024 因果応報の時③
50年成し遂げられなかったエクスポーションの精製をEランクの薬師が成し遂げたことに驚喜という形となっていた。
全力を尽くしたスティラと目が合う。
「えへへっ」
良い顔をしておる。
対するポンポーティル家の奴ら唖然とした顔をしていた。
「馬鹿な……エクスポーションをこんなに早く作れるはずが」
「意味わかんねぇ。なんであんな無能がエクスポーションを作れるんだよ」
「あれ、もしかしてもう終わっちゃった? ねぇ、あなた分かる?」
銀髪を靡かせた美少女がウェーウェルに声をかける。
「うるさい! 黙りやがれ、誰だよおまえはっ」
思考を邪魔された怒りをぶつけたっぽいが、相手が良くなかったな。
彼女は明らかに苛立った顔を見せた。
「誰って。フィラフィス王国第二王女、シャルーン・フェルラ・ロギュール・フェルステッドだけど黙っていればいいのかしら」
「王女様っ!?」
全員の声が響き渡る。その言葉にウェーウェルは驚きすっころんでしまった。
「え、シャルーンさんって王女様だったんですか。うそ、わたし失礼なことを……」
シャルーンに近づく。
「シャルーンご苦労じゃったな。いいタイミングで来てくれた。物を預かろう」
「うん、お願いするわ」
「ん? シャルーンおぬし、けがをしているのか」
シャルーンの頬に切り傷が出てきており、血がにじんでいた。
「ちょっとドジしちゃってね。問題ないわ」
「駄目じゃよ。せっかく綺麗な肌をしておるんじゃ。大切にしろ」
「綺麗だなんて……もう照れるから」
儂は無限収納バッグからヒーリングサルブを取り出して、シャルーンの肌に塗ってあげる。
「え……クロスさん、それ」
「何か言ったか?」
「……なんでもないです」
なんだかスティラがチラチラみている気がするが、まぁええか。
傷が治ったシャルーンはスティラに近づく。
「スティラ、おめでとう」
「あ、ありがとうございます。シャルーンさん。……じゃない、シャルーン殿下」
「もう、私達は友達なんだからそんな仰々しく言わないで。さん付けのままでいいから」
「……分かりました。ありがとうございますシャルーンさん!」
さて、役者は揃ったようだ。
今回ポンポーティル家の挑戦に打ち勝つというのが主目的であるが、今の神託が続くのであればまた別の家で同じようなことが発生するに違いない。
それを何とかしなければならない。
「ここにいる全員、聞いてはくれぬか」
観衆、そして仲良さそうに話すシャルーンとスティアも儂に注目をする。
「知っての通り、Eランクの才能判定を受けたスティラ・ポンポーティルが50年誰も精製することができなかったエクスポーションを作り上げた。本当に彼女は才能がない……そう思うか?」
「そんなわけないよな……」
「むしろ才能がありすぎるくらいだ」
「でもCとかDの人は才能の信憑性があるみたいだし」
観衆の意見もごもっとも。儂は大きく手を挙げ、声を出した。
「ここで一つの仮説を言いたい。あの神器はもしかしたらAランクを超える才能を見つけた時、天井を超えて反転し、Eランクと判定するのではないか」
どよっと声が上がる。
「そこでだ。ここにシャルーン王女がいる。皆も知ってのとおり、王国最強と言われた彼女は間違いなく剣士の才能がある。彼女が神器に触れた時、どうなるか……見てはどうだろうか」
シャルーンは神器に触れたことはないと言っていた。
なので結果は誰も分からない。
「王族として許可をするわ。反転なんてしてたら王国にとって重要な才を取り逃すことになるから」
シャルーンの言葉にシスター達は準備を始め、神器を用意する。
神託の始まりだ。
シャルーンは観衆に見守られながらシスターの神託を受ける。
「シャルーン殿下」
「はい」
「あなたの剣術の才能は……」
儂は目を瞑りその先を聞いた。





