6.燃え始める心
あの後ジャジャノジャと仲良くなった。
正しくは、婚約者同士になったのだ。
少し前まではそんなことになるとは思わなかったけれど、でも、その関係は自然な流れで誕生した。
まず私がアイダン関係の件でお世話になったことについてお礼を伝えに彼に会いに行った。
すると彼は丁寧に対応してくれた。
そして少しお茶をしようという話になって、それがすべての始まりとなる。
ジャジャノジャはセンス煌めくお茶とお菓子を出してくれ、参加者二人ではあるものの茶会の雰囲気はとても良いものだった。
彼は私の趣味の話も聞いてくれた。
編み物への愛を。
常に温かな眼差しを向けながらきちんと向き合ってくれた。
でもその時はまだ知らなかった。
……その先で彼との関係がどうなるか、なんて。
けれども二人の進展を止めるものは何もなく。上手く気が合ったこともあって、そこから何度も会うようになり、気づけば親しくなっていた。そして彼から想いを告げられ。それをこちらが受け入れたことで、私たちは正式に婚約者同士となった。
婚約者同士になってからも私たちは仲良し。
彼は編み物好きな私を大切に扱ってくれている。
私も個性的な彼のことが大好き。
だから私たちは迷わない。
この先何があったとしても、きっと、互いを想いつつ隣り合って歩んでゆけると思う。
――ジャジャノジャとの結婚から二年、私は、大きな夢を叶えた。
「おめでとうマーガレット! すごい、すごいよ! おめでとう! 本当に!」
「大賞取るとか神だろォッ」
「んも~、すごいよホント。ずっとずっと頑張ってたもんね。これはもう純粋に……おめでとう! それしか言えない!」
国主催の大会へ提出した編み物の作品が大賞を受賞したのだ。
これまで、その賞を取った人たちは、そのほとんどが編み物の大家となっている。
「おぬしぃぃぃぃぃぃ……すごいすごい、しゅごいぞおおおぉぉぉぉぉぉぉぉん!! マーガレットぉぉぉぉぉん!! わしゃ、わしゃ……ぬうううんぬおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!! 最高、最高じゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! わっひゅぅふぉぉぉおおおぉぉぉぉぉぉぉん!!」
ジャジャノジャも受賞を喜んでくれた。
「今まで色々支えてくれてありがとうジャジャノジャ」
「泣けるぅぅぅぅぅぅん!!」
「貴方が支えてくれたから今日があるの。感謝しているわ。本当にありがとう、今までずっと……寄り添ってくれて」
「わしゃうれすぃぃぃぃぃぃぃよおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
信じる道を歩いてきて良かった。
今は強くそう思う。
「わっしゃ嬉しすぎるぞおおぉぉぉぉぉぉいいぃぃぃぃぃぃぃ!! わっしょいわっしょいじゃああぁぁぁぁぁぁぁ!! 宴会したいくらいじゃあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 最高の妻あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
大賞受賞を知った時のジャジャノジャの叫びは凄まじいものだった。
「お願いだから落ち着いて」
「無理じゃ!」
「えええー……」
「こ、ここ、こんなに! 嬉しいことが! あったんじゃ! それで落ち着けなんて言われても、無理じゃ! 無理なもんは無理なんじゃ!」
「そう……」
「いくらわしでもできんこともあるんじゃよ!」
「血圧上がるから」
「知るかい! そんなもん! 愛する女性の奇跡の瞬間に出会って黙っているなんざ不可能じゃ!! そんなもん無理じゃ!! パッションパッションパパパパパッション、なんじゃ!! 最高ッ!!」
未来のことは分からない。でも一つ確かなことは、私はこれからも愛おしいものを抱き締めながら歩んでゆく、ということ。
信じたい人を信じて。
護りたい世界を護って。
やりたいことに打ち込んで。
――そうやって生きていきたい。
◆終わり◆




