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ある母の20年



私は子供を一人失いました。

許す事も愛する事も出来なくたったのです。

あんなにも愛していたのに…

今から二十年前、二歳年上の夫の暴力に怯える日もあった。

そんな中20時間かけ難産に耐えこの手に抱けた娘。

今では私の中でこの子は我が子ではなくなった。

この子の名は麻衣。



20年前ー

麻衣との三人の生活が始まる。

お宮参りの時の写真では私の顔が腫れている。

夫の暴力だ。

結婚当初は物を壊していた。

的が私になるのにはさほど時間はかからなかった。

飲むと暴れる夫から飲まなくても暴れる夫になり、

麻衣を抱いていても殴る夫になり、麻衣をかばいながら殴られ続けた日もあった。

麻衣の体が心配で階段から2人で落ちた事にし病院へ…

医師には暴力が原因だと分かっていただろう。

2人を見るなり、医師はこう言った。

「子供さんは大丈夫ですよ。それよりお母さんあなた死にますよ。」

二十年経った今でも忘れられない言葉。


その後、麻衣さえくれれば他に何もいらないと離婚を願い出た。

麻衣は渡さないと夫は言う。

私には裁判にすれば勝てる自信があった。

裁判にすれば麻衣だけじゃなく慰謝料もとれると脅し何とか離婚する事ができた。




麻衣と二人の生活ー

母子家庭。

僅かなお金しか無い私が母子でやっていくには切り詰めないといけなかった。

キッチンと6畳一間とトイレしかない古いアパートの部屋を借りた。

お風呂は共同だった。


それでも安心して暮らせる事が嬉しかった。


母が経営する居酒屋で働きながら育てた。

父親が居ないからと言われない様に心掛け、必死で可愛がった。

自分の服より麻衣の服。

大切に大切にしてた。

愛していた。




再婚ー

4年ほど二人暮らしだったが再婚した。

しばらくお付き合いしていた人との間に子供が出来たからだ。


ちょうど出産の為入院の時に麻衣の入学式だった。

私は行けないので新しいパパが行ってくれた。

麻衣もなついていて、可愛がってくれてた。


生まれたのは女の子。

麻衣も目が無くなるほどの笑顔で抱いてキスしたりと可愛がった。


その頃、麻衣の担任から話があった。

麻衣の言動等で気になるらしい。

精神的に問題があるのではないかと。

私は馬鹿だ。

そんな話、全く信じられないでいた。






初めての事件ー

麻衣も三年生。

学校から連絡があった。

自宅近くの公園で遊んでいた麻衣と妹。

麻衣が棒で妹を酷く殴っているという。

あまりに酷いので、それを見た近所の人が学校へ通報したらしい。

麻衣が三年生…7歳の年の差だから妹は2歳か…

小さな妹に何故そんな事出来るのだろう。

妹への暴力はその後も続いた。

私の見ていない所で…


麻衣は何処でもいつでも良い娘さんだと言われた。

こんな事するとは誰も思えなかっただろう。




三年生ー

夏休み前に学校に呼び出された。

麻衣か机の中やロッカーを酷く汚しているとの事。

片付けに呼ばれたのだ。

出てくる出てくるゴミの山。

カッチカチのパンや牛乳パック、紙のゴミ。

全て袋に詰め持ち帰る…

そして初めて聞かされた学校での麻衣。

三年生になってからほとんど教室には居ないとか…

保健室や廊下や階段などで過ごしているらしい。

何故もっと早く教えてくれなかったのか。


その後もそういう感じで学校に通う麻衣…




大好きな先生にー

教室にいられない麻衣。

相談室の先生が大好きだった。

教室にいられない麻衣は、週に一度だけ若く優しく可愛い先生と相談室で過ごしていた。

遊んだり話をしたり勉強したりで、いつもその先生の話をしていた。

しかしまた学校から呼び出されました。

その先生が用事で少し部屋をあけた時、麻衣が先生の鞄の中の財布からお金を盗んだのだ。

ショックが大きかった。


麻衣の為に何度頭を下げただろう…





三女の名付けー

私が妊娠し出産。

麻衣が妹を虐待する…

防ぐ為に考えた。


こんな思いして愛しい子の名付けする親がいるだろうか…


その頃麻衣が大好きだったアニメの主人公の名前を頂いた。

大好きな子と同じ名前だから可愛がってくれたら良いと、好いてくれればいいと。

そんな願いを込めて名付けた。

そのかいあってか少しお姉さんになったからか、次女よりも可愛がっていた。



離婚ー

とても無害というか一つを除けば私には良き旦那であった。

しかしパチスロ狂いで大変だった。

私もパチスロ嫌いではない。

でも、狂ってるほど好きではない。

でもこの二番目の夫はとんでもなく好きだった。

生活が苦しくなってもやめない。

支払いのお金も持ち出す。

財布を隠して寝ても探し出す…

財布が大きいから隠し場所が分かってしまうのかと、財布からお札だけを抜いて隠してみたが、キャッシュカードやクレジットカードを抜き取り使ってしまう…

どうしようもない…

私は子供達を守らなければいけない。

借金も沢山出来てしまった。

でも夫は職人。

収入は低くはないので扶養がなければ支払いしつつ生活できる。


パチスロやめられたら復縁も考えると約束し、また私は母子家庭になる事を決意した。





堕胎を決意ー

離婚し子供たちとの生活。

慌ただしく毎日が過ぎていく。

一人で3人。

頑張らなければ。

古いけど広いアパートへ引っ越しスタート。

離婚や忙しい事で気付くのが遅かった。

月のものがきていない。


検査薬を使い4人目妊娠を知る…

麻衣11歳、次女4歳、三女1歳。

ここにきて妊娠…

病院で妊娠四ヶ月と知った。

悩んだ。

悩んで悩んで悩んで。

子供の頃から小さい子が好きだった。

叶わなかった夢だけど、保育士になりたかった。

子供が大好きだった。

けれど一人で妊娠〜出産、そして乳児の育児。私は自信がなかった。


病院へ行き、うっすら涙を浮かべた目で堕胎すると医師に告げた。







出産を決意ー

お腹の赤ちゃん。

殺したくない。

それでもこれからの生活を考えたら堕胎するしかないんだと、そう思った。

辛い気持ちを抑え涙を堪え産婦人科医に堕胎を頼む。

私に産みたいという気持ちがある事を感じ取ったのか先生は言う。

「お母さん、三人も四人もかわらないよ。何とかなるもんだよ、お母さんなら大丈夫ですよ。」


我慢していた涙が溢れ出す。

嬉しかった。

執筆中の今でも涙が出そうになる。

そうか、頑張ればこのお腹の子も一緒に幸せになれる。

私頑張る。


こうして私は四人の娘をもつ肝っ玉母さんになった。





人生最大の事件ー

生後五ヶ月。

寝返りし顔を上げ、とびっきりの笑顔でゆらゆら揺れる遊びを覚え、いつも楽しそうにニコニコ。

癒される毎日。

悩んで堕胎を考えたけれどここまでこれた。

産んで良かった。

本当に可愛い。


7月19日夕方。

どうしても眠くて仕方なかった。

四女と私はエアコンがある部屋で快適に過ごしていた。

我が家ではこの部屋にしかエアコンがなかった。

古いけど広いアパート。

借りる時にエアコン三台付きに惹かれたけれど、いざ借りる事が決まったら、古いエアコンだから新しいエアコンを一台付けるからそれで良いですか?との事。

母子家庭で部屋を借りるのは割と大変だった。

母子家庭を嫌がる大家もいるらしい。

現にそれで断られた事もある。

私はそれで了承し新生活をスタートさせていた。


人生最大の事件のあった7月19日。

疲れからかどうにも眠い。

「お母さん凄く眠いから少し寝るね。四女みててね。」

特に動き回る事もない四女。

深く考えず軽い気持ちで麻衣に言った。

四女の横で少しお昼寝するつもりだった。


このお昼寝が四女の一生を人生を駄目にしてしまった。





7月19日ー

四女の横で眠っていた私。

エアコンのゆるい冷房が気持ちいい。

ぐっすり眠ってしまってた様だ。


たまたま兄が来て起こされた。

目覚めてみたら四女が横に居ない。

あれ?

子供達三人は隣の部屋でテレビを見ていた。

「麻衣、四女は?」

答える麻衣の言葉がおかしいと兄が言う。

連れてきてと、頼んでも様子がおかしい。

何かを感じた兄が私に言う。

早く行って連れて来いと。

連れに行こうとすると麻衣がそれを阻止し自分で連れてくると言う。



子供部屋にいた四女。

連れてこられた四女の様子がおかしい。

微かに呼吸している?

小さく痙攣してる…



風邪も引いていない

ニコニコだった四女。


声をかけても反応がない。


汗がすごかったので飲み物を与えてみたが、やっぱり反応がない。


兄が声を荒げて言う。

すぐ病院に連れて行け。






病院ー

我が家のそばに割と大きな病院がある。

入院設備もあり、小児科もあった。

救急車の受け入れもしている病院。



救急車を呼ぶよりも走った方が早い。

1分もかからない。

四女を抱いて走った。

麻衣もついてきた。

兄が居てくれたおかげで助かった。

次女と三女はみててもらえた。


夜になっていたのでインターホンで話す。

病院の中に入れてもらったがここでは診れないと言われた。

すぐに救急車を要請してくれたが、待っても待ってもなかなか来ない。

とてつもなく長い時間に感じた。


救急車に乗ってメディカルへ運ばれた四女。

それでもここでは診れないと…

また救急車に乗って運ばれる…

大学病院へと。




四女は身体障害者となった。

8歳になった今でも寝たきりで、全介助が必要となった。

「ママ」と言ってくれない…

ご飯は鼻からチューブで入れている…





我が家の一大事件の真相ー

四女が可愛くて子供部屋へ連れて行ったのだろうか、泣き出してうるさくて子供部屋に連れて行ったのだろうか…

真実は麻衣しか分からない。

けれど7月19日

夏の日

クーラーのない子供部屋で布団を掛けられビニールまでも…

麻衣の様子がおかしかった事にも説明がつく。

一生懸命誤魔化そうとしていた事にも…


何故そんな事したの…

何故そんな事出来るの。


五ヶ月の、たった生後五ヶ月の妹に…


よく生きていてくれた。


ごめんね四女。

あの日眠ってしまってごめんね。





麻衣就職ー

中学生になった麻衣。

麻衣は不登校になったり学校に行っても教室には居ないという事を続けていた。

自分の良い事ばかりを話す麻衣。

妹たちから虐められるという話も聞かなくなった。

良い方に向かっていると信じていた。

私は馬鹿だ。

人は変われると思っていた。


世間は高校受験。

私は公立高校に行くと思ってた。

麻衣と話して希望を書いて提出。

望みは高くない。

市内で一番ランク下の公立高校。

この高校には誰でも入れる程度だと思っていた。

しかし学校は受験させてはくれなかった。

それどころか定時制さえも試験があるからと受験させてはくれなかった。

ここまで落ちていた麻衣。

けれど本人はもう勉強はしたくないと言うようになり就職希望になった。


働けなくなった私は市の世話になり生活をしていた。

麻衣が就職し、収入を得ると当然収入のほとんどが家族の収入となる。

だが麻衣が家を出て生活すれば、本人が頑張って得た収入は自分のものとなる。

麻衣本人に決めさせた。


自分の収入は自分で使いたいという事で、寮に入りうちを出る事になった。

少し寂しい気持ちもあったが、ホッとする気持ちの方が大きかった。


これで妹たちも安心して暮らせるだろうと。




虐待は続いていたー

妹たちもずっと何も言わなかったので、

麻衣の暴力などもう起きていないと思ってた。

脅されて言えなかったと妹は言う。

子供部屋の二段ベットの柱に何度も頭をぶつけられた事…

子供達でゴミ捨てに行くと、途中の路地に入れられ虐められた事…

やはり一番の的は次女だった。

普段は仲良く遊んでいたのに…

虐めは妹だけではなく従姉妹にもあった。

一つ違いの従姉妹。

小学校の頃は従姉妹の傘を学校から持ち出しゴミ捨て場に捨てたり。

中学になったら従姉妹の部活の人達に悪口を言ってみたり、従姉妹は不潔だと言ったり…

一つ上の麻衣に色々言われ、その結果麻衣は従姉妹が部活さえ続けられなくしてしまった。

部内で虐められるようになってしまったのだ。



麻衣がうちを出て行く日、三女は泣いたが次女は泣かなかった。

お姉ちゃんがいなくなって少し安心し、少し喜んでいた。

そして色々な虐めがあったことを話してくれた。





就職してからの麻衣ー

休みの度に帰ってきた。

やっぱり淋しいのだろうと思った。

居酒屋の仕事を終え終電でよく帰ってきた。

深夜に駅まで自転車で毎回迎えに行った。

色々あったがまだ私は麻衣を愛していた。

真冬の深夜も自転車で迎えに行った。

いつも二人乗りして24時間営業のファミレスに行った。

二人で笑い二人で食べた。

給料日には仕送りと言って8千円〜1万円をくれたりもした。


毎回一緒に行くファミレスで消えるけど、いいや、全然足りないけど楽しかった。

生活費切り詰めてもこれを続けたかった。


しかしいつしか麻衣はリストカットするようになっていた。






職場の上司から呼び出しー

頑張っていると思ってた麻衣。

いつも楽しそうに仕事の話をしていた麻衣。

何故リスカする様になったのだろう…


ある日麻衣の職場の上司から呼び出された。

仕事の状態等聞かされました。

本当は辞めて欲しかったのだろう。

でも、私は頭を下げ頼んだ。

続けさせてもらえる様に。

何とか分かって頂けた様で、麻衣は仕事を続けられた。

本人にも良く話をして、分かってくれた様に思えた。

これで頑張ってくれたらそれで良かった。





二度目の呼び出しー

麻衣の休みの日だった。

いつもの様に帰ってきている日。

今度はもう駄目だった。

辞めて欲しいとの事。

飲食店なのに腕は傷が尽きない。

絆創膏や包帯で誤魔化したりしていた様だ。


そして職場でもリスカするしまつ。

勤務態度等も上司の皆が注意する事も出来なくなった状態だったらしい。


クビを聞かされ麻衣は泣いた。


私はもう頼むのはやめた。



麻衣も疲れたんだと思ったから一ヶ月くらい休んでからまた仕事しようねって言い一緒に暮らす事になった。





1人暮らしの部屋ー


夢の一人暮らし。

会社が借りてくれた家具付きのアパート。


麻衣は希望が沢山あったようだ。

私と買い物に行っても、ピンクのカーテンやカーペットなど欲しがり、叔父にもピンクの物を買ってもらったりしたようだ。

私もピンクのふかふか座椅子を買ってあげました。


何かの時の為に合鍵を一つ作って渡してと伝えてあったが、結局貰えずにクビになってしまう。

会社のアパートなので早急に空にして出なければいけない。

箱詰めや掃除の為二人で寮だった部屋に向かった。

途中で掃除道具や洗剤、指定のゴミ袋を購入して麻衣のアパートに着いた。

けれど麻衣が部屋が散らかってるから片付けるから待っていてと言う。

私は外で待っていた。

しかし5分経っても10分経っても呼ばれない。

早くやる事やってしまわないと…と思い部屋へ行く。

散らかっていても良いよとドアをあけて私は固まった。




夢の現状ー


玄関から足の踏み場もない。

生理用品のゴミまで落ちている。


ユニットバスもカビや生理用品のゴミが落ちていた。

そうだ、何度言っても…いいえ、何千回言っても生理用品も捨ててはくれなかった。

パンツに付けたまま置いてたり、パンツに付けたまま隠して置いてたり。

食べたゴミもそのまま…


私も掃除等得意では無いので、好きではない。

たまにサボる事もある。


だから自分の食べたゴミくらい捨てなさいと、そこまでやってられないと何度も何度も言った。

18年ちゃんとする事はなかった。


再び麻衣の部屋ー


炊飯器の中は真っ黒なドロドロした液体になり…

部屋中ゴミと衣類の山…

室内のベランダ側には蛆虫の死骸や卵…


ベランダの外にある洗濯機には腐った水と服が一枚か二枚。


一人暮らしの兄の方が断然きれいだった。


こんな部屋テレビの片付け番組でさえ見たことない。


急いで二人で片付けつつゴミを捨て…

そうしているうちに辺りが暗くなってきた。

電気をつけようと思ったら電気が止まっていた…


携帯で電力会社に電話して、引っ越しの為の荷造りなので電気を付けて欲しいとお願いすると、9月だか10月から支払いがないのでもう契約解除となっているとの事。

クビになったの2月なのですが…

電気のない部屋で生活していたとか。

解除されるまでの電気料金を支払って送電してもらいましたが、5千円代でした。

毎月10万くらいの生活費があったのに、何故支払わなかったのだろう。


ピンクのもの欲しいとか言ってる場合ではない。


電車で行ってるので終電までには帰らなければいけない。

当然その日だけでは片付けきれず、電車を乗り換えながらの帰宅。


後日荷物が多く積めるワゴン車をレンタルし、現地で片付けを再開し終了。

会社が一月分の給料を保証してくれましたが、ベランダのガラスを割っていたり、部屋中をダメにしていたので数万円程度しかもらえませんでした。





ネットゲームー

私が遊びでやっていたネットゲームを麻衣も始めた。

きっかけは何でもいい。

リスカするに至るような気持ちを忘れられれば。

ゲームを楽しんで嫌な気持ちにならなければ。

若い女の子はチヤホヤされる。

麻衣は凄く楽しそうだった。


ネトゲで男の子と仲良くなった。

今まで恋人が出来た事がなかった麻衣。

好きな相手が出来たら変わるんじゃないかと私は思った。

恋をして優しい気持ちになったら良いと思った。




初デートー

相手は遠く九州の大学生。

私達は関東。

それでも相手が来てくれるという。

うまくいって麻衣が変われたら素敵な事だ。

もう藁をも掴む気持ちだった。


私も恋人と一緒に会った。

四人で3日遊んだ。

楽しかったけど麻衣たちは上手くいかなかった。


帰り際に相手の男の子が言う…

「俺には無理だよ」


そうだよね…


皆でいるのに一人で先を歩いてどんどん行ったり、夜に行方不明になって皆で探すようになったり…

付き合いきれないよな…




再びネトゲー

また麻衣に好きな男の子が出来た。

しかし変わり身が早いというか、あちこちの男の子にしっぽを振っていたようだ。

複数の男の子にしつこいとかキモイと陰口を叩かれるようにもなった。


でもこの時好きになった相手とは会う事もなく終わった。


そしてまた次…




別の相手とのデートー

この時も私達が一緒で四人でデート。



今回は特に変な行動を取る事もなく、恥ずかしがってデレデレで終わった。

その後もしばらく付き合いが続き、クリスマスには2人きりのデートとなり、初体験をも経験したようだ。

この時きっと幸せの絶頂だったのかもしれない。




その後ー

しかしその後すぐに彼から別れを告げられた…

麻衣の落ち込みはひどかった。

リスカを繰り返していた事もあり、自殺してしまうのでは無いかと心配だった。

初めての相手だったし、凄く辛いだろうと彼女の事をきにかけていた。


幸い彼女、麻衣は今も元気に過ごしている様だ。





初めての反対ー

ゲームする麻衣の異変に気付く…

初体験相手との別れからさほど経ってないけれど、気持ちが他にあるようだ…

ネトゲ内でも次々ちょっかい出していたけど、まさかこんなに早いなんて…

びっくりしたけど、麻衣に聞いてみた。

まだ前の初体験の相手を忘れられないと泣きながら語った。

しかしこの涙は嘘だった。

変わり身が早い事がバレるのが嫌だった為のウソだった。

恋人が出来れば変われると最後の望みだったけれど、それは無理だったようだ。


私は情けなかった。

今度の相手は相手が悪い。

ゲーム内で有名なダメな男の子だった。

他人の物を借りたまま逃げるとか、騙し取るとか、ある事ない事言ってゴタゴタを起こす等問題児なのだ。

当然反対します。

それを機に麻衣のゲームを禁止した。


パソコン使用も禁止した。


しかし何度言ってもいう事を聞かず、

内緒でパソコンを使い、その男に連絡をとる。


良くない男の子だと言っても分かってはもらえない。




振り返るー

何度裏切られても、お金を盗まれても、嘘をつかれても…

それでもずっと愛してきた。

可愛くて仕方なかった。

麻衣の祖母、私の母が「麻衣は嘘つく、嘘泣きする」と言った時私は母を怒りました。

兄は、お前は麻衣に甘すぎると良く言ってた。

それでも彼女を愛するあまり耳に入らなかった。


麻衣とはよく二人だけで出掛けたり、一緒にお風呂に入ったり、一緒に泣いたり…

私がどんなに頑張っても彼女を変えることは出来なかった。


麻衣の従姉妹のブログ的な所からたまたま麻衣のブログを見つけた時…

本人の目の前で見つけ、見ようとする私を止めて

削除したか書き換えたか「もう見てイイよ」と麻衣が言ったから見てみた…

でも少し見て見るのをやめた。

正直あまり興味がなかったし面白くなかったからだ。

後日そのブログを見たら…

お母さんが私のブログを探し出して見たと…

たまたま見つけたのに。

そして「キモイ ストーカーか」などと書かれていた。

流石にショックだった。

事実ではないし、キモイって…






精神科ー

麻衣がリスカしたり色々あるので一度病院に連れて行った事がある。


精神科医が麻衣に話を聞くのに、お母さんが居た方がいいか居ない方がいいかと聞いた。

本人が居ない方が良いと言うので診察室を後にした。

その後、再度診察室へ呼ばれ異常は無いとの事。

大学病院の精神科医もあてにならないものです。


現在複数の病名があるようです。





嘘の涙ー

お母さんごめんね。

麻衣のせいでXXがこんなになっちゃって。


泣きながら謝る麻衣。


末っ子を障害児にしたことをボロボロ泣いて謝ってた。


私も泣いた。


しかし、


陰では次女に、

あんたがXXを病気にしたんだ。

と言い聞かせていた。

次女はそれを信じ、私がやったと言った。

何でそんな事言うのか聞いたら、

お姉ちゃんがそう言ったと。


私は涙を堪え、それは違うよと話した。






反対からの家出ー


前に書いたネットの彼。

公衆電話からかけてる時も泣いてた。

うちでも時々泣いてた。

そんなに泣かなきゃいけないならやめなとソフトに言ってる頃もあったな。

全力で反対したら隠れて電話。

うちの電話を使い、彼の携帯へ掛けて何万も請求がきた。

請求書がきて気付いたのだから、今止めてもまた次の請求に今日までの使用料がくる。

裕福ではない、むしろ最低限の生活をしいられてる私達。

流石に私も堪忍袋の緒が切れる。

怒りました。

本気ではないものの、手も足も出しました。


それからしばらくして、

麻衣は家出しました。




また嘘ー

家出した麻衣は私から虐待されていると言い、私には秘密で市の世話になっているようです。


虐待とはどの程度を言うのでしょうか。

躾としてゲンコツする事も、おしりを叩く事も虐待でしょうか。


いいえ、私はそうは思っていません。


しかし、

自在に涙を出せる麻衣が涙ながらに言えば信じる人も多いだろう。


何度いっても私や妹たちのお金を盗む子にも絶対に叩いてはいけないのでしょうか。


私は親や教師に殴らた事もあります。

でも、誰も恨んでもいません。

親はもちろん、叩いた教師も好きです。


虐待されていた子供が、休みの度に帰ってきますか?

仕事見つけて、また一人暮らしするように言っても何もせず親元にいますか?


私はこれから一生介護して生きていかなければいけません。


18年間以上一生懸命育ててきた娘ですが、うちを出てもうすぐ2年。

二十歳になりました。


家出しても妹に連絡をとり、妹たちの父親と寝たとか、私の友人と寝たとか、何の得もない嘘を妹に言っていました。

妹たちも姉と父が性的な関係だなんて聞かせれて、とても嫌な思いや辛い思いしてるでしょう。




もう私をストーカーにして虐待する親にして、そして一生介護にして、可愛い末っ子の「ママ」という言葉さえ聞かせて貰えない仕打ち。


本当に疲れました。




私は麻衣をこれから愛せないし許す事も出来ません。



18歳の未成年者のいう事を全て鵜呑みにし、親に秘密で隠す事は罪にならないのでしょうか…


その結果、麻衣はその反対した彼との子を妊娠していて、彼にはおろせと言われている。

麻衣は無理にでも産もうとしているようですが。


市がかくまわなければ、こんな事も起きて無いのではないでしょうか。





しかし彼女も二十歳。



やっと義務からも逃げて良いと思えるようになりました。



さようなら私の娘麻衣。





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