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模擬戦

 今回は発見した前回のデータを殆どそのままで投稿しました。


      1



「ふざけんなぁああああ!!」


 ハァ!? 何この人、頭がおかしいのかい? 今の僕には理解できない。と言うより理解したくない! 五対一、絶対に無理だね。


「五月蠅いぞ、カオル。早く構えろ」


「いやいや、ちょっと待て。何で僕が一人なんだい?」


 普通に考えておかしい。何を考えているのか…。


「いや、ただ単にお前が強いから」


「……何で君は教師をやっているんだい? と言うより、よく教員免許を取れたね。世も末ってやつかな」


 僕はため息をつきながらシンヤにそう言う。


「おいっ、どう言う意味だ!」


「そのままの意味だよ。全く、君の様な人間が教師になるなんて………」


 僕は哀しい者を見る目で彼を見る。


「おいコラ、なんちゅう目で俺を見てるんだ。仮にも教師だぞ」


「はいはい、わかりましたよ。教師(仮)さん」


「(仮)はいらん!」


 彼が何か言っているようだが、あえて無視させてもらった。そして五人と向きあう。


「カオル、例えお前が一人だろうが全力で行くからな」


「せやで、手はぬかへんで」


 シンとカナはやる気が十分なようだ。


「カオル…気絶させて………クスッ」


 …レナが怖い。何だろう、本能的に気絶したら不味いと言っている。


「全力で叩き潰すわ。容赦しないんだから!」


 アリア、容赦はしてくれた方がうれしいな……。


「カオル君に勝つ……カオル君が気絶…監禁…調教……私の物……フフフ」


 ミリアはレナよりもヤバい気がする。負けられないなこれは…、と言うより負けたら絶対にヤバいね、うん、絶対に勝とう。

 僕はそう思い、闘技場の隅に置いてある野太刀を持った。刃は潰されている。恐らく模擬戦用の野太刀だろう。シン達も、自分の得意な武器を手に持つ。全部、刃が潰されている。レナの銃はゴム弾になっている。相手も本気だろう、だから僕も本気で行こう。


「よし全員武器を取ったな。なら始めるぞ…………始め!」


 先生の合図で五人が一斉に動きだす。


「喰らえ!」

 シンの大剣が僕の障壁にぶつかる。辺りにキーンと言う、高い音が響く。しかしシンは止まらず物凄い連撃をしてくる。


「うりゃぁあああああ!!!」

 音が何回も響く。シンの連撃で身動きが取れない。その隙をついて、レナが詠唱を始める。


「地獄に住し…炎の覇王……今こそ…力を貸して! 

 契約召霊<イフリート>」

 ズガンッ

 レナの前に炎の塊が落ち、爆発した。そしてその中から、真っ赤なドラゴンが現れた。


「イフリート……彼に…攻撃」


 レナの一言でドラゴン……イフリートは頷き、僕に突っ込んできた。

 鼓膜が破れるかと思う位大きな音を出し爆発を起こした。僕はそれを障壁で防ぐ。


「イフリート………ボルカニックブレイズ…発動」


 レナの言葉でイフリートは口の中に炎を溜める。そして――

 ――ドガァン――

 ――イフリートの一撃は僕の障壁に直撃し、大爆発を起こした。


「まだや、追撃やで!

 土属性上級魔法<ロックブレイク>」


 カナは詠唱を終えた魔法を唱え、僕に攻撃した。

 地面が砕け、僕の足元から巨大な岩が出てきた。僕は間一髪のところで避ける。すると岩は砕け散った。


「今やアリア!」


「わかってる!

 炎属性中級魔法<ミニ・エクスプロージョン>」


 アリアが魔法を唱える。


「・・・・まさか!?」


「気付いたか、しかし遅すぎやで!!」


 カナがそう言った。二人は粉塵爆発を狙ったのだ。咄嗟に僕は障壁を張り出したが少し遅かった。

 再び大きな爆発音が闘技場にこだまする。


「クッ…きついね」


 僕は結構大きなダメージを受けたようだ。障壁は展開出来たモノの、爆風により吹き飛ばされてきた物を一部弾けなかった。


「…今ので終わらないなんて……凄いわね」


「褒め言葉として受け取っておくよ。じゃあ、僕も攻撃と行こうか」


 僕は構えを取る。するとミリアが――


「皆さん、気を付けてくださいです! あれが来ます!!」


 野太刀を持ったからといって構えは一緒、ミリアは僕の構えを見て技を察知する。ミリアの一言で全員が自分の構えを取る。しかし、普段から基本的に魔法でしか戦ってきていないから、構えには少し隙があり簡単に崩せる。だから僕は――


「――さぁ、いくよ! 八獄等活・屎泥処!」


 今度は野太刀で皆の中心を薙ぐ。そこに拒絶の障壁が展開され、皆が吹き飛ばされる。


「あまかったね! 僕は魔法が使えないと思っていた分、武術だけは鍛えていたんでね!」


 僕は吹き飛ばされた皆に追撃を掛ける。どんなに弱い力でも、拒絶の力が付けばその倍以上の効果が期待できる。さらに、対物理障壁を展開しようが障壁自身は魔法に部類されるので意味がない。


「さ て と……終わりだよ!!」


 僕は最後の攻撃だと言わんばかりに、五人に技を放った。

 五人はもう攻撃を防ぎきる力は無かった。レナはかろうじてイフリートを出しているが、限界が近いのは目に見えていた。


「カオル…強すぎ」


「ハハ…、まぁこれが僕の力だよ」


 僕はそう言うと、再び野太刀を薙いだ。五人は吹き飛ばされ地面に叩きつけられる。もうこれ以上やる必要はないだろう。


「はぁ、終わりましたよ先生」


 僕はそう言い、先生の方を見る。すると彼はニヤニヤしていた。


「なんだいその目は」


「いや、まだ終わってないからな」


 どう言う事だ……まさか!?

 僕はそう思い後ろを振り返る、するとそこにはギリギリと言う感じで立っているシンの姿があった。


「はぁ…はぁ…はぁ……、滅茶苦茶じゃないかお前の攻撃は」


「貴方以外は全員気絶、正直そのまま倒れている方がよかったのでは?」


 僕はシンにそう言う。既に満身創痍のシン。立っているのがやっとだろう。

 

「フッ、彼女を前にして倒れてその場をやり過ごすなんてできないな」


「成程、その考えは好きだよ。でも」


 僕は野太刀を構えた。


「じゃあその敬意を表して…一瞬で終わらせるよ」


 僕は拒絶の力を野太刀に纏わせ、本気で野太刀を振るった。

 ドゴッ

 野太刀はシンの腹に当たった。多少障壁を張ったようだが、拒絶の力によりほぼ無効化され野太刀が直撃した。そしてシンは力なく倒れた。


「はぁ、何か無駄に疲れたよ」


「そうか、今日の授業はこれだけだから帰っていいぞ」


 僕はそう言われたので闘技場を出て行った。


「……拒絶の力か、創造や時空よりもはるかに強い…全く、昨日覚醒したのにもう殆ど使いこなすなんて……どんな練習をしてんだあいつは」


 先生がそう呟いた。しかし、その呟きは僕に聞こえる事は無かった。



      2



 次の日

 僕は昨日模擬戦で勝った事、そして一人で帰った事を猛烈に後悔した。


「フフフ、カオル君、貴方があんなに強いなんて感激です。でも、昨日一人で帰った事は感心できないです。だから…お仕置きが必要ですね…フフ……フフフ」


「カオル…凄過ぎ……レナじゃ……勝てない…………でも……守ってもらうのも…良いかも……後レナも…一人で帰った事は……許さない…だから……お仕置き」


 何なんだ、ミリアもレナも……二人は僕の腕に抱きついて離れない。そのせいで顔を真っ赤にする僕。


「ちょっとカオル! 二人から離れなさいよ!!」


「…アリア、僕が抱きついているように見える?」


 僕はアリアに何言ってんの的な感じでそう言った。しかしアリアは…。


「あんたが其処に居るのが悪いんでしょうが!!」


 んな滅茶苦茶な……理不尽すぎるよ。僕だって、気絶するかしないかの瀬戸際にいるのに…。

 僕がそんな事を思っていると、僕の腕に抱きついている二人が突然立ち上がり、僕を引っ張り出した。


「ちょっとお二人さん…何処に行くんだい?」


 僕が二人に聞く。しかし二人は笑うだけ、行く先は教えてくれなかった。


「あの、何をする気な――」

「――大丈夫カオル君、貴方は何もしなくて良いですので――」

「――…えっ?」


「そう…カオルは…動かなくて良い……」

 

 何が言いたいんだ…?


「安心して下さい。ただ、気持ちのいい事をするだけですから」


「ゑ…」


「痛いのは……レナ達…だけ」


 うん、何となくわかってきた。


「ちょっとお二人さん……そう言う事はだ――」

「「――何か?――」」

「――ナンデモナイデス」


 二人の顔を見た瞬間僕は、言葉を訂正してしまった。だって、後ろに阿修羅が居るんだよ。断れるそんな状況で?絶対に無理だって。だから誰か…助けてくれ!! 僕がそう思う。


「ちょっと二人とも何言ってんのよ!」


 アリア……君、最高だよ。

 僕はアリアの一言に凄く感謝した。しかし、次の瞬間その感謝の心は崩れ去った。


「するなら私も一緒よ!」


 …………ハァ!?


「いやいやいや、そこは止めるべきだと思うよ!!」


 僕がそう言うと、アリアは僕の方を見てこう言った。


「初めてだから、優しくしなさいよ」


 と一言。終わった…僕の魔法使いになると言う夢が……あれ、僕もう魔法使いだよね?何で三十歳で魔法使いなんだ?

 まぁ、それは置いといて――


「――シン、カナ、助けて!」


 僕が二人に言う。ちょ、二人とも、なんだその笑顔は、そして無言で手を振るな。

 僕がそう思うも、二人は助けてはくれなかった。

 そんな、最後の希望が……もう誰でも良い。だから誰か――


「――助けてくれぇええええええええ!!!」


 その後、カオルの姿を見た者はいない。


「「「ウフフフフ…」」」


「イヤァアアアアアアア!!」


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