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出会い

 今日の朝から一五時くらいまで、復元ソフトを使って前回のデータを復元することに成功しました。



      1



「良い天気……」


 今日の天気は雲ひとつない晴れ。


「……最悪…」


 日光が嫌いな僕はこう言った晴れの日は好きじゃない。しかし学校に行くためには日光に当たらなければいけない。


「………はぁ…、行くとしますか」


 溜め息をつきながら登校を始める。日の光で道路の所々がキラキラと光り眩しく感じる今日この頃。と言う事でどうも皆さんおはようございます、カオルです。

 突然ですが、学校に行くのは嫌だと言う日はありませんか? 恐らく、誰もが一回は思った事があるでしょう。今日の僕がそれです。と言うより、僕は毎日これです。

 学校が面倒だ。行くのが嫌だ。だって、魔法が使えないんだもん! これが昨日までの僕。しかし今日の場合は、学校に行くまで日光に当たるのが嫌だ。だって、眩しいもん! これが今日の僕。魔法の一件に関しては、昨日僕が防御魔法を使えると言う事がわかったから良いとして、日光の問題はどうする事も出来ない。

 太陽を破壊すればいいのか? しかしそんな事は不可能だし、出来たとしてもやることはないだろう。


「熱い、眩しい、面倒くさい…」


 ブツブツ文句を言いながら登校する僕。目標は皆勤賞。でも、さっそく妥協しそうだ。

 そんな事を思いながら学校まである道をゆっくりと歩いていく。


「なぁなぁ、俺達と一緒にこねぇかグハハハハ」

「そうだぜぇ、良い事してやるぜぇグヘヘヘ」


 ………朝からナンパか。何処かの誰かがナンパはこの国の文化だとか叫んでいたが、是非否定していただきたい。今まで文化を伝承してきた人たちに土下座をして。


「嫌だっていってるでしょ!」

「私達学校があるんです…」


「良いじゃねぇか」


 そう言って男が一人の女子の腕を掴む。うわ、最悪ですね。ナンパもそうですが、無理やり連れて行こうとするなんて………この国も落ちましたね…。


「良いから来いよ!!」


「触らないで!!」

パチンッ

一人の女子が男を叩く。うわぁ、絶対にあいつらキレたよ。


「このクソアマ! 黙ってついてくりゃ良いんだよ!!」

グイッ

「グヘヘ、お前もだよ!」

「キャア!」


そう言って男は二人の手を思いっきり引いた。男は魔法学科には少ない、しかし入ってくる奴等は大概強い力を持っているから彼女たちでは太刀打ちできないのだろう。


「はぁ…、助けるか」


 全く、最近の若いもんは…。

 年寄りの様な事を思いながら、四人に近づく。


「止めなよ。朝から見っとも無い」


 僕はそう言って男の腕を掴む。ん? この女子二人、よく見ればクラスにいた二人か。


「誰だテメェ!」


 ウワッ、睨んできたし。やっぱ慣れない事をしない方が良かったかな?


「僕かい? 僕はその二人のクラスメートさ」


「クラスメートだ? お前この人が誰だか分かってんのか!」


 ……該当する人物は記憶にない。なら誰なんだ? 知らない奴の事を使って脅されても、全く怖くない。


「あぁ、お前田中か! よぉ田中!」


 とりあえず知っているふりをする。


「田中じゃねぇよ!」


 失敗……なら誰なんだ?


「このお方は中村さんだぞゴラァ!」


 ………選択ミスったみたいだな。いやぁ、田中と中村で迷ったんだが、結局田中にしたんだよな。


「あぁ、そうですか。で、その中島さんがどうしたんで?」


「中村だよ!」


 まぁ、こんな馬鹿な事をしている暇はないな。


「彼女たちを話したらどうだい佐藤さん」


「だから中村っつってんだろ! それに、この女が俺を叩いたんだ。正当防衛だね」


 拉致は正当防衛に入らないと思うが……。まぁ良いや。


「そうだぜグヘヘヘヘ」


「なっそれは貴方達が無理やり」


「そうです。アミは悪くないです!」


 二人がそう言って反論する。まぁ、一部始終見ていたから分かっているのだが。


「そうか、なら仕方がないですね」


「ヒッヒッヒ、そうだぜ仕方のない事なんだぜ」


 男は笑いながら、女子二人は軽蔑する様な目を向ける。


「まぁ、そう言う事だから部外者はどっかに行け!」


 男はそう言って僕を追い出そうとする。しかし、此処からが僕のターン!


「え? 何でどっか行かなきゃいけないんですか? いつ僕が見逃すって言いましたか? え、馬鹿なの? 死ぬの? 見逃す訳無いでしょ、このロリコン」


 そこまで言うかと言う位言い続ける。年下をナンパし無理やり連れて行こうとするやつは、ボクの基準では問答無用でロリコンなのだ。

 僕がそのセリフを言うと、男はキレ殴りかかってくる。しかし――


「――グァアアアア!!!」


 僕の絶対拒絶型の魔法障壁がそれを許さない。


「残念でした。フヒヒ、ワロスワロス」


 殴りかかって来た男を見下しながら笑う。するともう一人の男が魔法を発動させる。


「テッテメェ! <土の槍>!」


 土で出来た槍が飛ばされる。しかし、僕の障壁の前では泥団子も同然。槍は障壁により全て防がれる。


「な!? 何をしやがった!」


「さぁ? 何でしょうね?」


 そう言って男に近づき、僕は男であればどんな人でも致命的ダメージを受けるある部分を蹴りあげた。


「~~~ッ!?!?!?」


 男は口で言い表せない痛みに悶える。それを見ていた回りの男子生徒達も、顔を青くし同じ部分を抑える。


「さてと、行くとするかね」


 僕は学校に向かって再び歩き出す。


「待って!」

「待ってください!」


「ん?」


 僕はナンパされていた二人の女子生徒に呼びとめられる。


「あ、ありがとう」

「ありがとうございました。助かりました」


 そう言ってお礼を言ってくる二人。うん、素直で良い子だな。


「いや、なに。朝から気分を害された腹いせみたいなものだから、気にしなくて良いよ。じゃあ僕は先に行くから」


 僕はそう言って走ってその場から去った。



      2



「何でこうなった…」


「さぁ? お前の運命だろ」


 僕は自分の置かれている状況を冷静に分析して、そう呟いた。一人の男子がそれを聞き、返事を返す。


「………厨二病?」

「誰がだ!」


 男子はそれを聞き、失礼だろこの野郎! みたいな感じで言い返す。


「いや、君以外にいないだろ」

「五月蠅いわ!」


 まぁ、こんな漫才みたいな事は置いといて、何故僕の席が移動しているんだ?


「僕の席は窓際の一番後ろのハズなのに……」


 ボソッと呟く。まぁ、元に戻せば良いか。そんな事を思っていると、一人の女子が話しかけてくる。


「うちがゆるさへんねん。後ろに一人でおる事を」


 独特な口調の女子がそう言う。あぁ、彼女が机を移動したのか。まぁ、どうでもいいや。


「なら、此処で良いや」


「うん、それが一番やで」


 満足そうに頷く。さて、此処からが重要だ。僕は今までこの事実に目をそむけてきた。恐らく、前向きに向き合えば僕は気絶する可能性があるからだ。


「ななな、何できき君は僕の膝の上に座っているのかななな?」


 女子に耐性のない僕が、膝の上に女子が座っている事実を見て平気な訳がない。声が震えているのが自分でもわかる。


「……此処が………気に入った…から?」


 疑問形……いやいや、それで返されてもねぇ…。


「僕に聞かれても…ねぇ?」


 目を若干そらしながらそう言う僕。そう言えば、さっきの二人もこのクラス何だよな。と言う事はこのクラスの女子レベル高すぎるだろ!

 顔を真っ赤にしながら、そう思う僕。まぁとりあえず――


「――退いてもらえる――」

「――ヤ」


 即答ですか…。これはいろんな意味で不味いかも。僕の精神的な意味でも、肉体的な意味でも。


「カオル、顔が赤いで」


 ニヤニヤしながらそう言われる。分かっていますよ! 自分でも自分の顔が赤くなっている事くらい。


「仕方ないじゃないか……。今まで異性と喋った事なんて、殆どないんだから…」


 僕は俯きながらそう言った。恐らく、顔はこれ以上にない位真っ赤だろう。

 そんな僕をよそに、笑いだす三人。


「アッハッハッハッハ、お前面白いな」


「ホンマや、此処まで笑ったの久々やで」


「……クスッ」


「笑わないでくれないか? と言うより、貴方が僕の上に座っているのが原因だよ。何笑っているんだい!」


 此処まで馬鹿にされたのは久しぶり………でもないな。ついこないだまで、魔法が使えないって事で馬鹿にされてきたし…。

 そんな僕の心の叫びは聞こえるはずもなく、笑い続ける三人。

 暫くすると教室のドアが開く。


「おはよう……って、何やってんのよあんた達!」

「おはようございます……って、何やっているんですか二人とも!」


 朝会った二人が驚いたようにそう言った。まぁ、無理もない様な…。


「いや、何って言われても……」


「言われても…じゃないわよ!」


「そうですよ! と言うよりレナちゃんもシンフォニー君から離れてください!」


「……ヤ!」


 さっきより強く言って、更に抱きついて来る。ヤバいヤバいヤバいヤバい! もう限界が近い! このままだと意識が飛ぶ!

 此処からは、カオルの脳内会議の現場です。


「ダメです! このままでは本体が持ちません!」


「諦めるな! まだ何か、まだ何か手はある筈だ!」


「羞恥心が七〇パーセントを上回りました! ダメです、レットゾーンに突入です!」


「不味い、このままでは暴走するぞ!」


「仕方ない、最終手段を使うしか……よし、気絶信号を送れ!」


「信号拒絶! ダメです、我々からの捜査は不能です!」


「何だと!」


 ハッ!? 僕は一体何を……いかんいかん、軽く意識が飛んでいた。と言うより――


「――レナって名前だったんだ…」


 僕の一言でクラスの空気が凍りつく。


「………自分、知らんかったのか?」


 まさかと言う感じで聞いて来る。僕はそれに頷く。


「まぁ、自己紹介の時寝ていたし…」


 僕の一言で皆がポカーンとした。そして呆れたような表情になる。


「そう言えばそうだったな………なら改めて、俺の名前はシン・ステファニーだ。障壁破壊前衛型だ。使う武器は大剣。よろしく。シンと呼んでくれ」


「はぁ…、自己紹介寝てるって……どう言う神経してるんや。まぁええわ。うちの名前はカナ・クロイツン。拡散重視中衛型と大型魔法用後衛型の両方やで。使う武器は杖、よろしく頼むでぇ。呼ぶ時はカナでええで」


 二人の自己紹介が終わる。すると下からつつかれる。


「レナ……レナ・Y・アストレイ。……召喚魔法。………武器…銃。よろ…。呼ぶ時は……レナ…」


「は、はい。よろしくお願いします」


 若干緊張しながらそう言う。と言うより、いい加減退いてくれないかな? それはさておき、僕達の視線は残った二人に向けられる。


「わっ私の番? なら、私の名前はアリア・ファイリーよ。障壁破壊前衛型で、使う武器は槍よ。よろしくしてあげるわ! 特別にアリアって呼ばせてあげるわ」


「最後は私ですね。私はミリア・スレリアです。魔力回復型と回復特化型で、使う武器は弓です。よろしくです。ミリアで構いません」


 二人の自己紹介が終わる。僕はこの時思った。このクラスの女子って本当にレベルが高いなと。


「……何だ?」


 皆の視線がこちらに向いている。


「いや、お前だけ自己紹介していないだろ」


 シンがそう言う。しかし、昨日聞いているのではと僕の中で疑問に思う。


「まぁ、昨日聞いたけど一人だけしないってのはないだろ」


 あぁ、そう言う事か。なら、僕も自己紹介をするべきだな。


「えっと、僕の名前はカオル・L・A・シンフォニー。絶対拒絶型らしい。得意な武器は野太刀。使う武器は刃物全般。まぁ、よろしく。後、呼ぶ時は何でも良いよ」


 僕はそう言って自己紹介を終える。何か変な所はなかったよな? 僕の自己紹介が終わってから、少し皆がざわついているし…。

 そんな事を思っていると、カナが話しかけてくる。


「なぁ、自分てホンマに絶対拒絶型なん?」


 あぁ、その事か。


「まぁ、そうらしいよ」


「らしいって……自分の事じゃないんですか?」


 ミリアが僕の回答に疑問を持つ。まぁ、自分でも本当かどうかは分からないんだけどね。


「まぁ自分の事なんだけど、絶対拒絶型って気付いたの………昨日のクラス分けの時なんだ…」


 僕の一言で再び空気が凍りつく。そして――


「「「「――ハァアアア!?!?」」」」「……!?」


 四人が声を上げて驚き、一人が目を見開く。


「ちょっと、どう言う事よそれ!!」


 アリアが僕の方を掴み揺らす。


「ちょ、話すから、揺らさないで…」


 僕の声が届いたのか、揺らすのを止める。もう少しで、最上級魔法<オートリバース>(簡単に言えば吐く事)が発動する所だった。


「い、いや、中学の時魔法が使えない落ちこぼれが居たでしょ。それが僕なんだ。ほら、Aクラスにいた」


 全員はそう言えばと言った感じの顔になった。


「成程、それがカオルだったと」


 シンが頷きながらそう言う。僕はそれに頷き、その通りだと言う。


「じゃあ………何で……絶対…拒絶型って…………気付いたの?」


 レナがそう聞いて来る。僕は昨日の事を話しだす。


「それはね、昨日のクラス分けの時にさ。ほら、先生と戦うやつだよ」


 全員はそれに頷く。少し苦い顔をする者もいるが。


「その時にさ、先生を怒らせちゃって上級魔法を撃たれたんだよ。その時にね」


 僕の一言で全員がポカーンとなる。そして――

「「「「――ハァアアア!?!?」」」」「……!?」


 再びさっきと同じような感じになった。


「ちょっと待て、なら何だ。昨日先生を倒した新入生って、お前のことだったのか?」


「ん? 倒したかどうかは不明だけど、負けてはいなかったね」


 まぁ、引き分けって感じかな? どうなんだろう? 先生の腕が折れたから僕の勝ち? それともどちらも倒れていないから引き訳なのかな? でもそんなことどうでもいいや。


「どちらにしても、今日の模擬戦で分かるんじゃないですか?」


 ミリアの一言で四人が納得する。ちょっと待て、模擬戦だと? 聞いていないぞ。


「え、今日模擬戦あるんですか?」


「そうよ。今日一日模擬戦よ。まぁ、昨日あんた寝てたから分からないでしょうけど」


 アリアがそう言って笑う。と言うより、一日模擬戦か…………嫌だな。


「ちょっと僕お腹の調子――」

「――なら闘技場に行こうか」


 シンが僕の言葉を遮り、皆にそう言う。僕はとりあえず、目を背けてきた膝の上に座っているレナを降ろす。


「むぅ……抱っこ…」


 レナがそう言って僕に向けて手を広げる。何だこの生き物? 滅茶苦茶可愛い。可愛すぎる! でも、耐性がないから僕には無理だ。


「じゃあ、行こう!」


 シンが元気よく闘技場に向かう。僕はシンに引きずられながら、闘技場に強制連行された。


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