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プロローグ お仕置きはご褒美

※ややセクシー、またグロ表現があります。

「はぁはぁはぁ……。もっと、もっといい声で鳴きなさい!! この豚野郎!!」


 アパートの一室で吐き出されたのは俺を罵る先輩である縄島真衣(なわしままい)さんのものだった。


「は、はひぃぃぃいい!!」


 そして俺は真衣さんの要求に応じて出来るだけ情けなく鳴く。


 それだけで熱く、奥底から何かが溢れ出る感覚が全身を包んだ。


 これだ。これこそが俺が待ちに待った快感。

 モンスターからダメージを受けた時とは比較にならないほど……気持ちがいい。


 これで俺は、俺たちはもっと……『強くなる』、はず。


「ふふ、あははははははこれが、これが欲しかったんでしょ! この……変態っ!!」


 真衣さんは笑いながら俺の顔を踏みつけた。


 汗ばんだ足の裏は少し湿っていて発酵食品に近い、籠った匂いを発していた。


 普通であれば臭いと顔を背けたくなるのだろうが、俺はこの足をどうしても自分の顔の上からどかしたくはなかった。


「真衣さん、真衣さん……。もっと、もっとくださ――」


 むしろ鼻の奥にその匂いをこびりつかせようと懇願を試みようとした、その時だった。


 細く長く黒ストッキングに包まれた長い脚の先、いつもはガードの固いぴったりとしたスカートの奥がはっきりと見えてしまった。


 黒色に遮られているはずなのに絶え間なく放たれる純白の閃光が、ピンクの蝶が俺の視線を釘付けにする。


「? お前、そんな真剣な顔で何を見……。……。……。あっ!?」


 最高の匂いと光景を楽しんでいると真衣さんは俺の様子がおかしいことに気づいたようで、かわいらしい声を上げながら脚をどかしてしまった。


 真っ赤に色づいた顔とスカートを押さえる仕草。


 これが嫌いな男などこの世にいないだろう。


 だが、俺の本命はここからだ。

 なぜなら不意の事故で恥じらった女性が次にしようとするのは『お仕置き』なのだから。


「ふ、ふふふ……。勝手に私のスカートを覗くなんていけない子ね。だ・か・ら……そのスケベ心ごと縛り付けてあげないと」


 真衣さんが空中で手円を描くような仕草を見せた。


 そうすることでステータス画面のホログラムが浮かび上がり、アイテムを取り出すこともできるのだ。


 『モンスターが現れた世界』に変わったことは最悪なことのはずなのに……恩恵と思えることがあまりにも多すぎる。



「――よ、し……きつーく縛ってあげたからもう動けないわよ。ほら、もう話すこともできないでしょ」


「んぅ! あむぅう!!」



 真衣さんはあっという間に俺の両手両足を椅子に縛り付け、その上で口に縄を咥えさせた。


 さっきよりも息が苦しくて、唾を飲み込むのが難しくて……余計に、興奮する。


「ふふ……。その『痕』、どんどん濃くなって……。そろそろ刈り時ね」


 顔を近づけてくる真衣さんの視線の先を追った。


 すると俺の右胸あたりから頬にかけて蛇が這ったような痕が黒く、濃く浮かんでいた。



 これこそがハズレスキル【痛覚上昇】が極まった姿……【痛覚変換:脳汁経験値】による経験値の具現化。



 このスキルはその名の通り様々な痛みを経験値に変えることのできる、おそらく最強スキル。


 これにより己のレベルが上がるのはもちろん、それを拭った対象までも大量の経験値を得ることができる。


 当然拭うのはタオルなどではダメ。

 生身での接触が必須条件であり、その中でも効率のいい拭い方として――



 ぺろ。



 唾液等による体液を使った舐め取りがある。



「ちょっとしょっぱいわね。でも、嫌な味じゃないわ」


 髪をかき上げて必死で、でもいたずら心に満ちたつり目で痕を舐める真衣さん。


 ざらざらとした舌先は想像よりもむず痒く、唾液はやや匂った。


 だが拘束されていては反抗することはできない。

 真衣さんの気の済む時までされるがまま……。



 こうして俺たちはこの世界で抗うために、戦闘の痛みなどで溜まった『経験値の清算』を今日も行う。



 蔓延るモンスターたちの討伐と占拠された地域の奪還。

 俺には到底向いていないと思っていた仕事だったが、強敵との遭遇、真衣さんとの出会い、スキルの覚醒……まさかあの日の出来事だけでまるっと変わってしまうなんてな。


 完全に飼いならせば……いいや、完全に飼いならしてもらえば、やはりこの世界もまだまだ捨てたもんじゃな――



 がり。



「あぁっ!! ち、乳首……とれ、る」

「ふふ、ごめんなさい。こんなに尖らせるから間違ってかじっちゃった」



 この世界最高。絶対モンスターになんか支配させない、させてやらない。

 いくら俺が生粋のドMでも、だ。

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