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私が死んだと信じている旦那様へ、今日も別人として花屋の店番をしております

作者: 鉄人じゅす
掲載日:2026/06/14

「リーナさん、白薔薇をもう一束を店先に並べてちょうだい」

「はい、店長」


 私はエプロンの裾で手を拭きながら店の奥から白薔薇の束を運び出した。

 午前の光が差し込む王都の裏手にある小さな花屋。ここが私の居場所になってようやく一ヶ月が過ぎた頃のことだった。

 私の名はリーナ。住み込みで雇われているただの花屋の店員。

 身寄りもなく、姓もなく、過去もない。隣国の村から五年越しに王都へ引っ越して薔薇とすみれと忘れな草を毎朝生まれ変わった気分で並べる一介の女。それが表向きの私だ。


 私の本当の名はリーゼ・フェルネス・モルゲン 辺境の貧しい男爵家の四女として生まれ、社交界では『序列の最後尾』と陰口を叩かれていた平凡な令嬢だった。


 そんな私が王国でも有数の名家モルゲン侯爵家の若き当主オスカル様のもとへ嫁いだのはいまから五年前の春。 オスカル様が辺境の小さな夜会で私を見初めてくださり、男爵家の格を圧して婚姻を申し込んでくださったのだ。


 雪のように白い肌、星屑を散らしたような銀の髪、深い藍の瞳 。

 立てば騎士団の頂点、座せば王の右腕。舞踏会の中央に立てば社交界の華。そして口数の少ない静かな御方だった。


「リーゼ。私は貴女の夫として誇らしく思う」


 旦那様はいつもそう仰った。ただしいつもご自分の書斎の机の前で。

 あるいは夜会の控え室で誰もいない場所でだけ私をそう呼んでくださった。

 社交の場では旦那様は私の隣で無言だった。手を握られることはなかった。頬に口づけられることもなかった。腰を抱き寄せられることもなかった。

 旦那様は護衛のように警備のように影のようにただ私の隣に立っていらした。


 私はそれをこう解釈した。

 旦那様は義務として私を引き受けてくださっているのだと。

 そして私の考えを補強する材料は屋敷の外にいくらでも転がっていた。


 侯爵家には本来第三王女殿下の結婚が内々に進められていた。

 公爵令嬢、侯爵令嬢、伯爵令嬢。旦那様を慕う高貴な令嬢方は皆私より遥かに旦那様にふさわしかった。 そしてその全員にとって私は消えるべきただの邪魔な石ころに過ぎなかった。


 最初の毒の混じった茶。階段の踊り場の油。夜会の帰り道に襲ってきた復面の三人組。

  寝室の窓辺に放たれた毒蛇。お抱えの薬師から処方された避妊薬と称する堕胎薬。


 数えるのを止めたのは確か十を過ぎた頃のことだった。

 旦那様は私を守ってくださった。護衛を増やし侍女を入れ替え屋敷の出入りを厳しくし、自ら剣を抜いて毒蛇を斬り騎士団まで動員してくださった。

 しかし刺客は止まらなかった。私は独りでこう結論を下した。


 旦那様は義務として私を守ってくださっている。けれど心の底からは愛していらっしゃらない。

 もし本当に愛していらしたならここまで頻繁に刺客が来ることも無いのではないか。愛されてないからチャンスと思われて刺客を送られるのでは?


  私が消えれば旦那様は本来王女様と並ぶべき場所に戻れるのだ。

 これは男爵家の四女の卑屈な思考だったかもしれない。だがその夜、寝室の天蓋の真上に黒装束の影が現れた時、その思考は私に決断する勇気を与えた。


「誰!?」


 影は囁くように言った。


「覚悟」


 刃の冷たさが私の喉に押し当てられた。 肌がほんの僅か削がれる感覚があった。今しか無い。


「お、お待ちください」

「命乞いは無駄だ」

「お願い一つだけお話を聞いてください」


 私は声を絞り出した。


「私を殺さずに逃がしていただけませんか。もう暗殺に疲れたのです。代わりに旦那様から頂いた金目のものを全部貴方に差し上げますから」


 私は震える指で寝台の脇の小箱に手を伸ばし、蓋を開けた。

 中には嫁入りの夜の宝飾品、誕生日に頂いた首飾り、社交の度に下賜された耳飾り。三年間で旦那様が私に下さったすべての宝が収められていた。平民が一族郎党、十代は遊んで暮らせるほどの財産がその小箱の中にあった。


「これを全部お持ちください。指輪も耳飾りも首飾りも全部。代わりに私をただ逃がしてください」


 影は考えているのか無言だった。やがて刃が私の喉からゆっくりと退いた。


「いいでしょう。ただしあなたにはこの国から出て頂きます。少なくとも私がこの国から逃げるまではね」


 影は刃を鞘に戻した。 覆面の下から低い声がゆっくりと紡ぎ出される。


「王都郊外の森で先月から巨獣の出没が報告されています。奥様のドレスの切れ端と指輪とわずかな血さえ残せば誘拐されたついでに魔獣に食害されたという筋書きで騎士団は納得するでしょう。元々騎士団はあなたを妻として認めてなかったですし」

「……」


 この者は侯爵家の事情をよく知っていた、恐らく潜入して調べていたのだろう。


「なぜ私を生かしてくれるのですか?」

「逃げてくれる方が都合が良いのです。こちらの都合なので深く考えないように」


 私はその朝、商隊の荷馬車の毛布の下に息を潜めて王都を離れた。懐には逃亡資金だけを確保していた。

 旦那様が私の死をどう思うだろうか。命を狙われる邪魔者がいなくなって安堵しているのならば良いのだけど。


 国境を抜け、隣国の北東の端の山の麓にある小さな村にたどり着いた。行き場の無かった私を年老いた花屋の店長さんが面倒を見てくれたのだ。


「リーナです。よろしくお願いします」


 私は別の名を新しい人生に貼り付けた。

 そして五年が過ぎた。


「リーナさん、ちょっと相談があるんだけど」


 ある朝、花屋の店長がかまどの前で私に話しかけてきた。


「隣国の王都に私の昔の友人でがいてね。その娘も小さな花屋をやっているんだけど。先月、手紙が来て、長年雇っていた店子が退職しちゃって、花の知識がある人手が足りないって困ってるそうなの」

「……はい」

「リーナさんもう五年ここでよく頑張ってくれて腕もぐんと上がったでしょう。王都に行ってもらえないかしら?」

「王都に」


 私の指が止まった。

 王都。 私がリーゼ・フェルネス・モルゲンとして死んだ場所で旦那様のいらっしゃる場所。もうあれから五年経つ。


「無理にとは言わないわ。全てを捨てたあなたに出会ったのは五年前。深い事情は聞かなかったけど、この村を出るのに抵抗があるなら」

「店長さん」


 私は首を振った。

 王都に戻ること。それは確かに本能的に避けてきたことだった。だがもう五年だ。 リーゼが五年前に死んだ女として王国の戸籍からも社交界の記憶からも消されているだろう。依頼主の高位令嬢方も私という邪魔者を消すことに成功したと認識しもう新しい刺客を放ってはいないはずだ。

 何よりリーナとしての私の顔は五年の生活でもはや別人となっている。私がリーゼと気付く者はいない。


「お受けします店長さん」

「本当に? 助かるわぁ」

「五年間お世話になった御恩を少しでもお返しさせてください」


 私は五年ぶりに王都への馬車に乗った。


 王都の商業区にある礼拝堂の裏手の小さな花屋。新しい店主シーナさんは初老で背が低くよく笑う独身の女性だった。


「リーナさん、はるばるよく来てくれたわね」

「お世話になりますシーナさん」


 王都に戻った最初の数日、私は街の空気だけで息が詰まりそうだった。かつての旦那様の屋敷はここから馬車で半時間。私が三年間「侯爵夫人」として暮らした場所がそれほどの近さにある。だが、店の暖簾を潜るたび私は自分にリーナと言い聞かせた。


 リーゼは五年前に死んだ女性だ。 それで私は花の鉢に水をやり続けた。

 王都の客は村の客とは違った華やかなドレスのご令嬢。夜会の贈り物を求める青年貴族。誕生日の薔薇を取りに来る商家の女主人。慣れない接客に最初の二週間うまく笑えなかった。

 それでもシーナさんはひとつずつ教えてくれた。

 そして王都に来てちょうど三週目のある朝。


「リーナさんちょっとね」


 シーナさんが店の奥から私を呼んだ。


「来週の十五日、月命日のお花を用意しておいてね。毎月決まって買いに来られる大貴族のお客様がいらっしゃるの」

「貴族の御方ですか?」

「ええ。もう丸五年毎月十五日、決まった時刻にいらっしゃるの。亡くなられた奥様のためにお花をね。それが丁寧であのお優しさはこちらまで胸が締まってしまうわ」


「……どんなお花をお買いになるのですか?」

「白薔薇の束と小さな桜草をひと束。それだけ」


 私の指が止まった。

 桜草。


「リボンは決まって深い藍色をお選びになってお持ち帰りになるの」


 私は深く息を吸った。

 まさかそんなはずは……。

 貴族の方が毎月ここにいらしている。それも丸五年毎月欠かさず。私の好きだった桜草を買いに。


「シーナさんそのお客様はお名前をご存じですか」

「お貴族様のお名前はこちらからは伺わない決まりなのよ。でも有名な御方らしいわ。確か若い侯爵様で五年ほど前に奥様を不幸な事件で亡くされたと。今は第三王女殿下と再婚なさっているけれど、月命日だけは必ず最初の奥様のためにいらっしゃるそうよ」


「……」

「リーナさん?」

「……はい来週の十五日ですね」

「ありがとう。あなたならちゃんと束ねてくれそうだからお任せするわ」


 シーナさんは温かく笑った。でも私は頭を下げながら五年ぶりにぐらり揺れていた。

 旦那様がまさか私のために桜草を買い続けている。王女殿下という私と違って見劣りしない相手と再婚 しているはずなのに旦那様がいらっしゃる。


 私はエプロンの下で両手を強く握り合わせる

 十五日の朝。王都には薄い霧が降りていた。


「リーナさんお客様よ」


 シーナさんに呼ばれて私はエプロンで濡れた手を拭きながら店先に出た。そして息を止めた。

 濡れた石畳の上に深い喪服姿の長身の青年が立っていた。雪のように白い肌、星屑を散らしたような銀の髪、深い藍の瞳。

 5年経ってもすぐに分かった。旦那様だった。


「白薔薇をいただきたい。それと小さな桜草を束に」


 旦那様の声は静かで低く藍色の朝霧のような響きで。


「亡き妻が好きだった花だ」


 私は深く頭を下げた。 そして奥に入った。桜草。

 私は震える指で桜草の鉢の前に立つ。

 桜草は辺境の野に咲く小さな目立たない花。 私がまだ婚約者として旦那様の屋敷にお邪魔した最初の春。庭園の隅に桜草が一株だけ咲いているのを見つけた。それを見て私はついこう漏らした。


「まあ桜草。私の故郷の野にはこれが一面に咲いておりましたの。母が毎年束にして、玄関に飾ってくれていましたわ。私、桜草が世界で一番好きな花なんです」


 旦那様はその時頷かれた。ただ頷いただけだった

 そして今、旦那様は桜草を求めていらっしゃる。 亡き妻が好きだった花として。

 私は奥の作業台で白薔薇と小さな桜草を束ねた。 手は不思議なほど震えていなかった。

  五年の暮らしで私の指はもうリーゼの指ではなくなっていた。 ただの花屋の店員であるリーナの指だった。

 リボンは旦那様の瞳の色に合わせ深い藍色を選んだ。 カスミソウをほんの少し添えた。亡き「リーゼ」の好きな組み合わせだ。


「お待たせしました」


 旦那様は私の差し出した束を両手で受け取った。受け取りながらふっと顔を上げ、私を見た。


「ありがとう」


 旦那様は深く頭を下げ店を出ていった。


 私はエプロンを外した。


「シーナさんすみません、少しの間、席を外させてください」

「リーナさん!?」

「すぐに戻ります」


 私は店を出た。霧の路地に旦那様の喪服の背中がゆっくりと消えていく。私は距離を保ちながらその背を追った。

 なぜ追うのか自分でも分からなかった。でも旦那様が桜草をどこへ運ぶのかを見届けたかった。

 旦那様は王都を抜け城外の小さな丘の上の古い礼拝堂へ向かう。礼拝堂の裏手の丘の頂上には墓地があった。私は墓地の入り口の樹の陰に身を潜めた。


 そして見た。

 丘の頂上に立派な白い大理石の墓標。 刻まれている名は「リーゼ・フェルネス・モルゲン」

 私の昔の名前だ。墓標の周囲はまるで生きている人の部屋のように整えられていた。


 墓標の前には白い大理石の小さな机。机の上には私が好きだった『北方詩集』『花言葉大全』『辺境の四季』全て私の故郷の本ばかり。

 机の隅には私が母から受け継いだ小さなオルゴール。机の手前の地面にはふんわりと桜草が敷き詰められていた。墓標の右脇には私の刺繍枠がガラスの覆いの下に安置されていた。

  屋敷に未完のまま置いてきたのを思い出す。あの一枚がそっくりそのままここに運ばれていた。

 旦那様は墓標の前片膝をついた。 そして白薔薇と桜草の束を机の上にそっと置いた。


「リーゼ」


 旦那様の声が霧の丘の上で静かに響いた。旦那様は昔の私に優しげな声で語りかける。


「今月も来た。いつもは花を置くだけだったが……私の想いを聞いてもらえないだろうか。何を今更と君は言うかもしれない。ようやく……」


「君が好きだった桜草がようやく咲き始めた。いや本当は二週間前から咲いていたんだが、王宮の務めが立て込んでいて月命日まで来てやれなかった。すまない」


「君の本をまた一冊増やした。北方の若い詩人で君が好きそうな辺境の野の歌を書く男だ。気に入ってくれるといいんだが」


 旦那様は机の上のオルゴールの蓋を優しく開いた。旋律が霧に滲むように丘の上に流れた。

 私が母から教わった辺境の野の子守唄。樹の陰の私の頬をいつ伝ったか分からない雫が流れていた。


「リーゼ」

「私は君にもっと愛していると言うべきだった」


 旦那様の声がほんの少し震えた。


「私は口下手だった。社交の場では特に君を護るのに必死で、君の手を握ることも君を抱き寄せることも出来なかった。どこかから矢が飛んでくるのではないか、毒の杯が回ってくるのではないか、いつもそれだけを考えていた。私の腕を君に伸ばすより私の身体で君と毒の間に立つことを優先した」


「それが君に誤解させてしまったのではないかとずっと思っている」


「君は最後の頃、私を見るときどこか寂しそうだった。私はそれに気付いていた。気付いていながら何も出来なかった。次の夜会こそ君の手をしっかり握ろう。次の朝こそ君に愛していると伝えよう。そう思いながらいつも機会を逃した」


「そして君が消えた」


 旦那様は墓標に額を寄せた。


「リーゼ。私は王命で第三王女殿下と再婚した。半年前のことだ」


 私の心臓が樹の陰でぎゅっと潰れる音がした。


「殿下は私の妻として不足のない御方だ。だが私の心はここにある。ここから動いていない」


「君への想いを捨てられず五年もかかってしまった。結婚を受け入れる条件として月命日の来訪を許してもらっている。それが王家と侯爵家の契約だ。私にはもう君を護れなかった償いとしてこれだけは止めるわけにはいかない」


「でもリーゼ。これだけは信じてくれ」


「私が本当に本気で心から愛したのは後にも先に君ひとりだ」


「父の名でも家の財産でもない、私という口下手で不器用で愛を伝えるのが下手なただの一人の男を人として愛してくれたのは君ひとりだった」


「君が桜草を見て笑ったあの春の日の顔を私は毎日思い出している。君が辺境の野の話をしてくれたあの夜の声を私は毎晩寝床で繰り返している。だか君の好きだったものを全部ここに運んでいる。本も刺繍枠もオルゴールも桜草も全部君が寂しくないように」


「リーゼ。もし生まれ変わり君にまた会えたなら私はちゃんと言葉にする。一日に百回愛していると伝える。君の手を夜会の真ん中で握り君の頬に口づけをすると約束しよう」


「私は必ず君のもとに行く。待っていてくれリーゼ」


 旦那様は墓標を優しく撫でた。 長い、長い、沈黙の中で丘の上の風だけが桜草の花びらをわずかに揺らしていた。


「今日花屋で新しい店子と会った。どことなくリーゼと似ていて、だから口に出さねばと思ったのだ」


 私は樹の陰でその全てを見ていた。

 旦那様。

 私は声に出来ない呟きを心の中で繰り返していた。

 私は貴方に愛されていたのですね。深く誰よりも愛されておりました。

 それを私は卑屈な目で見落としていました。護衛のように隣に立つ静けさを義務感と見間違えました。


  桜草の話もただ聞いてくださっただけだと思いました。 夜会で繋いでくださらなかった手を貴方が私を毒と矢から護るためにずっと空けていたと知りませんでした。

 私は貴方の愛を信じる代わりに自分の卑屈を信じてしまいました。

 そして私は逃げてしまいました。貴方が毎月桜草を抱えて丘に登るその姿を知らないまま。


 私がもしあの夜、暗殺者の影に頷かず、大声上げて助けを求めていたら。もし貴方の愛を信じる勇気を持っていれば、私は貴方の隣で貴方の手握っていたかもしれません。

  貴方が私の名を夜会の中央で誇らしげに呼んでくださる。そんな未来もあったのかもしれません。


 私はそれを自分の卑屈で潰したのです。

 旦那様。私は貴方をもっと愛すべきでした。

 貴方の愛をもっと信じるべきでした。

 

 刺客に貫かれてでも貴方の腕の中で息を引き取るべきでございました。

 貴方の腕の中で死ねた幸福こそが私の本当の最期であったはずなのに。


 それでも。

 旦那様はもう王女殿下と再婚しています。

 私が今、樹の陰から飛び出して貴方の前で名前を名乗ったらきっと全部壊れてしまう。 私の卑屈の責任を新しい奥様にまで背負わせてしまうだけでございます。

 

 だから私はここから動きません。樹の陰から貴方が桜草を撫でオルゴールを閉じ丘を降りてゆくその背中を見送るだけにいたします。


 旦那様は毎月十五日に来店される。今日もきっと来られるだろう。


「白薔薇をいただきたい。それと、小さな桜草を束に」

「かしこまりました」


 私はリーナとしてその注文を受けたら最も美しく開きかけた桜草を選ぶ。

 深い藍色のリボンを結びカスミソウをほんの少し添える。

 貴方の知らないまま、私の作る花束を丘の上に運び続けてくださるなら

 それが私が貴方に最後に差し上げられる五年遅れの返事でございます。

 愚かな私は貴方の本当の愛に五年も遅れてようやく気付きましたから。


二人はすれ違ったままなのでハッピーエンドではないのかもしれません。

でも月一で会うのでいつかは気付くのかもしれません。それもまた良きことでしょう。


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