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プロローグ

今朝、某イワークさんに何かをひたすら強いられまくる夢を見ました。こんな急かされた気分で起きるのは初めての事でした。そして、気が付いたらこんな小説書いちゃってました。


関 係 無 い け ど ね !



「はぁ…、はぁ…、はぁ………やっと、見つけた……………此処が、黒竜の巣…!」


時節は初夏。

梅雨の時期特有の激しい雨が降り頻る暗い森の中。旅路に二束三文で買ったテント生地の丈夫な服は、道程の過酷さを物語る様に所々穴が空き、裾は解れてもはやボロ布同然。おまけに三日前から続く長雨の所為でぬかるんだ地面は歩く度に泥を跳ねさせ、ズボンの裾をすっかり汚してしまっている。

森を抜けてきたおいらの恰好は、まるでスラム街の浮浪児のようにみすぼらしい。

しかし、そんな事など今のおいらにはどうでもいい。


歓喜。達成感。栄光。賛美。


頭の中は今、希望に満ちた未来を想起して薔薇色に染まっている。

おいらは遂に、夢の中まで追い求めた旅の目的地、念願の『黒竜の巣』を発見したのだ!



「くぅっ…!苦節十月と16日、大陸中をあちこち駆け回っては空振りを繰り返す事67回、道中幾度も心が折れそうになっても、お嬢様の笑顔を思い浮かべて踏ん張ってきた長く辛い旅もとうとう終わりっス…!お嬢様、旦那様、ドートは遂にやりました…!」


崖にぽっかりと空いた大きな洞窟を前に、おいらは雨に打たれながら無限に込み上げる歓喜に打ち震えて立ち尽くしている。


「ハッ!いけない、いけない。本番はこれからなんスから気を引き締めないと」


そう、ココからが本当の難題。おいらの最終目的はこの洞窟に棲む黒竜が持つ秘宝、『竜珠(りゅうず)』を持ち帰ることなのだ。


…そう、そうだったのだ。


「……そういえば竜の巣を探すのに必死で、黒竜と闘う事は考えてなかったっス…」



ビュウゥゥゥゥゥ………



洞窟の奥から生温い風が吹きぬける。

それはまるで奥に眠る竜の息吹のようで、ぽっかり開いた入り口は口を開けて餌を待ち構える竜を幻視させる。

先程までの興奮の汗は冷や汗に変わり、膝が震えて未だ見ぬ怪物のテリトリーに踏み込む一歩を出すことができない。


―――事情を知らない者から見れば、及び腰になった彼の姿はヘタレと罵倒されても仕方がないほど情けないものである。

しかし、彼が挑む相手を考えれば無理のない話なのだ。


古き文献の記録から測るに、黒竜の存在が人類に最初に確認されたのはおよそ五百年前。目撃証言などから全て同一で唯一の個体であると推察されている。


小山ほどの体躯を包む鱗は黒曜石のように鈍く輝き、いかなる兵器を用いても傷一つ付けることは叶わず、口から吐き出す白炎は一瞬で森を焼き払う。

大きく鋭い爪は分厚い鋼鉄も容易く切り裂き、血のように赤い眼は見るものを恐怖のどん底へと陥れる。

空を覆わんばかりの大きな翼は一扇ぎで百人の軍隊を吹き飛ばし、空を飛竜より速く飛んだという。

残された歴史資料のどこを切り取っても、黒竜の強大さを示すものばかり。中には大国を一夜にして滅ぼしたという逸話まであるほどだ。

その存在は人々に畏怖の対象として後世に語り継がれ、今では黒竜の名は子供の折檻に用いられるほどに知れ渡っている。


正しく、伝説の怪物である。

そんな相手に単身で挑まなければならない彼の胸中は察するに難くない―――――――





「ひぃい…やっぱ怖いっス…!でも、手ぶらで帰ったらお嬢様に何されるか……そっちも同じくらい怖いっス~!」



――――…どうやら彼の雇い主は黒竜に相当するらしい。

ドートは頭を抱えて洞窟の前をうろうろし、大雨に打たれている事も忘れて思考に没頭する。



「う~ん、どうしよう…お嬢様を納得させる言い訳なんて思いつかないし……かといってロックリザードにも勝てないおいらが黒竜になんて勝てるわけ無いし…う~~~ん……でもせっかくここまで来たんスから、何もせずに帰るのも…そうだ、竜の鱗の欠片でも持って帰れば努力したことぐらいは認めて貰えるかも…」


そんな都合の良い展開を模索していた時。


ズルッ!


「ぬをっ!?」


ぬかるんだ地面に足をとられ、おいらは谷底へと落っこちてしまった。

岩が剥き出しの岸壁に何度も体を打ちつけ、錐揉みになりながら人形のように何一つ抵抗できずに落ちていく。

共に落ちる雨粒と飛び散る泥水をコマ送りで見るような感覚。そして、脳裏にフラッシュバックする人生の思い出。あぁ、これが走馬灯というやつなのか、呆気ない最期だなぁ、と不思議なほど冷静に死期を悟り、おいらの意識は遠のいた。











「ゲフッ、コフッ、コフッ、…ヒュー……ヒュー……」


……どうやら落ちる所まで落ちたらしい。もはや痛みも感じない。

ゴメン母ちゃん、もう仕送り出来そうにないや。ゴメン父ちゃん、おいら、母ちゃんより先にそっちに行くよ。

旦那様、誠に勝手ながらお暇を頂きます。申し訳御座いません。お嬢様、………お役に立てなくて申し訳御座いません。


「(…あぁ、神様も意地悪っス。せめて、後悔する暇なく死にたかったっス)」


もう…意識が……



「ありゃあ、兄ちゃん大丈夫か?」

「…?」


誰かに、話しかけられた気がした。

…女の子?

そんなバカな。ここは大の男でも生きて帰るのは難しい魔窟だ。夢に決まっている。


「ちょっと待ってな。今助けたるさかい」

「………だ……れ…?」


再び薄れゆく意識の中おいらが見たのは、妙な喋り方をする『妖精さん』だった。















見切り発車とかいうレベルじゃない。エンジン掛ける前に車体ごとぶん投げてます。

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