083 儂が得たモノ
「ごほん、褒賞として聞けば卒業後は王国騎士団への入隊を希望と言っていたね。推薦状を送らせてもらおう。夢に一歩近づけるはずだ」
「うおおおおおおおおおっ!」
「ひぃっ!」
興奮して服が破けた。でも殿下の記憶に固く刻まれただろうから、ブロコリにとっては良い結果になったかもしれんな。
「では……」
ようやく儂の出番か。儂は何をもらえるんじゃろうな。
他の3人と違って欲しいものも特にないし、金一封くらいだろうか。
「先の3名にはもう一つ共通の特典を用意してある」
大盤振る舞いじゃな。ん? 儂は飛ばされた!? 三名ってことは儂は除かれるということか。
まぁ来たくて来たわけじゃないから別に良いが……、いやシャルーンが悪巧みしてそうな顔をしておる。
スルーだったらこんなことにはならん。とても嫌な予感がする。
「君達三人には第二王女から面会許可証が発行される」
面会許可証……つまり。
「それがあればアポインメントが無くてもいつでも私に会うことができるわ。学校や城にいればの話だけどね」
「本来シャルーンさんって王女様だから気軽に会える立場じゃないですもんね……」
「僕達も卒業したら気軽に会える存在ではなくなるからね」
「あなた達と知り合えた縁を逃したくないからぜひ受け取って。私からの信頼の証だから」
シャルーンの言葉にスティラとジュリオも感激しているようだった。
しかし王族との面会許可証をこうも簡単に出すとはな。まぁスティラとジュリオはシャルーンにとって重要人物になると言えよう。
ブロコリは多分どっちでも良かったのかもしれんが。
……少しもやもやする。
「クロス、どうしたの?」
シャルーンが意地の悪そうな顔で儂を見る。
「もしかしてクロスも許可証が欲しかったとか?」
「そうは言っておらん」
「ふふっ、そんな顔をしてくれるなら用意した甲斐があったかしらね。ではお兄様、続けてください」
「はぁ……まったく」
いったい何を考えておるんじゃ。ニコニコ顔のシャルーンにそんな妹の姿に呆れる殿下の姿。
この兄妹がなぜこんな笑顔なのか儂は何も分からなかった。
「クロス・エルフィド殿。我が妹シャルーンをすぐ側で支え事件解決に貢献した」
「え、そんなことしてない」
「クロス、お兄様の言葉を遮らないでね」
儂がそう言うのを分かっておったということか。
この場はシャルーンの独壇場。儂のフィールドではないな。
でもなぜか褒章を受け取るのは儂なのにシャルーンが隣についてくる。
「褒賞としてクロス・エルフィド、あなたを第二王女付きのリンクパートナーに任命する」
その瞬間、大きな歓声が会場を響いた。
「うおおおおおおおっ!」
「まさかシャルーン様があの平民をリンクパートナーに!」
「ウソでしょ。でも……これは荒れるわぁ」
うん、とりあえず言えることは一つ。
「なんじゃそれは」





