50㌔を走っている間に時間がマイナスされ、到着時に出発時間になる。さらに速度100㌔/時で距離50㌔を走っている間に時間がマイナスされ、到着時に30分過去に飛んでしまう。


 この推理が兄貴の推測の中では合理的な答えのつもりではないだろうか?だが兄貴は自分が推理に確信がなく補足的に書いたから指輪に弾かれたのだ。


…たぶん


 兄貴は、俺の超能力に、テレポートレベルのモノとワープにあたるモノが考えられるのではないか?と言いたいのだ。



 そこでフッと、ある種の疑惑を持った。

 すべてを疑うならば、犯人を兄貴にすると俺の中では一番納得がいく現実的な気がしないでもない。


 理由は、兄貴の研究分野の幅と好奇心、結果を見せている分野を鑑みると、俺を人体実験で、脳に電気を流して、夢を操作してモニタリングしている可能性があるではないか。


 実は体は自宅で寝ていて、脳の活動データのすべてをコンピューター上に回収して研究データのモルモットにしている。


 …もっとも、この疑いは無意味だ。兄貴が言えば俺は断ったことがない日常だ…。


 試しに死んでみるわけにはいかないわけだし、身内で信頼しきっている兄貴を疑った所で現状何もできない。


 もっと疑えば、自閉症やPSI症そのもの、さらに過去の記憶の全部が兄貴が植え付けたと考えられる。


 まーそこまでして、モニタリングして得たデータがどれだけの価値を持つか?


……

………………


〜などと疑うことでは、現実を、今を、変化できる材料にはならない。


 だから、しばらく地球にいた頃の現実的なモノの考え方や様々な疑いは、先伸ばしにしようと思う。


 【地球帰還】を目的にするのだが、今を生きているこの世界を真剣に考え、文化や世界観を知り、

 出逢っていく人々との深い人間関係を大切に作ることを徹底しようと思う。


レン>ALL

「兄貴が指針をくれたよ。ちょっと難しいけど、この手紙」


 アスティナさんとサラとサラダを食べながら、手紙の内容についてミーティングになった。


レン>アスティナ

「あと、この指輪には根本的な欠点があみたいです。これはただの翻訳の指輪ではなく、装備した者の理解できるように噛み砕いて訳してくれるけど、自分の知識以上の情報を得られないことです。

コツを掴むには良いのですが、知識を磨くと言う視点で言えば、新しく学びたい場合に邪魔になりかねません。それを前提にこの指輪で地球の日本の言語を覚えてもらえませんか?それで兄貴のレポートを略版ではなく、原本の内容でアスティナさんのこの世界の知識で助けてほしいー」


アスティナ>レン

「ん…わかったわ…」


 俺の勢いと真剣さにアスティナさんはちょっと引いていたが、指輪を渡して内容を読んでもらった。



アスティナ>ALL

「これは、おどろきだわ…。私の知識の中で理解できる内容を理解したわ。でも、ほとんどが理解できていないみたい。指輪をつけた時と外した時の文字の量が不自然なほど消えていたわ…。


 この指輪は“通訳の指輪”として、500年以上の昔からポピュラーな日用品として、量産品され便利に使われてきたけど、効果を詳しく調べた者はいないわ。必要なモノだけ解れば、それだけでよかったから、


 でも昔の歴史では、“賢者の指輪”と呼ばれて、どんなモノより価値のある国宝だったの。価値があるとされるのが『便利なだけ』と認識していたけど、違いそうね…」


サラ>ALL

「わたしも見たいよ?」


 好奇心にかられたサラが、指輪をつけはずししながら、サーっと読んでいく。


サラ>レン

「あっわたし、ココ覚えているよ。九州行ったはずの、クヌ兄がレンをおんぶして家に来たんだよ。ママ(カヨさんは女医)にレン起きないから見てくれって、平気とわかったら、九州に行きたいから送ってくれって頼みに来たの。だから、わたしも一緒に皆で九州まで行ったんだよ。」


レン>サラ

「あっ俺的には、井戸に落ちて起きたら、カヨさんとサラがいたから、わざわざ心配できてくれたのかって思ってたよ。または、サラが寂しがって、ワガママ言ってカヨさんを困らせてたのかと思った〜」


サラ>レン

「そんなわけないでしょーあの頃レンは喋れなかったのに、そんなこと考えてたのねっコノッコノッ」


 サラにポッカ、ポカと叩かれるのだった…


レン>サラ

「サラだって、語尾しか言わなかったじゃんー、あとは、おうむ返しだけだったら、喋んなくても変わんないって、」


 と言いながら抵抗しながら、サラの体をチョコチョコ触るのだった……強く叩くのには抵抗があるから、絞め技や固め技などからのくすぐり攻撃が定番だった。


「ケラケラ」っと楽しそうに笑うサラの顔を見ていると安心する。

 ぶっちゃけ、恋愛までの精神レベルには達していない。


 「好きか?」と聞かれたら迷わず、普通に照れもなく「もちろん大好きだよ?」とお互いに言える仲で兄妹、サラに言わせれば、姉弟だ。


 相手のためなら迷わず死ねる。だが「愛している?結婚したいか?」

と聞かれたらよくわからないのだ…もちろん結婚したらしたでかまわないし一生仲良く楽しく暮らしていくだろう。


 いつか恋愛感情がわかる日がくるんだろうか?

 とにかくサラが傷つかないように生きていきたい。


 そんな大切にしたい気持ちはあるのだが、中学男子には恋愛Lv0.05の精神レベルでも、エロレベルは高いのだ。

 好奇心に旺盛で欲につっぱしりたいと願う。大概、自制心が邪魔するんだな、これが…。


 そんな中のサラは天使だ〜無邪気だし、ちょくちょく体に触る機会がある。


 おまけに一緒にお風呂入りたがるし、…まーもっとも生まれて気がついた時から10年以上、一緒にお風呂入っていたのだか…サラが女の子って、

明確に意識したのは“さっき”なんだけど…、


「〜アハハハハっ、へっヒック、ゴホゴホ、ハァ、…」(ドラップラー効果逆バージョンに耳に届き始める…)


サラ>レン

「ハッ、んっンッ、放してぇ窒っ息、レン、レッ…ン〜、ハァ、ハァ、ハ、窒息するよぉ…ギブ……ギッブッ…なっ長いって…」


(考え事しながら、サラを後ろから、抱き締めるようにサラの右肘を左回りに左手でグリップして、両手をロックして、サラの右脇腹から右腰までのクビレ部分をコチョコチョしていた。)


レン>サラ

「ゲッ?しまった。ごめ〜んξ、サラが元気に回復してそうで嬉しくって…」


サラ>レン

「はぁー疲れたよぉ〜まったく、それから嘘おっしゃいぃ〜どうせ、くすぐるのに集中しすぎて、


音が聞こえてなかったじゃない…昔からそうだけど、本でもテレビでも集中すると音が聞こえなくなる特徴じゃない…どうにかならないの?それ」


レン>サラ

「うーん、ごめん。でもサラがいると日常的で安心感が出るなぁと思っていたのは本当だよ。」


 半分は考え事に集中してて聞こえなかったんだけどね。半分は、サラのいる安心感のは本当だ。


サラ>レン

「もぉーしょうがないなぁ〜」


 サラは頬っぺたを膨らませて怒っているフリをしているつもりなんだろうが嬉しそうな雰囲気が素直に出ている。


アスティナ>ALL

「羨ましいくらい仲良しさんなのね。私も兄弟欲しかったわ。」


サラ>アスティナ

「この世界初の綺麗な仲間だから、わたし達のお姉様になります?」


レン>アスティナ

「命の恩人だし、狩りも頼りになる姉さんだと思っていたし、エイリアンの俺達をよくしてくれているから依存はないよ。

 あと効率考えると3人分の賢者の指輪を揃えましょうよ。言語習得に2週間、その間、世界に体を馴染ませるから、」


アスティナ>ALL

「ありがとう、嬉しいわ。とりあえず、ココカーラの湖とカルビアの森に流れるカルビアの川で、“賢者の指輪”の材料と資金の元手を稼ぎましょう。


カルビアの鉱山から鉱石が川を流れて、鉱石や原石、砂鉄、砂金、砂銀、魔石、砂魔など取りにいきましょう。


 川を探すのと湖を潜るわよ。新しい賢者の指輪に魔法を幾つか足して、3人分作りましょう。義兄弟の誓いにしましょう?


 世間には、指輪に魔法をのせると結婚か養子縁組と思われちゃうかもしれないけど…」



 アスティナさんがチラッと俺とサラを見る。



サラ>レン

「…どうする?いい?」



レン>サラ

「え?俺はぜんぜんかまわないよ?三國志の桃園の誓いみたいに重要な絆ができるのは大切だと思う。絶対的な安心だしね。『産まれた場所時は違えど、死ぬ時は一緒に』」


 サラとアスティナが妙に目をキラキラさせ俺を見つめている。三國志の世界観以外に好きなのかな?


レン>ALL

「今度、時間のある時に、そういう話するね?」


サラ&アスティナ>レン

「おっお願いします〜」


 サラは妙に真剣に真顔で


サラ>レン

「…レン、アスティナさんのこと好き?」



レン>サラ

「え?なんで?」


サラ>レン

「答えて」


レン>サラ

「え?恩人だし、綺麗だし、性格も気遣いもできて大人だし、俺達みたいなエイリアンを助けちゃうくらい優しいしー好きだよ?」


サラ>レン

「わたしは?」


レン>サラ

「ん?そんなのいまさら?何年一緒にいるの?いちいち聞かなくたってわかるでしょ?最重要だよ。」


サラ>レン

「そうだよね…いまさらだよね。」


サラ>アスティナ

「じゃ、結婚でお願いします。」

レン>ALL

「ッ???」


アスティナ>サラ

「3人で末長くお願いします。」

レン>ALL

「…うん???」

(『えっ何?何言い出しているの?この2人』たぶん家の言語的な魔法の変換とアスティナさんが今、賢者の指輪の誤訳と短縮訳とのだと思うけど、「義兄弟の誓い」が「婚約」になってるけど?)


指輪の誤訳?短縮訳?なのか?突然の言葉にサラとアスティの言葉に動揺する主人公、“この指輪が一種の鍵”になる予感がする主人公だった。

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