絶対防御の主人公(改)
リメイク版のPrologueです。
帝暦二千十一年二月一日。
僕はセルシニア総合学園・農業科の入試試験を受けるべく、バスで試験会場に向かっている。将来の夢は自らメロンを栽培し、販売する事だ。そのため、設備が整っているセルシニア総合学園・農業科に入学するべく、今まで頑張ってきた。今日はその試験の日。今まで頑張ってきた事を十二分に発揮するぞ!
そう思いながら僕はバスに揺られる。周りには多くの学生。僕のようにセルシニア総合学園を受験するべく来たのだろう。セルシニア総合学園は農業科以外にも多くの科がある。その中で何を受けるかは分からないが、大半は魔法科だろう。この中に農業科を受ける人は僕以外にいるのだろうか?
しかし今日は寒いな。雪まで降っている。あ、外の人が滑った……。縁起が悪いな。偶に思うのだが、何故こんな時期に試験があるんだろう? 出来れば温かい時期が良いな。大学部だったら温かい時期でもあるらしいが、高等部は寒い時期ばかりだ。全く、こんな日はヴァムホーテンのココアを飲みたくなる。ミルクと砂糖は増し増しで。
バスはどんどん足場の悪い場所に入って行く。さっきの人みたいに滑らなければ良いのだが。
不安がぬぐえない。今日は朝から何かしら胸騒ぎがする。嫌、僕の思い過ぎかな? それとも緊張か……。どちらにせよ、まずは落ちつかなければ。ヤッパリ、ココアが飲みたいな。落ちつくしね。
「間もなく、セルシニア総合学園試験会場前」
車内放送が無機質な声でそう言う。今まで喋っていた人達も、緊張が高まって来たのか一言も発さなくなってしまった。
「間もなく、セルシニア総合学――」
車が大きく揺れる! 車内では荷物が転がり、人々は必死に手すりや椅子に掴まる。無論、僕もその一人だ。
「ウ、ウワァアアア!!」
運転手が声を上げる。ふと見ると、ハンドル操作が追いついていない。恐らくはスリップだろう。足場の悪い上、雪まで降るような寒い日。路面凍結でも起きていたのだろう。
右を見ると、目の前には大きな岩壁。恐らくは山肌の剥き出しになっている部分なのだろう。近くには落石注意の看板。
このままだとぶつかってしまうじゃないか! 嘘だろ! バスは結構なスピードが出ているし、半壊は免れないぞ! 嫌だ、こんな所で死ぬなんて!
時間の経過が遅く感じる。
本当に死んでしまうのか? 嫌だ! 今まで頑張ってきたんだ! それなのにこんな所で死ぬなんて――
「嫌だぁあああ!!」
その瞬間、バスが紫色の光に包まれた。そして大きな振動。
「……た、助かったのか?」
大破どころか、傷一つないバス。そして乗客全員も無事。
まさか、何で?
岩壁の方を見る。するとそこには大きく抉れた岩壁。それも、バスを覆うように抉れている。
「あれ?」
硝子に移った自分を見て、僕は声を漏らした。そしてその一カ月後、僕はセルシニア総合学園・魔法科の入学が決定した。
と、こんな感じになっております。
主人公、カオルの性格は完全に変えております。
そして、この小説では生かせていなかった、異性が苦手というところをもっと生かしていこうと考えております。




