095 真の強者
二方向からぶん殴られて思わず悲鳴をあげてしまう
二人とも真顔で儂を睨む。
だから何度も言っておるじゃろう。儂が女の子扱いするのは50歳以上だと。
真顔で見上げてくる二人の姿にどうしたものかと考える。
「幼児ってクロスくんはいい加減あたし達を女の子扱いすべき!」
「ルーだって大人になってるもん」
「本当か?」
二人が大人になってるどうか調べるためにどうすればいいか?
やはりあそこを揉むのが一番てっとり早い。
そんなわけでテレーゼとルーナの胸を鷲づかみした。
「ひゃっ!」
「んんっ!」
「うむ」
「ちょ! そ、そこ触るのだめだって」
「何が駄目なんじゃ。おぬしが5才の頃お医者さんごっこがしたいと自分から胸を触らしてきたじゃないか」
「何年前の話してるの!? そのときから成長してるんだからっ! ああっ」
「テレーゼ。おぬしの胸の場所が分からぬ。成長してるのか?」
「成長してるもん! 去年から1センチ大きくなってるはず!」
この魔力により肥えた大地の中で生まれた枯れた大地。
母親のミーナ氏も胸は小さかったな。かわいそうだがどうにもならんようだ。
それよりルーナである。
顔を真っ赤にして震えた瞳で儂を見る。
「にーにー、だ、だめぇ」
「ルーナはしっかりと成長しているな。まだ12才だというのに成長が早い」
「くっ!」
舌打ちしたのは当然テレーゼである。
元々胸の大きな母上の血を受け継いでいるせいかルーナは発育が良い方だ。
言動や振る舞いは子供っぽいのにこのアンバランスさが思春期ってやつじゃろうか。
成人する頃にはシャルーンくらいの大きさになるだろう。
ま、儂は巨乳も貧乳もどうでも良いが。
こんな所にしてるやるか。両手を外して再び頭の方へ持って行く。
「まぁ……二人とも成長してるといえよう。だが都会な女子はもっとすごいぞ」
「そうなの?」
「ほんと。前に会ったスティラは凄かった。胸にスイカ入れてた」
「嘘でしょ!?」
「それはさすがに言い過ぎじゃ」
でもそれに準ずるものは胸に仕込んでいる気がする。
あやつの胸の大きさは儂もびっくりするものがある。
「ルーナと同い年の第三王女にも会ったぞ。ルーナよりも大きかったかもしれん」
「そ、そんなのありえない!」
テレーゼが愕然とする。まぁシャルーンもそうじゃがちょっと発育が良すぎる気がする。
女は体ではなく心意気なのじゃがな。
その時、がたりと自宅の扉が開いた。
「三人ともご飯できたわよ。あら」
母上から扉を開けて顔を出してきた。
思ったより長く話してしまったか。
「抱きつくなんて二人とも本当にクロスが大好きなのね」
母上が儂らを見てのほほんとした声で話す。
「でもにーにー、ルー達の胸を触ったよ」
「しっかり揉みしだかれたれたんだよ!」
「ルーナはともかくテレーゼは揉むほどない。って蹴るなっ!」
「え」
こら、そんなことを母上に言うんじゃない。
母上がそれを聞いて何て言葉を放つか簡単じゃ。
儂はゆっくりと母上の顔を見上げる。
「クロスそんなにおちちが恋しいの? 久しぶりに授乳しよっか?」
「違うわ。あと授乳だけは勘弁してくれぇ……」
忘れもできぬ赤子時代の授乳強要。恐れぬものなどない儂が恐怖で震えてしまうものよ。
儂が母上に勝てない理由の一つだったりする。





