FM80.5 PM10:30
さーて、今夜も始まりましたタカハシの深夜子ども相談所。
リスナーからの様々な相談に答えていこうというこの番組。
別にラジオでやる企画でもないと思うのですが、というお便りが毎週十通は届いていますね。
結構へこむのでできればやめてください。
では今夜も早速はじめていきましょう。
まずはラジオネーム『タカハシを殴りたい』さんから。
物騒なラジオネームですね。
お便りを持つ手が今細かに振動していますよ。
『タカハシさんを殴りたいのですが、何所に行ったら殴らせてもらえますか?』
ラジオネームからある程度予測はできていましたが質問もどストレートですね。
もはやここまで来るといっそ清々しい感じすらする気がしますが、いつの間にこんな恨みを買ったのでしょうかね。
えー、質問に対してなのですが、お願いします殴らないでください。
ということで次の質問に行きましょう。
ラジオネーム『奈落』さんから。
凄い名前ですね。十年後にこの名前を思い出して悶えてないといいのですが……。
『タカハシさん、聞いてください僕の友達が大変痛いんです』
あなたも十分痛いですよ。ラジオネームもう一回見直してください。
『いつも右目に眼帯、左手には黒い手袋、迂闊に話しかけようものなら「ふん、貴様らのような昼の眷属が俺に気安く話しかけるな」というセリフが返ってきます』
また、えらく典型的な厨二病ですね、尊敬したくなるレベルですよ。
『で、そんな彼女なのですが――』
女性なのか!!
すいません、取り乱しました。
あまりにも衝撃が大きかったもので、すいません。
『で、そんな彼女なのですが無茶苦茶僕のタイプなんです。
どうやって話しかければお近づきになれますか?』
最終的に恋愛相談か!!
よくここまで持ってきたな。お便り読み始めたときは予想もできなかったよ、そんな着地!!
おや、まだ続きがあるようですね。
『クラスの誰も気づいていませんが、彼女は間違いなくこの世界の人間じゃありません。
僕と同じ第四十六次高度世界から転生した夜の世界の――』
とりあえず、今すぐその彼女に話しかけてこい、絶対話は合うはずだから。
まあ、上手くいったら報告でもください。
さて、次の相談なんですかどうやらスタッフが電話を繋いでくれているようですね、もしもし?
『もしもし、私メリーさん、今あなたの――』
とんでもないものに繋がってる!
ちょっ、スタッフ!
悪戯だよね、あくまでも性質の悪い悪戯だよね!
うん、これ以上は考えない。
次いこう、ラジオネーム『あしたのダンペー』さんから。
ラジオネームから昭和臭がプンプンしていますが、この番組は、あくまで子ども相談所ですよ。
そこら辺を忘れないでください。
『タカハシさん、こんばんは。
毎回ラジオ楽しく拝聴させていただいております』
既に、ティーンの挨拶じゃありませんがとりあえず、続きを読みましょう。
『たび重なる経済危機によりわが社の経営も悪化しております。
どうか、タカハシさまのお力をお貸しいただけないでしょうか』
って質問内容おかしいでしょ、何で、子ども相談所に投稿してきたの!?
僕じゃなくて、別の人に相談してくださいよ。
もはや、一ラジオパーソナリティーが、どうこうできる問題じゃなくね、僕に何を期待してるんですか!
……とりあえずあしたのダンペーさん、辛いときは笑えばいいと思いますよ、はい。
この番組でも聞いて思いっきり笑って明日からもまた頑張ってください。
ではどんどん参りましょう、次のお便り。
おや、これは小学生からの質問のようですね、ラジオネーム『ぽむぽむ』さんから。
『ちきゅうはいつほろびますか?』
重いぃぃぃぃぃぃ!!
ファックスで送られてきた紙の真ん中にぽつんとこれだけ書かれてるから、尚のこと破壊力が凄いよ。
何というか、ぽむぽむさんの身の上に何があったのか逆にこっちが聞きたくなってきた。
ぽむぽむさん、何か苦しいこととか、辛いこととがあったんだったら、むしろそちらを相談してきてください。
さてラジオネーム『†明鏡止水†』さんからの相談。
ってか、明鏡さんはラジオネームに記号入れてますけど、この番組はあくまでもラジオですからね。
そこら辺を忘れないでくださいね。
『本来ならば、貴様のようなこの世界の住人に話すことは禁止されているのだが、今回に限り特例として話すことが許可された』
ツッコみどころが多すぎて、何処からツッコめばいいのか分かりませんよこれ。
『最初に言っておくが、俺はこの世界の人間ではない』
あれ、何ででしょう、今すっごいデジャブを感じましたが。
『この世界から四十六次ほど平行に移動した世界から転生することによりこの世界に辿り着いた存在なのだ』
お前、『奈落』のクラスメイトか! あの凄く痛い女の子なのか!
『普段は、その事を隠して仮初めの生活を送っているのだが、どうやら俺の通っている学校には、俺と同クラスの奴が存在しているようなのだ』
恐らく、奈落さんの事でしょうね、これは。
『奴は、両腕を常に包帯で包み力を封印しているようだが、俺の魔戯眼によれば奴はどうやら双拳の使者の能力を持つ者らしい』
今、確かに日本語を読んでいるはずなのに、意味を一切理解することができないのは何故でしょうか。
そして、やはりというべきか奈落さんも超ド級で痛い子だったようですね。
『そして、奴は昼休みになると突然姿を消すことが多々あるのだ。
どうやら、俺の魔戯眼を持ってしても確認することができないような場所で何やら戦いが繰り広げているらしい。
確かに、俺の魔戯眼は時間や魔力の流れを目視するための能力で、千里眼のようなことには長けてはいないのだが、あれ程の傷を負う戦闘を見逃すはずはないのだが……。』
うん、恐らくその戦いは魔力関係ないです、体育館裏でフルボッコにされてるだけです。
なるべく早く先生に連絡しましょう。
間違っても、契約している魔獣を使ってことを解決しようとか思わないでくださいね。
『これは、新たな魔法戦争の予兆なのだろうか?』
多分違いますね。
『そして、もし万が一にも魔法戦争が始まった場合、俺は奴と契約を結び戦争に身を興じることになるだろう。
しかし、そうなると俺は奴と行動を共にしなければならなくなるのだが、俺は生憎そのような経験をしたことがない。
どのようにして奴に接すれば良いのだろうか?』
何でお前も、最終的にそこに到着するんだよ!!
流行ってるのか!
厨二風の文章で恋愛の相談をするのが流行ってるのか!
はぁ、まあ時間をかけてもいいから二人で一緒にいることにゆっくり慣れていけばいいんじゃないですか。
最初は緊張するかもしれませんが、恐らくそれは相手の方も一緒だと思いますよ。
では、末永くお二人で世界を守ってくださいね。
おや、そろそろエンディングの時間のようですね。
この番組ではリスナーの皆様からの質問、相談を二十四時間受け付けています。
どんな突拍子も無いような質問でも誠意を持ってお答えします、と台本には書いてありますがなるべく常識的な内容にしてください。
毎回毎回凄まじい内容のものしか届いてない気がしますが何故でしょうかね……。
メッセージの宛先です。
ファックスは×××‐×××‐××××。
eメールの方はwww.takahasiradio@×fm.co.jpまで。
×FMのホームページからも質問は受け付けていますのでドシドシ送ってください。
ここまでのお相手はタカハシでした。
では、また明日。