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武器召喚授業

 文才が無くてごめんなさい…


      1



 今日はAクラスと合同で武器召喚授業を行う事になったようだ。

 だから僕は登校してすぐ闘技場に向かった。


「おっ、早かったな。お前が一番だぞ」


「……君のおかげで驚かされたけどね」


「ん、何でだ?」


 本気で言っているのかこの人は…。


「あのねぇ、何の連絡も受けていないのに学校に来たら黒板に“今日は武器召喚授業だから八時十五分までに闘技場に来い”と書いてあって驚かない訳無いだろ」


「ハハハ、でも、お前は間に合っているから良いんじゃね?」


「……多分他の人達は遅れると思うよ。何時も教室に来る時間が八時二十分位だからね」


「………マジか?」


「マジだよ」


 おや、先生が大量の汗をかきだしたぞ。どうしたんだ?


「ヤベェ、あいつ等が遅刻したら…」


「遅刻したら?」


「減給になるだろうがぁあああああ!!!」


「…それは君の責任だろ。彼等は悪くないよ」


 全く、ちゃんと連絡をして置けば良いのに。


「クソッ、あいつ等遅れでもしたら反省文五十枚くらい書かせてやる」


 うわ~、最低だ~。


「フッ、そんな事したら君の頭を開いて直接脳を掻き回してあげるよ」


「……お前、本気で怖いぞ」


「それよりも手足を潰して抵抗できないようにして、生きたまま口の中にパイプを突っ込み胃袋に直接寄生虫を入れてあげようか?」

「減給で良いです」


 先生はかなりの速さでそう答えた。

 そんなに嫌なのかな?まぁ、冗談だけど……多分。

 そんなやり取りをしていると八時十五分になった。Aクラスの人達はもう全員そろった様だ。しかし、Sクラスは僕しかいない。


「シンヤ先生、もう八時十五分になりましたけどSクラスは…」


「全く、しょうがないや――」

「すみません先生、昨日この馬鹿が連絡し忘れていまして今日の授業が武器召喚授業だとは知らないんですよ。ね、せ ん せ い」

「――はい」


「そうでしたか。シンヤ先生、この事はちゃんと校長に伝えておきますから」


「そっそれだけは…」


 ハァ、何をやっているんだか。

 そんな事を思っていると、一人の生徒がこちらに近づいてきた。


「ハッハッハ、Sクラスとあろうものが遅刻なんて……君たちにはSクラスが勿体無いんじゃないかい? 落ちこぼれクン」


「君は………………誰だっけ?」

 ズルッ

 僕以外の全員がこけた。


「この俺を忘れるだと!? フッ、まァ良いだろう。俺の名前はギルフォード・アベンジャー、ご存じ、アベンジャー家の後継者だよ」


「……あぁ、思い出した。あのクソ貴族野郎か。確か、実技は良い成績を出しているみたいだけど、筆記の方は毎回最下位争いをしている(笑)」


 そうだそうだ、こいつは良く僕を落ちこぼれって言っていた奴だ。


「余計な事は思い出すな!!」


「ハァ、だったら話しかけないでくれないか? と言うより視界に入ってこないでくれないか? 君を視界に入れると言う行為は、僕の中では鳥肌ものだからね」


「な、貴様、僕を誰だと思っている!!」


「う~ん、親の脛かじり、七光の馬鹿、何かと家柄を持ちだす実力のないクズ、だね」


「き、貴様!

 雷属性初級魔法<ボルトランス>」


 雷の槍か……でも、初級魔法じゃ僕の障壁を破る事は無理だね。


「死ね!」


 ギルフォードは僕に向かって槍を投げた。

 硝子が割れるような音が響き、雷の槍が砕け散る。


「なっ、何だと!?」


「ハァ…、この程度の攻撃で僕を倒そうってのが間違いなんですよ」


 僕たちは睨みあう。


「二人とも、や――」

「はいはい、止めんかお前達」


 シンヤ先生が、もう一人の先生を遮って中断に入った。


「全く…カオル、お前も挑発するんじゃない。君も、魔法を使っていいと思っているのか?」


「クッ、だがそいつが僕の事を馬鹿にしたから悪いんだ!」


「ハァ…、良いかギルフォード。お前の魔法じゃこいつの障壁は破れない」


「な、何だと! 僕を馬鹿にしているのか!」


 ギルフォードはキレたように怒鳴る。

 

「あのな、俺が最上級魔法を使っても破れなかった障壁を、一生徒がそれも初級魔法で破るなんて不可能に近い」


 先生がそう言う。すると僕とシンヤ先生以外の人達が僕の方を見た。

 ハァ、僕はこう言うのは嫌いなんだけどね。

 そんな事を思っていると、闘技場の扉が開いた。


「「「「「………」」」」」


「お、お前等遅いじゃないか。もう二十分だぞ」


「「「「「…………死ね!!!!!」」」」」

 五人の蹴りが、シンヤ先生に直撃した。鈍い音が闘技場に響く。

「ゴメワラス!?」

 奇声を上げ飛んでいく先生。気持ち悪い。


「お前等…。教師を蹴るとは良い――」

「先生?」

「――ナンデモナイデス」


 僕がちょっと笑顔を見せると反論しなくなる。良い傾向だ。


「カオル、お前もう来てたのか。と言うより先生に何をしたんだ?」


 シンがそう聞いて来る。


「そうだね。一寸ばかし脅……じゃなくてお話ししただけだよ」


 僕がそう答える。

 あれ、何でだろう。皆が苦笑している。


「ハァ、もう良い。時間になっているんだ。授業を開始するぞ」


 先生の一言、するとAクラスとSクラスの全員が先生の方を見た。


「じゃあまず、武器召喚に付いて……カオル、説明しろ!」


「ハァ、仕方ないね」


 僕はため息をつきながらその場で話し始めた。

 

「武器召喚とは、主に武器を召喚する事を指す。別名で武器生成。しかし何故武器召喚と呼ばれているかと言うと昔、拾貳騎士団の団長が国王から神具、魔具、聖具を召喚したことから言われるようになった。


 しかし何故国王から授かったと言われているかと言うと、元々王国に保管してあった武器だったからである。その事から稀に途轍もない武器を召喚する人もいる。例えば、今から約三百年前、東の国の工藤くどう 源三郎げんざぶろうが妖刀・村正を召喚したという事例がある。他にも西の国のシルヴァ・セイリングスが王剣・デュランダルを召喚、南の国のサリム・フレイシアが崩剣・骨喰藤四朗ほねばみとうしろうを召喚。北の国ではイグニス・レイファーンが天守・カフヴァールを召喚したとされている。


 しかし、多くの人間は自分に合った武器を生成すると言う形になる。そのため、武器生成とも言われている。この武器生成で作られた武器は魔武器と呼ばれ、能力が付いている。

 だが、武器召喚はその武器の元々の能力と、自分に合った能力の二つが付けられる。


 最初は自分に合った能力しか使えない。武器を召喚した時点で第一解放、そして、武器の元々の能力を発動できるようになった時第二次解放と呼ばれる。さらに、その武器の真の力を発揮できるようになった時を幻壊解放と呼ばれる。

 幻壊解放を出来たのは千年前の拾貳騎士団の壹番隊団長と參番隊団長、肆番隊団長と玖番隊団長、そして拾貳番隊団長しか出来なかったと言われている。


以上で良いかい?」


「あぁ、上出来だ。ちなみにこの学園の先輩の雪波 鈴は神具・布都御魂を召喚しているぞ。頑張ればお前達も神具とかが出せるかもな」


 先生がそう言う。


「じゃあこの、召喚生成石を取りに来てください」


 Aクラスの先生が石を見せて全員に言う。するとAクラスの人達は、我先にと言わん感じで突っ込んでいった。


「うわっ、醜いですね」


「本当だな」


「何でそない急ぐんか…、いまのうちには理解できひん」


「バカ……だから?」


「バカなんでしょうね」


 四人からは酷い意見が出ている。


「みっ皆さんそんなこと言っちゃダメです! たとえ醜い争いをしているどうしようもないクズ共だったとしてもそれは言っちゃダメです!!」


 ハッキリとそう言った。

 ミリア、君の意見が一番酷いと思うよ。

 今この場に居る全員が思った事である。しかし口には出さない。後が怖いから。

 そんなやり取りをしていると、人だかりが小さくなったので僕達も石を取りに行く事にした。


「おっ、お前達が最後か。ほれ、これが召喚生成石だ」


 僕達は先生の投げた石をキャッチし、元居た場所に戻った。


「じゃあ、誰から始める?」


 アリアの一言。するとシンが――

「全員一緒にやって後で見せ合おう」

――と言った。そして僕達は別々に武器召喚を開始した。



      2



「さてと、武器召喚をしろとの事……難しいねぇ」


 僕はどうしたらいいか分からず悩んだ。一応、やり方は知っているのだが、魔法陣を書くのが面倒、と言う訳で別のやり方にしようとしている。


「そうだ!」


 良い事を思いついたぞ。え~と、ナイフを出して――

「ッ…、少し痛いね」

 僕は指の先を斬った。そして出てきた血を石に垂らす。

 その瞬間、光が辺りを包んだ。


「ん、此処は何処かな?」


 僕は一面真っ黒な空間に一人たたずんでいる。

 さっきまで闘技場に居たはずだが…。


「まぁ、気にしたら負けと言う事にしておこう」


 僕はそう呟き、辺りを散策する。すると一つの懐中時計が宙に浮いていた。僕はそれを手に取り、蓋を開ける。

 そこには子から亥まで書かれた時計があらわになる。しかし、丑以外の文字は全て黒色。丑のみが白色だった。


「? 何だこれ?」


 僕がそう呟く。すると、頭の中に声が響く。


(汝、十二の魔王を手にする資格のある者

 人でありながら、魔王を扱える者

 魔王を手にし、汝は何を望む?)


 恐らく、この懐中時計からだろう。

 僕が何を望むか?


「何を望むか……そうだね、強いて言えば平穏かな?」


(その気になれば、世界を制することのできる力だぞ)


「世界を制する? フンッ、そんな面倒な事、こっちから願い下げだよ」


 思ったままの事を言う。世界を制する? 何故僕がそんな事をしなければならないんだ! キツイ、ダルイ、メンドクサイ。略してKDM。


(…お前は面白い

 良いだろう! 我を手に取れ!

 そして我を扱え!

 今はまだ一つの魔王しか扱えないが、いずれ使える時が来るだろう!

 全ての魔王の力を! 汝ならな!)


 その瞬間、辺りの空間が弾け、景色が闘技場に戻る。


「………これが、僕の武器……魔王十二刀まおうじゅうにがたな



      3



「皆終わった?」


 シンがそう尋ねる。僕を含めて全員がその問いに頷く。するとシンは何処からともなく巨大な剣を取りだした。

 皆もそれに続く様に、それぞれ武器を取りだしていく。僕は懐中時計。かなり浮いている。


「じゃあまず俺からな。俺はこの“神剣・エクスカリバー”が出てきたぜ。能力は太陽光を集め、獄炎を作る事だ」


 ほぅ、神具が出てくるとは…。とんでもないな。しかも十二騎士団創設時の一番隊騎士団長が使っていた武器を召喚するとは………流石、当時の一番隊隊長の子孫と言ったところだ。

 シンの持つ剣は、全長約二メートル、幅が約五十センチの大剣が握られていた。


「重くはないのか?」


 僕はそう問う。するとシンは首を横に振る。


「それが、全く重さを感じないんだ。ほら、持ってみろよ」


 そう言いシンは剣を僕に渡す。しかし――

「ウワッ、メチャクチャ重い…」

 剣の重さは大凡だが四十キロ位。しかし、柄の部分を持つと更にその倍近く感じる。


「ヤッパリ、自分に合った武器が出てくるようだね」


 僕がそう言うと、シンはフゥンと頷きながら、エクスカリバーを手に取る。


「じゃあ、次はうちや! うちのはスゴイで…何とこの“神杖・ケルキオン”や! 能力は詠唱破棄と魔法強化や」


 詠唱破棄はかなりデカイ。後方援護攻撃を得意とするカナは、基本的に詠唱の長い超攻撃特化型魔法を良く使用する。そのため、詠唱を破棄した場合それをほぼノータイムで発動してくると言う事である。

 さらに魔法強化まで付くと言うと………ある意味最強の武器を手にしているのかもしれない。

 皆は同じような事を思っているのか、ポカーンとした表情になっている。


「ハハハ……カナのは凄いな…」


 僕は苦笑しながらそう呟いた。


「レナ、次良いかい?」


 僕がそう問うと、レナは頷き銃を取りだした。


「レナのは……この“ファートゥム”…。……能力は…魔弾生成…と……魔弾射撃…と………形状変化…の……三つ」


 レナはそう言い全長三十センチ程の二挺拳銃を取りだした。


「魔弾?」


 僕は気になる単語に質問を入れた。


「……(コクッ)。例えば…撃った後に……銃弾を…操作したり」


 成程………。カナもそうだったが、何でこんなに凶悪な武器が出てくるんだ。


「じゃあ、次は私ね。私のはこの“魔槍・ゲイボルグ”よ。能力は突いたら三十の棘となって突いたモノを破壊し、投げれば三十の鏃となって相手を襲うわ」


 ほぅ、これもまたすばらしい物だな。そして突いたモノを中から破壊する能力や投げれば広範囲の攻撃が出来る能力……はぁ…、もうチートバンザイ!

 僕は自分のキャラが分からなくなってきた。


「それでは私の番ですね。私のはこの“神弓・アポロン”です。能力は光を使って矢を作る事です」


 光での矢の生成。つまり光がある限りは無限に矢を放ち続ける事が出来ると言う事。何とも素晴らしい! 惚れぼれする位のチート! あぁ、良い武器を出すのは難しいと思っていた自分が馬鹿みたいだ!

 僕がそんな事を思っていると、全員がこっちを見る。あぁ、僕だけまだ言ってないな。


「僕の武器はこの、魔王十二刀だ。えっと……斬殺、“斬王・紙”!」


 僕がそう言うと、丑の字が消え一本の野太刀が現れる。


「このように十二本の刀を取りだす事が出来る能力。そして、その刀一本一本に能力がある。まぁまだこの斬王・紙しか使えないけど」


「全部に能力があるって……規格外も良い所だなおい…」


 シンがウワァと言う視線を送ってくる。しかし、君達にだけは言われたくない。


「その言葉をソックリそのままお返しするよ」


 僕がそう呟くと、全員クスリと笑い先生の場所に向かった。


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