053 お仕事のおはなし
今日は特に何もなく、全ての授業課程が終了した。
男子達からやっかみがあると思ったが、特になく……女性陣、いや……シャルーンがいる手前手荒なことができないのではないかと思う。
この学園は貴族生徒も数多いと聞くからのう。
放課後はシャルーンに連れられて、とある部屋へ案内された。
「生徒会室」
儂とスティラ、ジュリオの三人はそう書かれた部屋へ入った。
「ようこそ生徒会室へ。私がこの学校の生徒会長でもあるシャルーンよ」
「ほぅ」
「シャルーンさん、そうだったんですね!」
「僕は知ってたけどね」
あえてもったいぶっていたのはこういうことか。
王立学園祭。生徒会長であれば権限的な意味でも関連性は強くなる。
外部の儂やスティラを呼びやすくもなる。
「他に生徒会員はいないんですか? 机はあるみたいですけど」
「うっ」
シャルーンは気まずそうに反応する。
「今は私一人なの。前生徒会長に押しつけられたようなものなのよね。王女を差し置いて会長なんてできませんって」
「一人でこなせるものなのか? おぬしは王国騎士団にも所属しているのじゃろう?」
「今は学業優先だから騎士団は休職してるわ。もちろん、要請があったら出るけどね」
王国最強と言われておるんじゃ。シャルーンじゃないと倒せない敵が現れた時はそうなるじゃろうな。
「今までそんなに大変じゃなかったし、まわりの知り合いや前生徒会メンバーに手伝ってもらったりしたの。基本私が頼めばノーとは言わないから」
「この学園にしてシャルーンさんの頼みを断る人なんていないですもんね」
「生徒会長も王族の責務だと思ってるしね。兄も経験者だし」
シャルーンは第二王女だったな。確か三姉妹で少し年離れた次期国王候補の長男がおると聞いたことがある。
「でもさすがに学園祭は大変だわ。どこも忙しくて手一杯。それで外部のあなた達にお願いすることにしたのよ」
ようやく本題に入ったようだ。
シャルーンが生徒会長なのであれば金の出所がわかりやすくて良い。
「まず……クロスは運び屋として本領を発揮してもらうわ」
「うむ」
「学園祭で届けられた荷物は一カ所に集めて各場所に手配した生徒が持って行くんだけど、間違いが本当に多くて困ったことになってるの。だからクロスには各場所に荷物を届けて欲しいのよ」
「いいじゃろう。そういう話ではあればすぐにでもやらせてもらうぞ」
「ついでに各教室や各部活の許可書とかも届けて欲しいから忙しくなるわよ」
学園という狭い空間であれば一瞬でこなせそうじゃな。
学園全体を見てまわるという点でも楽しそうじゃ。
「次はスティラ」
「はい! お薬関係なら任せてください」
「スティラはミスコンに出て欲しいの!」
「はい、分かりました!」
「……」
「……」
スティラは真顔になった。
「それ、薬と何の関係があるんですか」
儂もそう思う。





